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虫歯&銀歯の女の子
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虫歯&銀歯の女の子
- 1 :名無しさん@ピンキー:04/07/19 16:12 ID:8MZmTy88
こんな子に激しく萌えます http://up.nm78.com/data/up047068.jpg
- 201 :名無しさん@ピンキー:04/09/04 14:24 ID:Az/3d0Fg
続きを。 右の犬歯は意外にも無事だった。 告げると、香緒里は少し喜んだ。 「他の歯ほとんど悪いんだから、こんなとこで喜んだってダメだよ」 釘をさし、次の歯に移る。 かみ合わせは綺麗だった。 だがよく見ると、奥の歯との間、内側が黒くなっている。 奥の歯も接しているところが黒い。 あまり大きくはなさそうだがこの2本も虫歯だろう。 「ほら、残念。2本続けて虫歯になってる。」 香緒里は短くため息をついた。
- 202 :名無しさん@ピンキー:04/09/04 14:31 ID:Az/3d0Fg
「次の歯は…いつ治したの?」 「小学4年のとき」 「それから歯医者には?」 「…行ってない」 じゃあ全部10年越しの虫歯か。 銀を詰めてあるが、縁がグレーになって、今にも取れてしまいそうだ。 「これもきっと中で広がってるよ。」 「たまにしみるの…」 「じゃあ間違いないね。はい、次最後だよ、あーん」 最後の歯も、やっぱり虫歯だった。 かみ合わせの溝が、色は変わらないが太く、深くなっていた。 「まだそんなに大きくないけど、放っておくと中が広がるよ。早く治そうね」 そう香緒里に言ったとき、ふと気づくことがあった。 「香緒里、親知らずは?」 「わからない」
- 203 :名無しさん@ピンキー:04/09/04 14:42 ID:Az/3d0Fg
じゃあまだ生えていないんだろう。 香緒里はあごが細いから、きっと抜くことになるだろう。 「じゃあ、まとめ。虫歯は17本。親知らずも合わせて、21本治さないとね。」 香緒里はしゃくり上げるようにして、また泣き出した。 「怖い?」 「違うの、磨いてるけどダメなの…信じて、汚い子だと思わないで、嫌いにならないで…」 「わかったよ」 正直、ちゃんと磨けてるとは思わなかったが、 普段気っ風のいい香緒里の弱点を見た気がして、可愛くて堪らなかった。 歯小説じゃなくなってしまったよ…orz
- 204 :名無しさん@ピンキー:04/09/04 14:49 ID:ezZsxbUU
キモイーーー
- 205 :名無しさん@ピンキー:04/09/04 21:14 ID:vj2p9QUZ
治療跡とか虫歯とか興奮する〜! 歯医者とか大好きだもん。 ライト当てられて口開かされてじっくり見られるなんて、 ある意味恥辱プレイだもん。表情も歪んじゃうし。ちょっと痛いし。 奥歯ガリガリやられたりするとクリトリスが疼いてきちゃうんだけど・・・ 超接写主義みたいなサイトとか見るとほんと濡れてきちゃう。 歯を削ってる最中のどアップの画像とかあればいいのにー! そういう事出来る歯医者さんていないかなぁ。
- 206 :はは:04/09/04 21:43 ID:pW+fkYli
かわいい女の子の奥歯で思いっきり噛まれたら、人間の指ってどうなっちゃうんでしょうか?? ちぎれはしないですよね??
- 207 :はは:04/09/04 21:45 ID:pW+fkYli
かわいい女の子の奥歯で思いっきりかまれたら、人間の指って どうなっちゃうんでしょうか??ちぎれはしないですよね?
- 208 :岸利 徹:04/09/04 23:46 ID:ECKcMy64
>>206-207 かわいくても、ブサいくでも同じ。 てゆーかー、この質問書いてるのおまえだけだぞ。 以前にも見たこと有るが。 ふつうに考えれば分かることだろうが、ぼけ。
- 209 :名無しさん@ピンキー:04/09/04 23:57 ID:YyS9ZCYD
>>203 震えながら歯医者に行って治療するシーンたのむ
- 210 :名無しさん@ピンキー:04/09/05 00:31 ID:9nwAlaXl
一夜明けて、今日は香緒里の10年ぶりの歯医者の日だ。 あれほど痛がっておきながらなお尻込みする香緒里を、 半ば連行するような形で、ようやくドアの前まで引っ張ってきた。 香緒里を見ると、すっかり青ざめてしまっていて、 もはや抵抗する力もなくなって震えている。 恥ずかしいから行きたくないと言っていたが、 それ以上に怖がっているみたいだ。 「いいね、頑張ってちゃんと治そうね」 念を押す。 「…うん」 「ドアは自分で開けなよ」 俺が開けるのは香緒里のためにならないような気がする。 「……うん」 香緒里は意を決したように、勢いよく歯医者のドアを開けた。
- 211 :名無しさん@ピンキー:04/09/05 00:45 ID:9nwAlaXl
中に入ると、歯医者独特の臭いが漂ってきた。 歯医者が苦手ではない俺でも、少し身構えてしまう。 香緒里は気丈に振る舞っているが、緊張のあまり、動きがぎこちない。 緊急の初診だと受付に告げると、問診表が手渡された。 香緒里が順に記入しているのを、横目で眺める。 『ご来院の理由…痛む歯がある』 『治療の仕方について…気になる歯だけ治す』 「…こら、見てるぞ」 「あ」 「香緒里は、こっちの『悪い歯は全て治す』だろ」 「……」 「どうせ先生に見られたら、全部治すまで許してくれないよ」 昨日素人目に見ただけでも、痛そうな歯が10本近くあったのだ。
- 212 :名無しさん@ピンキー:04/09/05 00:53 ID:9nwAlaXl
「でも…」 「でもじゃない。口開けて、あーん。」 明るい室内なので香緒里の歯を一望できる。 昨日はペンライトで少しずつだったから実感が沸かなかったが、 こうしてみると、香緒里の奥歯はぼろぼろの一言だ。 「虫歯になってない奥歯、一本だけなんだよ。」 香緒里は真っ赤になって俯き、問診表を訂正した。 「大野香緒里さーん、2番にお入りください」 問診表を書き終わると、丁度中から呼ばれた。 さっと香緒里が青ざめるのが判った。 「一人で大丈夫?」 「……付いてきて欲しい」 許可を取って一緒に入る。
- 213 :名無しさん@ピンキー:04/09/05 00:55 ID:c3f0jtLp
206 207>> かわいい女の子に銀の詰め物が施された奥歯で噛んでもらいたい気持ちは わかります。
- 214 :名無しさん@ピンキー:04/09/05 01:03 ID:vZpz+9iI
>>206 この前深夜番組で、山川え○かがチュッパチャプスの早食い競争っていうのやってて、バキバキむりやり噛み砕いてた。 指も同じように噛まれたらひとたまりもないんじゃないかな?
- 215 :名無しさん@ピンキー:04/09/05 01:06 ID:9nwAlaXl
歯医者は40ぐらいの渋いおっさんだった。 「えーと、左の上が痛むの?」 香緒里が硬く頷く。 「じゃあ椅子倒しますね、はいお口開けて」 俺の握っている左手がきつく握られるのが判った。 香緒里が口を開けると、歯医者は中を覗き込み、「ほお…」と唸った。 「これは…ずいぶん放っておきましたね。他にもたくさん虫歯になっているようだし。 あなたの歳でこれでは…ちょっと多すぎますね。 とりあえずレントゲンを撮りましょう」 容赦なく言われて真っ赤になるかと思いきや、香緒里は見て判るぐらい震えている。 今にも泣き出しそうだ。 レントゲンのため一旦ブースの外に出て戻ると、 香緒里は目の端に涙をたたえていた。 「怖い、怖い、どうしよう」 「大丈夫だって、俺がここにいるよ」 レントゲンを見ながら歯医者が戻ってきた。
- 216 :パラレル化スマソ:04/09/05 01:16 ID:TOHcvRiX
おおおっ、小説が続いてる!!さらに治療に行っている。!! しかも、精神的ダメージの表現が多くて、漏れの好きなタイプ。 楽しみすぎる・・ 期待してるぜ 入れ歯は好みじゃないんで、そうならないことを祈ってるけど、 こればっかりは、好みだからしょうがないんだよな。 ちなみに自分の好みは、 未治療の虫歯(痛いとベター)と治療シーン、とそれに伴う精神的ダメージ 虫歯を怒られるとか、いじめられるとか、後悔や自責の念とか、 口を開けさせられるとか、唇をめくられるとか。
- 217 :名無しさん@ピンキー:04/09/05 01:29 ID:9nwAlaXl
左上の歯は、抜かずに残すことになった。香緒里も少しほっとした様子だ。 今日はその歯を治して、他の歯は順に治していくらしい。 今日の分の治療が始まった。 香緒里が泣いていたのを察してか、俺も出て行けとは言われずに済んだ。 神経がすでに死んでいるので麻酔はしないらしい。 おきまりのキュイーンという音とともに、香緒里の口の中にドリルが入れられた、 キュイーン、チィーン、シュイィン。 香緒里の歯が削られていく。 「あっ、ああ、うー」 香緒里は、口端からよだれを垂らしながら、眉間にしわを寄せ、呻いている。 手にも一層の力がこもり、腰から下がうずうずと動いている。 「痛くはないでしょう?がんばって」 小さく香緒里が肯くのを見て、歯医者は更にドリルを進めた。 「はい、今日はもう削らないよ」 見ると、香緒里の小さな歯にあった、大きな汚らしい虫歯はなくなっていて、 代わりに更に大きな綺麗な穴が空いていた。
- 218 :名無しさん@ピンキー:04/09/05 01:38 ID:9nwAlaXl
次は、神経を取ってしまうらしい。 ものすごく小さなねじのような物が、香緒里の歯に力任せに押し込まれていく。 ぐっと押されると、香緒里の足がびくん、と跳ねる。 「少し響きますか?でも、これは麻酔しても変わらないからね、頑張って」 先ほど押し込まれた小さなねじが、今度は力任せに引っ張られる。 「あっ」香緒里が小さく叫ぶ。 それにはお構いなしで、別の小さなねじがまた、 香緒里の、無惨にもぽっかり口を開けた歯に押し込まれては抜かれていく。 香緒里はすっかり怯えきったのか、 ねじを押し込まれるときたまに体に力を入れるだけで、あとはだらりとしている。 つないだ手は妙に熱い。
- 219 :名無しさん@ピンキー:04/09/05 01:43 ID:9nwAlaXl
そうこうしている間に根の治療も終わったらしい。 「薬を詰めましたからね、次見て綺麗だったら、金属をかぶせる準備をしましょう。」 「あ、あの…それって…」 終わったのに安心したのか、香緒里が自主的に聞く。 「いわゆる銀歯ですよ。周りを全部覆ってしまう。神経を抜いた歯は脆いからね」 香緒里は呆然とした表情だ。 歯医者がたたみかけて言う。 「あのね、大野さん。今日は歯磨きしてきた?」 「…はい」 「口を開けて」 香緒里の口の中に、細い棒が差し込まれる。 少しいじって取り出した棒の先には、薄黄色いもやもやした物が付いていた。 「歯垢ですよ、大野さん。たくさん残ってます。 歯磨きをしたのとできたのは違うんですよ。」 香緒里はまた、今にも泣きそうな顔をしている。
- 220 :名無しさん@ピンキー:04/09/05 01:50 ID:9nwAlaXl
「それにね、前歯なんてそんなに虫歯になるところじゃない。 特に若い女の子なら気をつけるからね。 でもあなたは、下の歯は綺麗だが、上は全部虫歯だ。 恥ずかしいことですよ。」 「……はい」 「全部治すまでにしばらくかかるからね。それまでちゃんと歯磨きして。 これ以上広げないこと。 ところでそちらは?」 「……彼氏です」 「仕上げ磨きをやって貰うといいよ。自分だと手加減するでしょう。」 「……」
- 221 :名無しさん@ピンキー:04/09/05 01:56 ID:9nwAlaXl
帰り際、恥ずかしいのか香緒里は、妙に早足になっていた。 「香緒里」 「…」 「怖かった? でももうそこまで痛くなくなっただろ? 次からも頑張って通える?」 香緒里は返事をせずに、足を止めた。 「あのさ…仕上げ磨き、やってくれない? ちゃんと磨いてた、って昨日言ったけど、嘘なの。 磨かないで寝ちゃったり、適当ですましたりしちゃうの。 もう、自分が信用できないから…」 真っ赤だ。相当恥ずかしいのだろう、手が震えている。 「…わかった。その代わり、自分でもうまく磨けるように練習しろよ」 「うん」 治療編、こんな感じかな。 唇めくったり、残りの虫歯が痛くなったりする歯磨き編、誰かお願いします。
- 222 :名無しさん@ピンキー:04/09/05 02:10 ID:TuasS4Z8
リューターで削ってる画像無いかなぁ? 一度アップで見たいw
- 223 :禁断の名無しさん:04/09/05 02:13 ID:hBTYoAIx
http://hiyo47.chu.jp/get3/7/ ゲトゲトゲットォ〜
- 224 :名無しさん@ピンキー:04/09/05 03:05 ID:IMoUGeA+
〜221、アリガd。
- 225 :名無しさん@ピンキー:04/09/05 03:46 ID:IMoUGeA+
どうしても、治療に入る前の検診(C2、とかいうやつ)が欲しくて、書いちまった。 要望があればうpするぜ とりあえず、歯磨き編。
- 226 :名無しさん@ピンキー:04/09/05 03:48 ID:IMoUGeA+
その日は、まだ少し痛む、と香緒里が言うので、食事はコンビニで買って、 香緒里の家で済ませることにした。 「さっきの聞いてたら、けっこう、しみる、っていうC2ばっかりだったけど」 「ん?」 「食事のときとか、どうしてたのさ。痛くなかったの?」 「ううん、そんなに。」 「今さら隠したってしょうがないぞ。今年、カキ氷ほとんど食べに行かなかったじゃないか」 「…」 香緒里は先にコンビニに入って行ってしまった。 コンビニで、香緒里はレトルトのおかゆ、俺はおにぎりと弁当とペットボトルの茶を買って帰った。 飲み物はいらないかと聞くと、 「…冷たいものは、ホント、駄目なの。飛び上がりそうになっちゃうから」 と、白状した。
- 227 :名無しさん@ピンキー:04/09/05 03:48 ID:IMoUGeA+
家に帰り、軽く食事をすませた。 食べ終わって、寝そうになったが、 「おっと、歯磨き。」 香緒里の歯磨きをしてやらないといけないんだった。 香緒里が歯ブラシを持ってくる。 向かい合わせに座る、など、いろいろ考えたが、結局、ひざの上に香緒里の頭を乗せることにした。 「なんか、変な感じだね」 香緒里が下から見上げる。 俺も妙な気分だ。 「はい、じゃ、あーん。」 人の歯なんて磨いたことがないから、よくわからない。 「とりあえず、下から行くよ。」 一番磨きやすそうだったので、下の左から、磨き始めた。 しゃこしゃこしゃこ。 よく見えないので、ほっぺたを引っ張りながら、歯の外側を磨いていく。 次に歯の裏側、かみ合わせ、と、磨いていく。 「前の歯は、虫歯になってないんだから、しっかり磨かないとな。」 そう言って、唇を押し下げて、丁寧に磨いていく。裏側も。
- 228 :名無しさん@ピンキー:04/09/05 03:49 ID:IMoUGeA+
調子がつかめてきた。 「あのー」 香緒里がなにか言いたそうなので、歯ブラシを抜く。 「つわがたまってきひゃった」 ああ、唾か。 「飲んでやろうか」 と言ってみたが、香緒里は、立って、吐き出してきたようだ。 戻ってきて、素直にまた、膝枕する。 右の奥歯も、丁寧に磨く。 慣れてきたので、そのまま右上の歯にうつる。 少々見にくいものの、なんとかできそうだ。 前歯も、唇をめくって、磨く。 「いたっ」 香緒里が顔をしかめる。そうだった。穴があいているところは、少し痛いかもしれない。 注意して磨き、奥歯に入った。 「一番ひどいんだけど、難しいな、痛かったら言えよ」 そう言って、恐る恐る磨いた。
- 229 :名無しさん@ピンキー:04/09/05 03:50 ID:IMoUGeA+
「あんまりそーっとだと、磨いたことにならないんじゃない」 また唾を出しに行った香緒里が、戻ってきて行った。 「もっかい磨いてよ。ちょっと舌でさわるとざらざらしてるの。特に一番奥の歯。」 「じゃ、思い切って磨くぞ」 歯ブラシを入れ、ほっぺたを引っ張って、外側も磨き、内側も磨いた。 「一番痛かったところは、削ってもらったから、平気だよ、がしがし磨いても」 香緒里がそう言うので、気合を入れてかみ合わせの面に入ったときだった。 「ああっ」 香緒里が叫んだ。 「痛かった?」 「あ、あ、あ」 香緒里は涙目になっている。 「どら」 覗き込んでみると、小さい穴が開いているだけだった、一番奥の歯の前面に、 大きな穴が広がっていた。
- 230 :名無しさん@ピンキー:04/09/05 03:51 ID:IMoUGeA+
「あっ」 中で虫歯が広がり、薄くなっていたところが欠けてしまったのだろう。 「ごめん、ホントごめん!」 「ん、いいよ、元はと言えば、私が虫歯にしたのが悪いんだから」 と香緒里は言ってくれたが、少し元気がない。 「痛む?」 「あ、だいじょうぶ」 そう言って、口をゆすぎに行った。 心配なので、香緒里の家に泊まることにした。 俺も忘れずに歯磨きをして、 手をつないで眠った。 どれくらい眠っただろうか。 しくしく、という香緒里の泣き声で目が覚めた。 「香緒里?」 「歯が、痛いの。」 「どこ?さっき、欠けたとこ?」 「うん。ヒック、ズキズキする・・我慢できないよぉ」 時計を見ると、3時半だ。 とりあえず、薬を飲んだり、アイスノンを当てたりはしてみたようだ。 俺が欠けさせてしまっただけに、気がとがめる。 たしか・・夜やってる救急歯科センターがあったはず・・
- 231 :名無しさん@ピンキー:04/09/05 03:53 ID:IMoUGeA+
どうしよ。 救急センターは行かなくてもいい気がしてきた・・ とりあえず、寝ます。 後頼む!
- 232 :名無しさん@ピンキー:04/09/05 04:33 ID:xrR0kOFR
>>キュイーン、チィーン、シュイィン。 香緒里の歯が削られていく。 「あっ、ああ、うー」 香緒里は、口端からよだれを垂らしながら、眉間にしわを寄せ、呻いている。 (・∀・)イイ!!
- 233 :名無しさん@ピンキー:04/09/05 11:07 ID:R1cHHe+P
わあ、歯磨き編最高! 夜中歯が痛くて泣いてるトコが特に萌え〜。 検診編も是非読みたいです。 うpよろ!
- 234 :名無しさん@ピンキー:04/09/05 13:54 ID:EDeaxLqT
>225 是非うpして下さい。お願いします
- 235 :名無しさん@ピンキー:04/09/05 17:49 ID:Lp1XhoDI
ちょうど215の後かな 治療台の横に、レントゲンをセットする。 大きなため息をつきながら、歯医者が椅子に座った。香緒里が固くなるのがわかる。 「えーと、大野さん、いくつ。…19か。」問診表を見ながら、歯医者が言う。 「まあ言わなくてもわかってると思うけど、ずいぶんひどいね。思ってるよりも虫歯は多いよ。」 そう言うと、レントゲンの電気のスイッチを入れた。 香緒里の口の中の様子が、ぱあっと照らされる。 歯がなくなっているところが、あの左上だろう、ということくらいしかわからない。 「はっきり言って、上の歯は、全部、虫歯だね。」 「全部・・・ですか。」 香緒里が、蚊の鳴くような声で言う。 昨日、大丈夫だと思った歯も、ダメだったか。 香緒里の手は細かく震えている。 「下の歯も、奥歯は、ほとんど全部やられてるね。ま、下の前歯しか無事じゃないってことだ。 悪い歯は全部治す、って書いてあるのは偉いけど、こりゃー大変だよ。がんばらないとな。」
- 236 :名無しさん@ピンキー:04/09/05 17:50 ID:Lp1XhoDI
歯医者はそう言うと、椅子を倒し始めた。 ふと気付くと、横に、カルテを持った助手の人が座っている。 「まず、全部の歯を見せてもらうよ。」 ライトを操作して、香緒里の口に当てる。 「はい、あー。」 香緒里は観念したように、目を閉じて、口を開けた。 歯医者はカチャカチャ、と硬い音をさせて、ミラーを取り、香緒里の口の中に入れた。 「はい、右上から。」 「7番、C2。6番、インレー、だけど・・・。」 歯医者は、ミラーを左手に持ち替え、ホースの伸びた器具を取って、香緒里の口に入れると、 「ちょっとしみるかなー」 と言いながら、しゅっ、しゅっ、と音をさせた。 「んああああっ」 香緒里が体を固くする。 風だか水を当てたらしい。 「かなり進んでるなあ。2次齲蝕だね。この、詰め物の下で虫歯が進んでるんだよ。治してからかなり経ってるでしょう」 香緒里はかすかに目を開けると、不安そうに頷いた。
- 237 :名無しさん@ピンキー:04/09/05 17:51 ID:Lp1XhoDI
「じゃ、続けます。」器械を戻して、歯医者は言った。 「5番、C2、4番・・・」今度は、針のようなものを手にとって、口の中をいじっている。 「あぅッ」香緒里の顔が歪む。 「4番、C2。3番、C1。2番、C2。1番は・・・C1、いや、ちょっと待った」 歯医者は、香緒里の唇をめくり、穴を、針でカリッ、とつついている。 「ぅぅぅ」 「1番、やっぱりC2。左に行って、1番、C2。2番、あー、こりゃひどいなあ、痛くない?」 香緒里は首を振る。歯医者は、疑わしそうな目で見て、 「でも、しみるでしょ?」とさらに聞いた。 香緒里は首を振りかけて、頷いた。さっきのをシュ、をやられると困ると思ったのだろう。 歯医者は、満足げに頷くと、作業に戻った。
- 238 :名無しさん@ピンキー:04/09/05 17:52 ID:Lp1XhoDI
「ま、いいや、2番はC3ね。3番、C2。4番、C1。5番…C2。6番、これが痛い歯だね、C4。 7番、C3。6番がこんなになってるから、痛いのはこの歯かもしれないけど。」 歯医者は、またも、ふう、とため息をついて、 「今聞いててわかったと思うけど、Cっていうのは虫歯。全部虫歯だよ。 それと、数字は、進行度。C1くらいで治療すれば、1、2回で済むんだよ。 まあ、普通、C2になると、しみることが多いから、そこで治療にくるもんだけど、 それを、C3になるまで放っておくなんて。若い女の子の口とは思えないよ。 将来が思いやられるね。」 と、言い放った。 香緒里は、目に涙をいっぱいにためている。 たしかに、C1というのはほとんどなくて、C2が多かった気がする。 ものを食べるときに痛くなかったんだろうか… 俺がもっと気をつけていれば、気付いただろうか…
- 239 :名無しさん@ピンキー:04/09/05 18:09 ID:NVu7uLIt
そう思っていると、歯医者の声がまた始まった。 「次。左下いきます。7番。」また、カリッカリッと、つついている。 「C2。6番、○。インレーです。5番、C2。4番…これは初めて、大丈夫だ。4から右3まで斜線。」 これまで、全部虫歯だったのか… あらためて、香緒里の歯のボロボロぶりに驚く。 不思議と、不快感はなかった。むしろ、この診察で、また昨日のように少しドキドキしていた。 「右、4番、レジン、だけどこれも、2次齲蝕だなあ。5番、C2、6番、インレー、7番、C2、以上。」 カチャリ、と、歯医者はミラーと針を置いた。
- 240 :名無しさん@ピンキー:04/09/05 18:10 ID:NVu7uLIt
「どう。」と助手に尋ねる。 「多すぎて…ちょっと待って下さい」 美人だが、やや冷たい顔の助手は、カルテの文字を数える。 「要治療、19本です。C1が2本、C2が12本、C3が2本にC4が1本、2次齲蝕2本です。」 「年とおんなじだけ、虫歯があるなんて、多すぎるよ。小さい子供ならまだしも。」 歯医者は厳しい顔で言った。 「うーん、この分だと、全部治すのに、まあ半年は通ってもらうことになると思う。 とりあえず、痛いところから治していくつもりだけど、痛くなくなったからやめる、なんてことはしないように。 この分だと、どんどん痛む歯は増えるだろうしね。ちゃんと最後まで通えるね。」 念押しするように、香緒里の顔を見つめる。 ハイ、と、泣き出しそうな声で香緒里が答える。
- 241 :名無しさん@ピンキー:04/09/05 18:11 ID:NVu7uLIt
「一度に、何本か進めていかないと、終わらないから。一番痛むところと、 その奥をなんとかしようと思うけど、今日は時間ある?」 「いえ、今日は」 とっさに香緒里が首を振る。えっ、と思ったが、まあ、今日はショックもあるのだろう。 そう思い、黙っていた。このことが後で、香緒里の悲劇を生むことになろうとは… 「大野さん、あのね…」 歯医者は、呆れたような顔になり、なにか言いたそうだったが、 「ま、ここでお説教しても進まない。とりあえず、治療に入りましょう。」 香緒里の顔が、体が、また固くなった。 別の助手が、器具を並べ始め、歯医者は、レントゲンを見つめた。
- 242 :名無しさん@ピンキー:04/09/05 18:12 ID:NVu7uLIt
で、ここで217に続く。と。 我ながら、長・・・
- 243 :名無しさん@ピンキー:04/09/05 18:44 ID:m/mJwhBZ
GJ!!
- 244 :名無しさん@ピンキー:04/09/05 20:42 ID:lIahtgwm
細かい描写に激萌えです! 乙! お礼に230の続きを少し… 「救急の歯医者、やってると思うけど行く?」 香緒里は首を振る。 肩を震わせしゃくり上げる香緒里の枕に、涙の大きな染みができている。 「…そこまで迷惑、かけられないよ。ヒック。私はいいから寝てて。」 そうは言っても、歯を欠けさせたのは俺だ。 心配で眠れるわけがない。 「薬はいつ飲んだの?」 「30分ぐらい前かな、でもわかんない。時間が経つのが遅くて…」 じゃあそろそろ効いてきても良い頃だ。 頭に血が昇ると痛いから、といって香緒里は上体を起こした。 抱きかかえて支えてやる。
- 245 :名無しさん@ピンキー:04/09/05 20:47 ID:lIahtgwm
歯も一応診ておいた方がいいだろう。 「あーんしてみて、無理ならいいよ。」 俺がそういうと、香緒里は涙に濡れた顔をしかめながら口を大きく開けた。 慌ててスタンドライトを付ける。 左上の一番奥の歯、歯磨きするまでは小さかった虫歯の穴が、大きく開いている。 香緒里に申し訳なくて、動悸がした。 「ん?」 よく見ると、穴の中に白い欠片が見える。 「香緒里、多分、歯の欠片が詰まったままだと思うんだけど、 取れば楽になるんじゃないかな?」 どうやって取れば良いだろう。爪楊枝でほじくり出すか、でもかなり痛そうだ。 「…うがい、してみる」 しゃくり上げながら香緒里が言った。 「米粒とか、うがいで結構取れるから」
- 246 :名無しさん@ピンキー:04/09/05 20:59 ID:lIahtgwm
コップに水を汲み、思いついて洗面器も持ってきた。 「はい。ここにはき出せばいいからね」 洗面器を香緒里の太ももの上に置いた。 「……んっ!」 水を口に含むと、香緒里は目をぎゅっと瞑った。目尻から、涙がぽろぽろと落ちる。 しまった、少し冷た過ぎたか。香緒里の歯の半分はC2の虫歯に犯されている。 きっと頭に響くほどしみたのだろう。心の中で香緒里に手を合わせる。 「…どう?」 水をはき出し、香緒里はまた口を開ける。 「んー、だめだ。残ってる。」 やはり爪楊枝しかないようだ。戸棚から一本取ってくる。
- 247 :名無しさん@ピンキー:04/09/05 21:07 ID:p80Dyk50
す、すげえ・・ 興奮しまくりだった。検診編、乙。 この香緒里の彼氏激裏山。 虫歯をつつくチャンスまで・・
- 248 :名無しさん@ピンキー:04/09/05 21:12 ID:g/c+IvN0
救急に行って美人女医に怒られる、 って展開を想像してたが、 C3のムシバぐりぐりは予想以上だ…萌え〜
- 249 :名無しさん@ピンキー:04/09/05 21:18 ID:lIahtgwm
「これで取ってみるよ。痛いかもしれないけど、ちょっとの間我慢できるね?」 「うん」 言って香緒里は口を開ける。 閉じてしまわないように、左手の指を口の中に入れ、親指で上の歯を押し上げた。 欠片は、穴の入り口付近にあった。 手前の歯が削られて平べったくなっているから、うまくすれば取れそうだ。 「いくよ」 声をかけると、香緒里は俺の服の端を握って、息を止めた。 爪楊枝を虫歯の穴に入れていく。 「あーっ、ふ、んあーーっ」 やはり相当痛いようだ。香緒里は服を引っ張る手に力をこめ、声を上げて泣き叫んだ。 「もう少し、我慢して…」 「あ、はあっ!!」
- 250 :名無しさん@ピンキー:04/09/05 21:26 ID:g/c+IvN0
か、噛まれる!?
- 251 :名無しさん@ピンキー:04/09/05 21:27 ID:lIahtgwm
香緒里ののどの奥から声にならない声が絞り出されたその時、 欠片は穴からころりと落ちた。 洗面器に欠片を吐き出すと、香緒里は俺の胸に顔を埋め、きつくしがみついてきた。 「痛い、痛いぃー!!」 「もう終わったよ。大丈夫、大丈夫」 慌ててアイスノンを当ててやる。 「ひっく、ひっく…。痛かったよぉー」 頭を抱え込み、撫でてやる。 俺のせいでこんな痛い思いをさせてしまったと思うと、 一昨日虫歯をからかったことさえ、後悔の念でのしかかってくる。 辛いのは香緒里なのに… 香緒里は、ひとしきり泣いたあと、薬が効いたのか強引な治療が効いたのか、 はたまた泣き疲れただけか、しゃくり上げながら寝付いてしまった。
- 252 :名無しさん@ピンキー:04/09/05 21:30 ID:g/c+IvN0
良スレになってきたと思うのはオレだけか・・?
- 253 :名無しさん@ピンキー:04/09/05 21:38 ID:g/c+IvN0
ぐりぐり編、乙。 主人公の悪意のなさ、思いやる気持ち、 それゆえに香緒里に苦行を強いているあたりが たまらん。 こんなのと付き合いてぇぇぇぇぇ
- 254 :名無しさん@ピンキー:04/09/05 21:48 ID:lIahtgwm
俺はなんだか興奮して眠れなかった。 俺の前ではいつもしっかり者の香緒里が、 小さな歯に出来た虫歯一つで、あんなに弱くなってしまうなんて…。 動悸は一晩中おさまらなかった。 8時頃、香緒里が暗い顔をして起きてきた。 「やっぱり痛いの…ずいぶんましにはなったんだけど…」 「薬は?」 「今飲んだとこ。駄目ぇ、痛いよぅ…」 まだ次の予約までは日があったが、もう、少しも待てない。 痛い痛いと泣く香緒里をなぐさめつつ、昨日の歯医者に来た。 今日は香緒里も恐怖より痛みを取って欲しい気持ちが強いようで、 中の様子をうかがったりしている。 中には誰もいないようだ。 診療開始までまだ1時間近くある。どうしよう、他を当たるか…
- 255 :名無しさん@ピンキー:04/09/05 21:52 ID:lIahtgwm
「どうしました?」 突然、声をかけられた。振り向くと、香緒里の担当の先生だ。 「おや…大野さん」 若くて虫歯だらけの香緒里は先生にも印象的だったのだろうか。 先生は名前を覚えていた。 「どこか痛むのかい?」 「あい、おくらあ、いらくて」 香緒里は頬をアイスノンで押さえていて口が回っていない。 首をかしげる先生に、俺は叫んだ。 「昨日、歯磨きで虫歯が欠けちゃって、夜中からすごく痛がってるんです。 薬もあまり効かないみたいで…」 「…入りなさい。とりあえず麻酔を打ってあげよう」 よかった…膝から力が抜けそうになる。 少しといいつつ長くなっちゃったよ〜 リアルタイムでコメント下さった方、ありがとう。
- 256 :名無しさん@ピンキー:04/09/05 22:20 ID:5BF5cM/n
続けちゃっていいですかね 鍵を開けて、中に入れてくれると、そのまま診察室に通された。 「着替えてくるから、ちょっと待ってて。」 奥の部屋に消えた歯医者は、白衣を着て出てきた。 「で、どうしたって?」 「昨日、俺が歯磨きして、一番奥の歯が、欠けちゃって大きい穴があいちゃったんです。」 必死に訴えた。 「ほう、じゃ、見せてごらん。」 椅子を倒し、ライトを当てる。 冷たく光るミラーが香緒里の口に入れられる。 「あー、こりゃいかんな」 すぅっと血の気が引いた。 「俺が!乱暴にやりすぎちゃって!」 叫ぶ俺を軽く制して、歯医者は顔を上げて言った。 「いや、君は悪くないよ。」
- 257 :名無しさん@ピンキー:04/09/05 22:28 ID:5BF5cM/n
「でも・・・」 「どうせ、あの部分は削るわけだし、欠けても特に問題はないんだよ。」 「そうなんですか。」 「この歯が痛み出すのは時間の問題だったんだ。もしかすると痛いのはこっちかもしれない、と 昨日も言っただろう。」 「そういえば・・」 「昨日、隣の歯を治療したので、神経が刺激されて、急に痛みが強くなったかもしれないね。 だから、昨日のうちに、まとめてやっておけばよかったんだが・・・」 香緒里が、しゅん、となった。
- 258 :名無しさん@ピンキー:04/09/05 22:43 ID:5BF5cM/n
「じゃあ、いかん、っていうのは・・」 「ああ、この歯は隣と違って、まだ神経が一応、生きてるんだ。だから、痛みを止めるのに、 麻酔を打つわけ。」 「はい。」 「ただ、今見たところ、神経がかなり充血してしまっているんだ。 こういうときは、麻酔がほとんど効かないんだよ。」 「えっ・・・」 香緒里も、しゃくり上げながら、青ざめている。 「じゃあ・・神経を取っちゃえばいいんじゃないですか?」 俺は必死に抵抗を試みた。 「たしかに、神経は取らないといけないけど、麻酔せずに神経に触るなんて、拷問だよ。」 そうか・・・香緒里を見ると、ほとんど真っ白になってしまっている。
- 259 :名無しさん@ピンキー:04/09/05 22:56 ID:5BF5cM/n
「他には?神経を殺すとか」 「君、鋭いね。神経を殺す薬を入れて、穴に蓋をして殺す、っていう方法もあるんだ。 ただね、それは、きちんと虫歯の部分を取って、きれいにしないとできないよ。 このまま蓋をしたら、歯や神経が腐って、ガスがたまるから、余計に痛むんだ」 「どうすれば・・・」 「とりあえず、できるだけのことはやってみよう。まず、麻酔を打って。強めの痛み止めと、 炎症をおさえる薬をあげるから、それを飲んで、おとなしくしてなさい」 「どのくらい、でおさまるんしょうか」 「2、3日といったところかな」 2、3日。数時間でも耐えがたかっただろうに、数日とは。
- 260 :名無しさん@ピンキー:04/09/05 23:10 ID:5BF5cM/n
「それで治療してもらえるんですか」 「できるようになるよ。ただ、私は明日から1週間ほど出張なんだ。 でも、もう一人の先生に頼んでおくから大丈夫。美人の女医さんだ。 ちょっときついところもあるけど、腕は確かだよ。」 そう言い残して、歯医者は席を立ち、注射器を手に戻ってきた。 「はい、大野さん、あーん」 「あぁ」 「ちくっとするよー、まあ、歯の痛みに比べたらどうってことない。我慢してねー」 注射器を口の中に入れる。 「あ」 香緒里の脚が、ぴん、と伸びる。 注射器を持つ親指が、ゆっくりと押し込まれていった。
- 261 :名無しさん@ピンキー:04/09/05 23:18 ID:EDeaxLqT
乙、すげー萌だよ!! 続きがかなり楽しみです。 ところでC4って抜かないといけない歯だったんじゃなかったっけ? けどそうなるとブリッチになるけどその隣もC3って事は ブリッチが不可能で入れ歯になっちゃうか、、、。 まっどうでもいいか。
- 262 :名無しさん@ピンキー:04/09/05 23:20 ID:5BF5cM/n
「んあああ」 ぎゅっと閉じた香緒里の目から、涙がこぼれる。 「はい、今度外から入れるね」 そういうと、左手で、香緒里の唇をぐいっ、と上方向に押し広げた。 香緒里はされるがままだ。 「もう一度ちくっとするよー」 さらに唇が広げられ、注射器が入っていく。 「あぅぅ」 喉の奥からかすれた声がもれる。 薬が押し込まれるのに合わせる様に、涙がはらはらと出る。 「はい、これでおしまい」 椅子を戻し、注射器にキャップをはめて、歯医者が言った。 香緒里は、かすかな声で、「ありがとうございました」 と言い、頭を下げた。
- 263 :名無しさん@ピンキー:04/09/05 23:26 ID:5BF5cM/n
受付で、薬の説明を受けていると、ドアが開いて、 昨日のカルテを書いていた助手と、もう一人、女の人が入ってきた。 「ああ、萩原先生。」 歯医者は、いいところに来た、とばかりに、女の人に話しかけた。 これが、さっき言っていた女医さんか。 たしかに美人だった。 「こちらの大野さん、明後日、治療に来られるから、お願いしますね。」 歯医者が言うと、 「お願いひまふ」 俺と香緒里も頭を下げた。香緒里は麻酔のせいで、口が回らない。
- 264 :名無しさん@ピンキー:04/09/05 23:27 ID:5BF5cM/n
「昨日の患者さんですよ」 助手が、萩原先生に告げた。 「ん?ああ、はい、お大事に。明後日ね。」 萩原先生は、微笑んでドアを開け、送り出してくれた。 帰り道。 「痛むか?」 まだ涙が止まらない香緒里に、尋ねる。 「やっふぁり、麻酔、効かないみたい・・ひっく、ひっく」 「早くおさまって、治療してもらえるといいな。あの先生、腕は確からしいし」 「でも、あの先生、怖そうだよぅ、ひっく」 気弱になっているんだろう。そんな香緒里の肩を抱きながら、ゆっくり歩いて帰った。 たしかに、少しのつもりが、書き出すと長くなるねー 後よろ〜
- 265 :名無しさん@ピンキー:04/09/05 23:49 ID:gvmfjkfx
あ
- 266 :名無しさん@ピンキー:04/09/05 23:54 ID:gvmfjkfx
乙〜萌えますた。 >>261 漏れもそうオモタ。ブリッジしたいとこだけど、7番がつらいか? 7番にクラウンできるなら、できるかも。 萩原先生は、微笑んでドアを開け、送り出してくれた。 の後に、 きれいな白い前歯が、朝日にまぶしかった。 とか入れたい漏れは逝ってヨシ 萩原先生&助手コンビ、いじめキャラのヨカーン
- 267 :名無しさん@ピンキー:04/09/06 00:20 ID:Hpo0RBeU
萩原先生のきれいな白い歯の裏側は金属でギラギラだといっそう萌え。
- 268 :名無しさん@ピンキー:04/09/06 01:57 ID:MVaOPK2R
香緒里は、その日は痛い痛いと泣いていたが、 2日たち、ちょうど歯医者に行く日になると、痛みはおさまったようだった。 「今日は一人で行かれるか?」と言うと、 「痛くなくなっちゃった・・・来週でもいいかなあ。」と、渋る香緒里。 「ダメ。今は、痛み止めのおかげだよ。これ以上、先延ばしはダメ。」 とさとし、いやがる香緒里を連れて、歯医者に向かった。 「萩原先生に治療していただく、大野です」 と、受付で名を告げると、雑誌を手に取る間もなく、 「大野香緒里さん」 呼ぶ声がした。美人助手だった。 「彼氏も一緒に来てもらって、と萩原先生がおっしゃってるわ」 許可を求める前に、呼ばれてしまった。 香緒里を後から押すようにして、診察室に入る。
- 269 :名無しさん@ピンキー:04/09/06 02:01 ID:sCiNuTJv
美人コンビに期待高まります!
- 270 :名無しさん@ピンキー:04/09/06 02:22 ID:MVaOPK2R
「どう。痛みは軽くなった?」 診療椅子に座るなり、萩原先生が尋ねる。今日は、眼鏡をかけていて、少し厳しい感じがした。 「はい。」 「よかった。じゃあ、治療に入れるわね。」 「はい・・・よろしくおねがいしま、す」 「今日は、まず、この間痛かった、左上7番、一番奥の歯を削って、神経を抜いて様子を見るわね。」 「はい。」 「なるべくまとめて治療するように、院長先生に言われたんだけど、」 カルテを手にして、先生は難しい顔をした。 「んー、よりどりみどり、ってとこね。どこから行くか・・・ それにしても、ひどいわね。こんなの見たことないわ」 ちら、と香緒里を見る。 香緒里はうつむいてしまった。
- 271 :名無しさん@ピンキー:04/09/06 02:40 ID:MVaOPK2R
「えーと、左上の4番は、珍しく軽いから、さっさと終わらせちゃいましょう。 次に左下5番、を削って、神経抜かないといけないかどうか見て・・・」 「え。神経・・抜くかもしれないんですか」 「C2だと、場合によるわね。冷たいものがしみるくらいなら、大丈夫なことが多いけど、 熱いものとか、甘いものがしみるようになってると、けっこう進んでるの」 香緒里の顔が硬直する。左下の歯は、熱いお茶がしみたのだ。 「甘いものとか、しみるの?」 萩原先生は、香緒里の変化を見逃さなかったようだ。 「あ、いえ・・・」 「ま、いいわ。」軽くため息をつくと、レントゲンをかざして見た。「あとは・・」 「えっ、まだ」 香緒里が小さく声を出す。
- 272 :名無しさん@ピンキー:04/09/06 02:43 ID:sCiNuTJv
結構進んだC2って、削るとき痛いですよね。 しかも削りすぎるといけないから、って麻酔なし… 治療シーンが楽しみだ…
- 273 :名無しさん@ピンキー:04/09/06 02:47 ID:MVaOPK2R
すると、萩原先生が、急に、冷たい声になった。 「大野さん、あなた、何本虫歯があると思っているの?19本よ。しかも、どれも進行してるの。 そんなに放っておいたのに、簡単に治るわけないでしょう?治す気あるの?」 香緒里が悲しそうな顔になる。 「そんな顔したってダメ。虫歯は、なるもんじゃないの。作るものなのよ。 あなたが虫歯に「してしまった」のよ。自覚してるのかしら。」 香緒里の目に涙があふれてきた。 「前のとき、時間がないとか言って帰って、痛くなって駆け込んできたこと、忘れたの。」 えっ、と思って横を見ると、美人助手が頷いている。 香緒里は涙に声をふるわせながら、 「おねがいします・・・」と言った。
- 274 :名無しさん@ピンキー:04/09/06 03:05 ID:6XQUlHtG
ttp://www.ultra-closeup.com/ (・∀・)イイ!!
- 275 :名無しさん@ピンキー:04/09/06 03:09 ID:MVaOPK2R
「はい。じゃ、あとは左上の2番。一番ひどい前歯ね。これは痛み出すかもしれないから 早めにやってあげたいんだけど。ちょっと見せてくれる。」 香緒里の顔を自分の方に向けさせ、唇をめくりあげる。 「ずいぶん変色してるわね。これだったら気付いてたでしょう。うーん、これはちょっと厄介だから もう少し後で集中してやりましょう。」 「あの・・・その歯、どうなるんでしょうか」 気になったので、思わず聞いてしまった。 「どうって?まあ、削って、神経を取ることになるだろうから、根がちゃんとしてれば、 土台を立てて、歯をかぶせることになると思うわ」 「それって、差し歯、ですか。」 香緒里が差し歯はイヤだと言っていたのを思い出した。 「そう、差し歯だけど?」 萩原先生が不思議そうに答える。 「差し歯・・・」 香緒里が青ざめていた。 「こんなにボロボロにしておいて、何言ってるの?ひょっとしたら、差し歯にもできないかもしれないわよ。 根っこまでやられてたら、抜くしかないから、両脇の歯を差し歯にして、くっつけて歯を入れるしかないわね。 これは、レントゲンを見た限りでは、どっちとも言えないんだけれど。」
- 276 :名無しさん@ピンキー:04/09/06 03:27 ID:MVaOPK2R
重苦しい雰囲気だった。 助手が、カチャリ、カチャリ、と、治療の準備を始める。 「ま、とにかく、始めましょう」 椅子がゆっくりと倒され、萩原先生の目がいっそう厳しくなった。 「一番奥からやるつもりだけど、麻酔が効くようになってるかどうか、見せてね。」 口調は優しくもどっている。 左手にミラー、右手に探針を手にして、香緒里の口の中を覗き込む。 「あぅ!」 香緒里が跳ねた。 「まだちょっと充血してるようね。今日は無理だわ。もう少し落ち着かせましょう。 じゃ、下の歯からにしましょうか。左下の5番ね。」 一瞬、ホッとした顔を浮かべた香緒里だったが、 「一応、C2だから、麻酔せずに削っていきます。」 と言われ、目を見開いて怯えているのがわかった。
- 277 :名無しさん@ピンキー:04/09/06 03:31 ID:MVaOPK2R
「我慢できなくなったら、ちゃんと麻酔するから大丈夫よ。」 横から、助手がなぐさめるように言った。 「はい、じゃ、あーん。」 ミラーでしばらく見た後、萩原先生は、先を選んで、器械にはめた。 不安そうに横目で見つめる香緒里。 「ちょっと見にくいから、ワイダーつけてくれる?」 「はい。」 助手は立って、プラスチックの道具を持ってきた。 なんだろう・・・ 見ていると、助手は、それを香緒里の唇にはめた。 すると・・・可愛い香緒里の口が、無理やり大きく開かされていた。 目を離せずにいると、香緒里がそれに気付いて、泣き出しそうな顔をした。 「じゃ、削りますよー」
- 278 :名無しさん@ピンキー:04/09/06 03:49 ID:MVaOPK2R
助手が、J字型の器械を持って、香緒里の口に入れた。<BR> ジュボボ・・と音がする。<BR> 「バキュームっていうの。唾液を吸い取るのよ」<BR> と、助手が教えてくれた。<BR> チュイーン、と音をさせながら、ドリルが歯に近付いていった。<BR> 「痛くなったら、左手上げてね」<BR> 香緒里が体を固くした。<BR> キュゥーン、キュゥーン、<BR> 音を響かせながら、香緒里の歯をドリルがえぐっていく。<BR> キュィーン、イィィィィィィィン、チュイン、チュイン、<BR> ドリルの音は続く。<BR> 「あー、けっこう中で広がってる、頑張って」
- 279 :名無しさん@ピンキー:04/09/06 03:50 ID:MVaOPK2R
あ。やり直し。 助手が、J字型の器械を持って、香緒里の口に入れた。 ジュボボ・・と音がする。 「バキュームっていうの。唾液を吸い取るのよ」 と、助手が教えてくれた。 チュイーン、と音をさせながら、ドリルが歯に近付いていった。 「痛くなったら、左手上げてね」 香緒里が体を固くした。 キュゥーン、キュゥーン、 音を響かせながら、香緒里の歯をドリルがえぐっていく。 キュィーン、イィィィィィィィン、チュイン、チュイン、 ドリルの音は続く。 「あー、けっこう中で広がってる、頑張って」
- 280 :名無しさん@ピンキー:04/09/06 03:59 ID:MVaOPK2R
キュイーン、イーン、<BR> どのくらい削ったころだろうか。<BR> 「あぅ!」<BR> 香緒里の悲鳴が上がり、左手が上がった。<BR> 「もうちょっとだからねー、ちょっと我慢して。」<BR> 香緒里の足先に、ぎゅっ、と力が入った。<BR>が、まだ終わる気配はない。<BR> キュィーン、キュゥーン、<BR> 「あー、こっちも広がってる・・」<BR> 「あ、はああ、んぁ、ぁぁぁ」<BR> 香緒里が泣き出し、脚をばたばたさせ始めた。<BR> 「あと少しだから」
- 281 :名無しさん@ピンキー:04/09/06 04:00 ID:MVaOPK2R
ぐはー、まただ・・ キュイーン、イーン、 どのくらい削ったころだろうか。 「あぅ!」 香緒里の悲鳴が上がり、左手が上がった。 「もうちょっとだからねー、ちょっと我慢して。」 香緒里の足先に、ぎゅっ、と力が入った。 が、まだ終わる気配はない。 キュィーン、キュゥーン、 「あー、こっちも広がってる・・」 「あ、はああ、んぁ、ぁぁぁ」 香緒里が泣き出し、脚をばたばたさせ始めた。 「あと少しだから」
- 282 :名無しさん@ピンキー:04/09/06 04:01 ID:MVaOPK2R
キュゥゥゥゥゥゥン。 ドリルが口からようやく離れる。 ワイダーもはずされ、椅子が起こされる。 「口ゆすいでね」 くちゅくちゅ。すこしホッとした顔で、香緒里が口をゆすぐ。 「はい。もう一度倒しますよー」 ふたたびワイダーが付けられる。 助手がバキュームを手に取る。 えっ、終わりじゃなかったのか・・・・ 「意外と大きく広がってたから、もう少し削らないと。」 香緒里が怯えた顔をしたが、口は強制的に開けられているので、 逃げることもできない。 キュィィィィン、 ドリルがふたたび、口に入っていった。 そろそろ限界だ。寝まふ。 どうも、美人ペアを活かしきれてないな・・ 書き直しキボン。
- 283 :名無しさん@ピンキー:04/09/06 04:19 ID:sCiNuTJv
乙!めっちゃ萌えた〜。 続き少しだけ書くよ。 シュゥン、シュゥン。 少しずつ、本当にほんの少しずつ香緒里の歯は削られていく。 「あ、う、ぁあ…あっ、んぅっ」 そのたびに香緒里がのどの奥で呻く。 手はチェアをきつく掴み、足は絶えずうごめいている。 「神経に近いから少し痛いと思うけど、神経にはまだ触ってないからね。」 手を止めずに荻原先生は言った。 歯を削られている香緒里は、肯くことも出来ずに、涙を流すばかりだ。 口も強制的に開けられていて、香緒里の自由になるのは足ぐらいのものだ。 その足は椅子を蹴り続ける。
- 284 :名無しさん@ピンキー:04/09/06 04:33 ID:sCiNuTJv
チィッ、チィン、シュゥンン… 「はい、終わり」 無限にも思われた時間が終わり、香緒里の口から再度ワイダーが外された。 口をゆすぐ香緒里に荻原先生が声をかける。 「神経は取らずに済んだわ。神経を保護する薬を入れて、型を取って、 今度金属の詰め物を入れますからね。じゃあお願いね。」 最後の一言は美人助手に向けた言葉だ。 美人助手はてきぱきと薬とセメントを練り合わせ、荻原先生に手渡した。 椅子を倒し、香緒里に口を開かせる。 ノズルの着いたチューブを香緒里の口に入れ、ボタンを押した。 シューッ、シューッ どうやら歯を乾かしているらしい。 風もしみるのか、香緒里は声こそあげないものの、またもびくん、と跳ねた。 「動かないで、口も閉じないで下さいね」 助手が言ったが、すでに香緒里は口を半分閉じていた。 「……もう一回開けて、はい、あーん」 助手が軽くため息をつきながら言い、再度香緒里の歯を乾かした。 シューーーッ、シューッ 香緒里は目をぎゅっと閉じて、懸命に我慢している。 同じく寝まス。
- 285 :名無しさん@ピンキー:04/09/06 09:57 ID:JA0zS8b0
真っ昼間から続きやらせてください。 「じゃ、型取るわね」 荻原先生はそういって、香緒里の口にセメントの乗った金属のトレイを入れる。 「ちょっとかんで・・しばらくこのままで」 香緒里は、トレイをかんだまま変な顔をしている。 俺がその顔を見つめていると、香緒里はまた泣きそうな顔をしたので、ちょっと視線をはずす。 診察室を見ると、だいぶ近代的な雰囲気である。 小学校のころの歯医者はもっと怖いイメージがあったのだが、最近は少なくとも見かけはよくなった気がする。 ・・まぁ、香緒里を見ていると、変わったのは見かけがけのようだが・・。 「トレイはずしますねー」 助手はそういうと、香緒里の口からトレイを抜いた。 ピンク色のゴムのようなものに、確かに歯の型が付いている。 助手はそれを持って、奥の方に引っ込んでいった。
- 286 :名無しさん@ピンキー:04/09/06 11:01 ID:JA0zS8b0
「じゃ、この歯は仮詰めしておくから。口あけて」 荻原先生がそういうと、香緒里は弱々しく口を開けた。 助手はまだ戻っていないので、先生が歯を乾かす。 シュッ、シューッ ぎゅっと目を閉じて耐える香緒里。 「口閉じちゃダメよ」 先生はそういって、台の上の棒を火で温め、金属の棒で切って香緒里の口の中に持って行く。 「ちょっと我慢してねー」 そして、穴の開いているところにぎゅっと押しつける。 足がびくんと跳ね、目尻から涙がこぼれる。 「はい、今日はこの歯は終わり・・口ゆすいでいいわよ」 先生はそういうと、器具を台に起き一旦マスクをはずした。 香緒里は、ぼんやりとした目で先生を見て、そして口をゆすいだ。
- 287 :名無しさん@ピンキー:04/09/06 11:02 ID:JA0zS8b0
先生が、立ち上がって手洗い場の方に行く。 どうやら先生もだいぶ疲れたようだ。 「・・大丈夫?」 俺が香緒里に聞くと、香緒里は弱々しい声で 「・・ん、大丈夫」と答えた。 そんなことを話しているうちに、助手を連れて荻原先生が戻ってきた。 「さて、じゃ今度は、前神経取ったとこ見るわね。きれいだったら薬入れ替えるだけだから」 そういうと、マスクをつけて器具を手に取る。 香緒里は、何も言われなくとも口を開いた。 前治療した歯に詰めてある詰め物を、ピンセットで引っかけて取る。 「んー・・元々中で炎症起こしてたみたいね・・」 荻原先生はそういうと、この前の治療で使ったネジのようなものを手に取った。 それを見た香緒里の顔が、すこしこわばる。 「ちょーっと痛いかもしれないけど、麻酔しても変わらないから・・」 そういいながら、針を歯の穴にゆっくりと押し込んでいく。 「んぁっ・・」
- 288 :名無しさん@ピンキー:04/09/06 11:03 ID:JA0zS8b0
先生が、立ち上がって手洗い場の方に行く。 どうやら先生もだいぶ疲れたようだ。 「・・大丈夫?」 俺が香緒里に聞くと、香緒里は弱々しい声で 「・・ん、大丈夫」と答えた。 そんなことを話しているうちに、助手を連れて荻原先生が戻ってきた。 「さて、じゃ今度は、前神経取ったとこ見るわね。きれいだったら薬入れ替えるだけだから」 そういうと、マスクをつけて器具を手に取る。 香緒里は、何も言われなくとも口を開いた。 前治療した歯に詰めてある詰め物を、ピンセットで引っかけて取る。 「んー・・元々中で炎症起こしてたみたいね・・」 荻原先生はそういうと、この前の治療で使ったネジのようなものを手に取った。 それを見た香緒里の顔が、すこしこわばる。 「ちょーっと痛いかもしれないけど、麻酔しても変わらないから・・」 そういいながら、針を歯の穴にゆっくりと押し込んでいく。 「んぁっ・・」
- 289 :名無しさん@ピンキー:04/09/06 11:03 ID:JA0zS8b0
香緒里は痛そうに顔をしかめたが、荻原先生は黙って奥に針を進めていく。 目が真剣そのものだ。 そして、ゆっくりと針を抜く。 「あぁっ・・」香緒里が声を上げるが、お構いなしで次の針を選ぶ先生。 涙がまたこぼれ出すが、手はだらんと下がっている。その手をぎゅっと握る。 そして、また針を入れては抜いていく。先生の目が、険しさを増していく。 「んっ・・んあぁっ」香緒里の声が、静かな診察室に響いていた。 根の治療が一段落したらしく、荻原先生は器具を台においてゆっくりと息を吐いた。 香緒里は、もうぐったりとしている。 先生は、マスクをはずしてゆっくりと説明を始めた。 「えっとね・・この歯は、根の先で炎症起こしてるから、しばらくこの治療繰り返さないとダメだわ。 長期戦になりそうだけど、頑張ってね」 香緒里は、それを聞いて呆然とした顔をした。あの治療を繰り返すのはヤダ、と顔に書いてある。 「・・しばらくって、どのくらいかかるんですか?」 俺が代わりに先生に聞くと、先生は 「それは、香緒里さんの根の具合次第だから・・最低でも後3回ぐらいかかりそうね。 5回以上やってダメなら、歯を抜く方向で考えるけど・・」 といった。
- 290 :名無しさん@ピンキー:04/09/06 11:05 ID:7moe7J+I
盛況だ・・・ こんな時間から萌えてしまうのは危険なので あとでまとめて読もう・・ た、楽しみ〜
- 291 :名無しさん@ピンキー:04/09/06 11:07 ID:V+X+ZcwC
歯を抜く、という言葉を聞いて、蒼白になる香緒里。 それを見た荻原先生は 「19才で歯を抜かなきゃいけないってのはつらいと思うけど、残せないものは仕方ないのよ」 と小さくため息をついた。 重い沈黙が、診察室を包んだ。 「んーと、後どうする?まだ頑張れる?」 荻原先生は、優しい声で香緒里に聞いた。 「・・・」 だが、香緒里は答えない。 「・・どうなんだよ、香緒里」 俺が香緒里に聞くと、香緒里は首を小さく横に振った。 先生は「そう、分かったわ」と優しく言って、助手に予約表を持ってこさせた。 「そうね、土曜日の・・朝でいいかしら?」 先生が言うと、香緒里はこくりと頷いた。 「分かったわ。ただ、仮詰めがとれたら予約の前でも来てね・・もっとも、痛いから言われないでも来てくれるだろうけど」 先生は冗談めかして言ったが、香緒里は小さく頷くだけだった。
- 292 :名無しさん@ピンキー:04/09/06 11:09 ID:V+X+ZcwC
>>287-288 2重ゴメン。 昼間っから何やってんだよ俺_| ̄|○
- 293 :名無しさん@ピンキー:04/09/06 11:35 ID:V+X+ZcwC
なんか荻原先生がひどい役になっちゃったので、フォロー 「まぁ、今日はゆっくり休んでね。疲れちゃっただろうから。でも、歯磨きは忘れないこと♪」 荻原先生はキャラに合ってない明るい声で言ったが、香緒里はこくんとうなずいただけでよろよろと立ち上がった。 歯医者の外に出ても、香緒里は魂が抜けたようになったままだ。 「香緒里、よく頑張ったね」 俺の方が恥ずかしくなってしまうような言葉をかけても 「・・・」 返事が返ってこない。 「なんか食べてく?」 いつもならすぐに食いついてくる俺のせりふも 「・・いや、いい」 と冷たく返されてしまった。 この後誰かよろしくw
- 294 :名無しさん@ピンキー:04/09/06 12:25 ID:7moe7J+I
乙〜 我慢できずに昼休みに読んでしまった・・ 皆すごいなー、萌えたよ。
- 295 :名無しさん@ピンキー:04/09/06 16:03 ID:uKP0Qu3f
今までの、全部まとめてうpしますた。 壮絶な長文心して読め!。 ttp://www.geocities.co.jp/HeartLand/4796/feti1090221132.txt
- 296 :名無しさん@ピンキー:04/09/06 17:30 ID:/hARO1Ts
ラブ小説風に続けさせてください 結局、その日はそのまま家に帰り、食事を取り、忘れずに仕上げ磨きをして寝た。 でも、香緒里は終始元気がなかった。 次の治療の日。 「そろそろ行こうか?」 香緒里に声をかけると、香緒里は首を横に振った。 「ほら、予約の時間に遅刻するぞ」 手を取ると、香緒里はその手を払った。 「・・ヤダ」 香緒里はそういうと、横になった。 「ヤダじゃないだろ、行かないと」 「・・もう痛いのヤダ」 子供のように、首を横に振る香緒里。 「でも、放っておくとまた痛くなるだろ。それはいやだろ?」 諭すようにいうと、こくんと頷く。 「じゃ、我慢して行かないと」 「・・なったことがないから分からないんだよっ!」 香緒里はそう叫ぶと、クッションを俺に投げつけた。
- 297 :名無しさん@ピンキー:04/09/06 17:34 ID:qJgjbHTk
相変わらず気持ち悪い奴が棲み付いているなぁ
- 298 :名無しさん@ピンキー:04/09/06 17:56 ID:/hARO1Ts
ショックだった。 香緒里のためを思っていったつもりだったのに、そういわれるとは。 「・・理屈では行かなきゃいけないって分かるけど、でも、でも痛いんだもんっ」 「それは、つらいのは分かるけど・・」 「分かってないよっ!」 また、クッションが飛んでくる。もう、どうでも良くなった。 「・・ならいいよ。キャンセルの電話入れるよ」 受話器を取る。香緒里は、起きあがったがうつむいたままだ。 「・・いいんだな?」 念を押すと、香緒里は力なくうなずいた。 電話をかけると出たのはあのときの助手だった。 「あの、大野ですが、今日は具合が悪いんでキャンセルしたいんですが・・」 「・・少々お待ちください・・大野さん、はい・・あ、先生がお話したいそうですのでかわります」 その言葉のあと、荻原先生のゆっくりとした声が続いた。 「大野さん。痛み止めと炎症止め今日の朝の分までしか出してなかったわよね。あれ切れたら痛みが出ちゃうわ」 「・・先生」 先生の声は全て分かったような声だった。
- 299 :名無しさん@ピンキー:04/09/06 17:57 ID:/hARO1Ts
「あ、彼の方だったのね・・無理に治療はしないから、薬だけでも取りに来てって伝えて。 薬持って帰るだけでいいわ。本人にしか処方できない決まりだから・・ね」 「・・はい、伝えます・・すみません、ご迷惑かけて・・」 「いいわよ、そんなの。仕方ないわよ・・じゃ、待ってるわ」 先生はそういうと、電話を切った。 「・・香緒里。無理に治療はしないから、薬だけ取りにきてって。そのままじゃ痛くなるよ」 「・・ヤダ」 香緒里はうつむいたまま首を振った。 「薬取りに行くだけだって。治療しないって先生もいってくれたし」 「・・でもヤダ」 先生がせっかく言ってくれてるのに、香緒里はそれすらいやがった。 「痛くなっても知らないからな」 そう言って、俺は気晴らしのドライブをしに外へ出た。
- 300 :名無しさん@ピンキー:04/09/06 18:04 ID:0lj8bFNt
>>297 激しく胴囲!だれか296を医者(シャーマンでもいい) に通報してくれ・・・。
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