サイト内検索 AND OR
トップサイトマップ| 管理人宛メール
トップ > 掲示板 > 本家2ちゃんねるアーカイブ



total
today
yesterday
   虫歯&銀歯の女の子   

■掲示板に戻る■ 全部 1- 101- 201- 301- 401- 501- 601- 701- 801- 901- 最新50


レス数が950を超えています。1000を超えると表示できなくなるよ。
   虫歯&銀歯の女の子   

1 :名無しさん@ピンキー:04/07/19 16:12 ID:8MZmTy88

こんな子に激しく萌えます
http://up.nm78.com/data/up047068.jpg


433 :名無しさん@ピンキー:04/09/08 20:10 ID:8ZUig6sR

さらにもう一度、ぐぐっと押して、
「はい。終わり。セメントが固まったら、型取るわね」
はい、と香緒里が頷く。
「だいぶ頑張れるようになったじゃない。偉い、偉い。今日はあともう二頑張りだけどね。」
萩原先生は、そう言って笑うと、左手で右肩を揉みながら立ち上がり、
助手に、「金子さん、型取りお願いね」と言って、伸びをした。
他の治療台で治療を受けていた人は、もう終わったらしく、すでに、診察室には
俺と香緒里、萩原先生と助手だけになっていた。
助手が、ピンクのゴムが乗ったプレートを、香緒里の歯に押し付けている。
「んぐ」
「はい、噛んで。このまま動いちゃダメよ?」
こくこく、と香緒里が頷き、俺の方を見ると、情けなさそうな顔をした。

434 :名無しさん@ピンキー:04/09/08 20:22 ID:8ZUig6sR

しばらくして、型がはずされると、萩原先生が戻ってきた。
「さーて。準備はいい?」
香緒里が少し緊張するのがわかる。
「まず、このあいだやった、右上から行くわね。もう大分神経は取ったから、
痛くないとは思うんだけど・・・どうしてもダメだったら、麻酔しましょう。」
先生はそう言って、椅子を倒し、例の針を手に取った。
「ちょっと細めのだから。大丈夫よ」
ミラーと針を、香緒里の口に入れる。と・・・
「ん、んぁああっ」
香緒里がびくん、と跳ねた。
「金子さん、押さえて。」
助手が押さえに入るが、
「あぁぁ、ああん」
脚をバタバタさせて、香緒里が泣き叫ぶ。

435 :名無しさん@ピンキー:04/09/08 20:50 ID:8ZUig6sR

「動くと危ないわ、彼氏も手伝ってくれる?」
助手に言われ、下から、手と腿のあたりを押さえる。
「あああああ」
下から見ると、壮絶な図だ。
ふぅ、と息を吐いて、先生が離れる。
香緒里の顔は、涙でグシャグシャだ。
先生も、うっすらと汗をかき、別の針を選んでいる。
集中して邪魔になったのか、マスクを外した。
助手が、あら、という顔をする。
「今度は少し入れるだけだから。大丈夫よ。麻酔なしで行きましょう。」
香緒里はもう、目をつぶってぐったりしている。
「はい、あーん。」
そう言ったとき、先生の口の中に、キラッと光るものがあった気がした。
俺は目が釘付けになった。

436 :名無しさん@ピンキー:04/09/08 20:51 ID:8ZUig6sR

「んんん。」
香緒里がうめく。
萩原先生は、ミラーに写る歯の内部を少し顎を上げて覗き、下唇を軽く噛みながら、
「頑張って・・もうちょっとだから」
と言って作業を進めていく。
前歯の裏だ!一瞬見えた萩原先生の前歯の裏は、ギラギラと光っていた。
前歯が・・銀歯?動悸がはげしくなる。
すると、横の助手にひじをつつかれた。
思わず、手を離してしまっていたらしい。治療は続いていた。
「んあ!あぅ!」
「我慢してー、もうちょっとだから、動かないで・・」
「あぁぁ」
「はい、よく頑張ったわ。ちょっと休憩しましょ」
ようやく終わったようだ。

437 :名無しさん@ピンキー:04/09/08 21:00 ID:U5qoB8VE

308のあたり書いたんだけど・・
やべー、本編と番外編が激しくリンクしてる・・
本編に過去告白の部分入れちゃってホントゴメン。
過去告白(>>308)のところ、誰が適当に差し替えてくれるとありがたい。
香緒里を何とか適当に改心させてw
萩原先生は番外編の過去の方が萌えるし。

438 :名無しさん@ピンキー:04/09/08 21:33 ID:8ZUig6sR

先生が席を立ち、助手も後をついていった。
「香緒里、ごめんな、押さえつけたりして」
香緒里は、ひっく、ひっく、としゃくりあげている。
「ううん、いいの。協力してくれて、ホントありがとう。」
気弱になっているのか、やけにおとなしい。
「ねえ、どうしよう、次の歯。大丈夫かな」
「何が」
「抜くかもしれないって・・・」
「この間、ちょっと強くやられたから、大丈夫じゃないのか。」
「怖いよぉ」
そんな会話をしていると、先生たちが戻ってきた。

439 :名無しさん@ピンキー:04/09/08 21:50 ID:8ZUig6sR

先生は、またマスクをしている。
俺はちょっとがっかりした。
「じゃあ、次はこの歯をやるわね。」
椅子を倒し、ピンセットを手に、先生が左上を覗き込む。
ゴムの封を外す。
「あ」
先生が小さく叫んだ。
香緒里の顔が、さっと緊張する。
ひどいのだろうか・・・
先生は、穴から綿をつまみ出すと、しばらくそれをじっと眺めている。
ため息をついているようだ。
抜くのか・・!?香緒里の緊張が伝染したように、俺も息苦しくなってきた。

440 :名無しさん@ピンキー:04/09/08 21:53 ID:8ZUig6sR

すると、先生は、
「ちょっと炎症が残ってるわね。薬を入れて、もう少し置きましょう。」
とだけ、香緒里に告げた。
「じゃあ、今日は・・」
あの痛い治療がないということに少しホッとしつつ、
しかし、抜くことになるのではないか、という不安混じりに香緒里が尋ねる。
「そうね、薬を入れて閉じたら終わり。あ、心配することはないわ。大丈夫よ。」
助手も、横で「ちょっと置いておく時間が短かったからよ。大丈夫。」
と、フォローしてくれる。
良かった・・・
先生は、手早く、綿を薬に漬けて、香緒里の歯に押し込む。
「んんん」
少しまだ、しみるようだ。
その後、また封をして、今日の治療は、あっさり終わった。
「じゃあ次は・・・また、明後日、金曜日に来てくれる?」
助手が、次の予約を入れてくれた。

「先生、なんだか疲れてるみたいだったな」
香緒里が言う。
「私の治療がひどすぎるせいかな。」
「そんなことはないと思うけど、一生懸命やってくれてるよな。香緒里も頑張らないと。」
香緒里は、しっかりと頷いた。

いじょ。後頼んだよ〜
番外編とリンクさせてみたんだが、やりすぎたかな・・

441 :名無しさん@ピンキー:04/09/08 21:56 ID:8ZUig6sR

香緒里の歯の現況
しかし、ここしか変化なし
7 C3 感染歯質除去・神経処置済み・土台立て済み

終わるのかなあ
そろそろ院長帰ってくるか??

442 :名無しさん@ピンキー:04/09/08 21:57 ID:U5qoB8VE

>>440
おつかれー。
番外編とのリンクはすごく(・∀・)イイと思うなぁ。

香緒里も、萩原先生も、彼も、金子助手も、おつかれさまw

443 :名無しさん@ピンキー:04/09/08 21:59 ID:U5qoB8VE

要望としては

院長が帰ってきても萩原先生に治療して欲しい・・。
ついでに、金子助手による香緒里のブラッシング指導も・・

贅沢言ってゴメンw

444 :名無しさん@ピンキー:04/09/08 22:19 ID:8ZUig6sR

>>437
そんなに気にすることないよー
でも、ご要望にこたえて、308をマイナーチェンジしてみました
患者の前なので、ちょっと子供の頃の虫歯の話で隠してるとこがミソ

「・・私もね、子供の頃、虫歯だらけで、いっつも痛い痛いって泣いてたの」
先生は遠い目をして語り出した。
「でもね、熱心な歯医者さんに、まあ、なんていうか、救われたんだ」
香緒里は、驚いたような目で先生を見た。俺も、先生にそんな経験があるなんて信じられなかった。
「歯が丈夫な人はさ、歯とか治療の痛さ、知らないのに、治せ治せって、言うでしょ。この彼氏とか。」
そういうと先生は俺を見て、ふっと笑った。香緒里も、つられて笑って、頷く。
「でもね、こんなふうに、親身になって心配してくれる人がそばにいるなんて、幸せなことよ。」
先生は、今度は香緒里に、微笑みかけた。
「ま、この彼氏は心配してくれても、歯は治せないからね。役立たずなんだけど。
そこは私が何とか協力するから。ね。がんばって、治していこう。」
そういって、香緒里の肩をぽんぽんと叩いた。
「・・分かりました」
香緒里は、先生の方を向いてそう言った。
「それじゃ、次の予約月曜に入れておくから」
だが、先生がそういうと、香緒里は不安そうに目を泳がせた・・。


445 :名無しさん@ピンキー:04/09/08 22:38 ID:3L9KsN2v

皆さん乙!

現段階で
本編  >>440
番外編 >>424

歯の状況は>>416-417>>441参照。

308氏により、>>308差し替え要望、>>444に差し替え。

446 :名無しさん@ピンキー:04/09/08 23:00 ID:8ZUig6sR

「えっ・・?何が?」
横で、紺野も夏美も苦笑している。
「下の歯の治療だよ。まあ、神経まで行ってなかったし、痛みはなかったんだろうけど、
ホントに気付かなかったの?」
「あの、考え事してて」
「まあ、疲れてるんだろう。もう10時だし、明日もあることだし、今日のところは終わろうか。
歯磨きは、また今度ね。じっくりと。」
紺野にいたずらっぽく笑われ、最後は顔を近づけて言われたので、
頭に血が上って、赤くなってしまった。
夏美が、やれやれ、という顔をする。
佳奈子は、さっきのことを思い出し、夏美を睨んだ。
「ほら。二人とも。明日は患者さんの前で仕事があるんだから、そんな顔しない。
怖いおばさん達だと思われるよ。」
紺野の言葉に、二人は同時に、紺野を睨み、
「ま、子供から見れば、おばさんかもしれないわね」
「でも、おじさんに言われたくないですよねー」
と、笑った。
「ま、いいから。帰ろう。そうだ、佳奈子ちゃん、治療の続き。上の根の治療と、上の7番。
僕は明日から毎日来るから、都合のいいときに進めていこうね。これ以上広げるんじゃないよ。」
最後は主治医の顔に戻り、佳奈子に釘をさすと、
紺野は帰って行った。佳奈子と夏美もそれぞれ、帰途についた。

447 :名無しさん@ピンキー:04/09/08 23:01 ID:coxCpHFT

知り合いからこのスレの話を聞いて見に来た歯科医師です。
大変興味深く面白かったです。
皆さん結構詳しいみたいですが、この業界の方はどのくらいいるのでしょうか?
ストーリーを読むと、実際の診療と符合しない部分もあるので、
みんながみんな業界関係者ではないみたいですね。
あ、ちなみに私は歯フェチではなく興味があってのぞきに来た通りすがりです。
実際に職業にしていると、とてもフェチになんかなれません...

448 :名無しさん@ピンキー:04/09/08 23:01 ID:8ZUig6sR

おっと、>>424の続きです。
こっちも後よろしくー

449 :名無しさん@ピンキー:04/09/08 23:34 ID:TIMG5ATT

そろそろ院長に帰ってきてもらって、前歯の話も進めたいんだが、
いかんせん専門にしてないのでどう治療して良いかわからん。
447氏あたりに助言して欲しいw

>>444
GJ! 
患者医師関係が一挙に好転するいい台詞だ。彼氏をダシにするとことか最高!

ちなみに漏れは201を書いたんだが、166の、
『上の右の一番前の奥歯がキラっと光るのは知っていた』
の一文をすっかり忘れてた、スマソ。
というわけで、5〜6行目を、
『手前寄り、かみ合わせの半分ぐらいに銀が入っている。
 これが、笑ったときにキラッと光って見えていたんだ、と思うと興奮した。
 縁の部分は綺麗だ。
 だがよく見ると、銀とは離れた、奥の歯との境目が黒くなっている。』
に差し替えしてください。

450 :名無しさん@ピンキー:04/09/09 01:59 ID:sFaVk7a8

>>447
ま、細かいところよりは、楽しめればいいかな、というところじゃないでしょうか。
よく、ポルノに「女子校にそんな校則はないって;」というような校則が存在するようなものですね。

私もちょっと書きました。たぶん、間違ってない・・はず・・
実は歯科医のタマゴなんですが、夫の留学にくっついて、仕事やめてアメリカに来たら
暇で暇で^^;
仕事やめて、といっても、1ヶ月しか働いてませんので、まあ、タマゴです。
フェチではないですが、私は、自分が虫歯になって、先輩に(同期は信用できないからいや)
治療してもらったりするときは、ひそかに興奮してました。
恥ずかしいですよ、やっぱり。

451 :名無しさん@ピンキー:04/09/09 02:39 ID:sFaVk7a8

校正段階に入ってるね
完成度も高まる・・


452 :名無しさん@ピンキー:04/09/09 03:11 ID:sFaVk7a8

番外編書こうかな

453 :名無しさん@ピンキー:04/09/09 03:21 ID:3B2v/zY3

これからの展開が楽しみ?
もぅ寝ます??

454 :名無しさん@ピンキー:04/09/09 03:53 ID:sFaVk7a8

佳奈子は、家に帰ると、鏡の前で、右下の歯を写して見た。
今までと同じように、レジンが綺麗に詰められている。
上の歯を見ると、仮封とはいえ、これも丁寧に蓋がしてあった。
もちろんこれは、紺野の腕であって、特に自分のために丁寧にやってくれたわけではないのだが。
突然佳奈子は、自分の口の中に、紺野が神経をそそいだ結果がある、ということに喜びを感じた。
なぜ、今まで気付かなかったのだろう。もっと、治してもらおうかな・・・
ふと、そんなことを考えたが、そこに、夏美の馬鹿にしたような目つきが浮かんできた。
・・・また、あの目で見られるなんて御免だわ。
佳奈子は、一生懸命に、歯磨きを始めた。

455 :名無しさん@ピンキー:04/09/09 03:55 ID:sFaVk7a8

雑になっていると言われた右側も、頑張って磨く。と。手に少し抵抗を感じ、次の瞬間、
ぽろり。と、流しに何かが落ちた。
「あっ。」
とっさに、右上を舌で探る。やはり、6番の仮封がなくなっていた。
口の中に、薬の味が広がっていく・・・
時計を見ると、12時近かった。
紺野に、連絡しようかどうしようか迷った。
・・待っていても、明日の朝になれば、治してもらえるのだ。
そう思ったとき、歯が、シクシクと痛み始めた。紺野に叱られ、背中を向けられたときの辛さも思い出す。
治療は明日の朝やってもらうにしても、一応、連絡しておこう。
佳奈子は、痛む頬をさすりながら、紺野に電話を掛けた・・・

456 :名無しさん@ピンキー:04/09/09 04:24 ID:sFaVk7a8

「もしもし」
「佳奈子ちゃん?どうした。」
「あの・・歯磨きしてたら・・」
「取れちゃった?」
「はい。」
「で、杜撰な治療の文句言いに電話した、と。」
「いえ!そうじゃないんです!」あわてて否定する。
「あはは、わかってるよ。」紺野は笑っていた。「ちゃんと連絡してきて、偉かったね。」
こんなことで誉められて、子ども扱いされているようだ。
「すみませんでした、夜遅くに。」
「いや、いいよ。で、どうするの?」
「明日の朝、少し早めに、診ていただけたらと思って」
「それでいいの?痛むなら、今何とかしたほうがいい。明日は仕事なんだから、痛み止め飲むわけにいかないだろう。」
そうだった。「ちょっと、痛いです。」
「OK。じゃあ、今からなんとかしよう。遅いから、迎えに行くよ。」
「すみません。ありがとうございます」
長い1日だわ・・さっきよりも痛みが強くなった気のする頬を押さえながら、佳奈子は、紺野を待った。

誰か後おねがい。

457 :295:04/09/09 06:14 ID:XW2S0c00

おはようございます。
今朝のお目覚めはいかがでしょうか?

さて、今朝は・・・
本編・・・>>440 04/09/08 21:53 まで
番外編・・・>>456 04/09/09 04:24 まで

纏めてUpしてあります。

作家の皆様に、改めて感謝いたします。


ttp://www.geocities.co.jp/HeartLand/4796/feti/index.htm

458 :308:04/09/09 06:25 ID:xdUh2t7b

>>>444
を、わがままを聞いてくれてありがとうございます♪
これで本編と先生編が完全リンクと。

>>457
差し替えありがとう♪

459 :308:04/09/09 06:30 ID:xdUh2t7b

>>447
本職キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
恥ずかしいな、プロに見られると(汗

ちなみに。俺はずぶの素人です。
実は治療もあまり受けたことがない・・

460 :名無しさん@ピンキー:04/09/09 11:06 ID:q23OkQ3X

まとめありがとう。
差し替えも乙です。
しかし!一つだけ。
右上6かな、そこのところ、出だしがたしか、かぶっちゃってるんで
短いの書いたほうの人(>>369-370)が引っ込めてなかったっけ。
でも、最後の、萩原先生のせりふと、うがいで水が口から出ちゃうとこは
くっつけて残して欲しいなー
と、勝手なこと言ってスマヌ

461 :名無しさん@ピンキー:04/09/09 11:50 ID:q23OkQ3X

で、番外編書いてみる
俺も、神経とか取られたことないんだよなあああ
12時ごろ、携帯が鳴った。紺野からだ。
「家の前に着いたんだけど、降りてこられる?」
「はい、すぐ行きます」
降りていくと、紺野が車で待っていた。
「乗って」
乗り込むなり、佳奈子は、紺野に謝った。
「すみません。こんな時間に」
「ホントだよ。寝ようと思ってたから、正露丸でも詰めとけ、って言おうかと思ったよ」
「本当にすみません、明日にしようかとも思ったんですけど」
佳奈子が恐縮する。
「いや、嘘だよ。ビール開けるとこだったんだ。飲む前でよかった。
その歯はかなり削ってあるからね。詰め物がないとすぐに欠けるし、割れると厄介だ」
そこまで言うと、紺野は佳奈子に向き直り、真剣な顔で言った。
「明日の朝、それを見せられたら、立ち直れないとこだったよ。昨日叱ったのに、通じてないのか、ってね。」

462 :名無しさん@ピンキー:04/09/09 12:26 ID:q23OkQ3X

「紺野先生が、ですか」
ん、と軽く答えると、紺野は車を発進させた。
「大学でもよかったんだけど、最近はセキュリティが厳しくてね。」
と、医院へ向かう。
「金子君とのことだけど・・まあ、彼女はたしかに言い過ぎる。僕がこんなことを言っちゃいけないけど、
一度くらい虫歯になったほうがいいかもしれない。」
前を見たまま、紺野は笑った。佳奈子もつられて、笑う。
「でもね、佳奈子ちゃんも、ちょっと気にしすぎだよ。もちろん、前歯がちょっと酷かったからね、
自分があんなにしちゃったんだ、っていう気持ちが強いのはわかるけど」
佳奈子はうつむいた。歯を折った以外、歯の悩みのない紺野に、わかるわけない。
そんな佳奈子を横目でちらっと見て、紺野が続ける。
「他は、大して酷くないよ。冷静に考えて、奥歯が8本、それも全部処置済みだ。抜髄も今回のが初めてだし、
半分は目立たないだろう。30前の女性としては上出来だと思うけど。」

463 :名無しさん@ピンキー:04/09/09 15:31 ID:RfIIPyYu

夏美が虫歯になって、佳奈子先生がザマーミロ的な感じで、わざと痛く治療する小説を
うpキボンヌ。

464 :名無しさん@ピンキー:04/09/09 15:32 ID:q23OkQ3X

たしかに、医院に来る同い年くらいの女性は、6番は2次齲蝕でクラウンか、ブリッジになっていることもある。
でも!虫歯のない人も、かなりいるのだ。たまに、歯科検診に借り出されることがあるが、
いつも、虫歯のまったくない女性に、嫉妬を覚え、落ち込んで帰ってくるのだった。
「そりゃ、金子君みたいな歯の人もいる。でも、虫歯をなくすってのは無理な話だし。それにね、あんまり気にされると、
僕の立場がない。主治医として、けっこうきちんと治してるつもりなのに。ま、これは僕の勝手な言い分だけれど。」
佳奈子はハッとして、紺野の横顔を見つめた。
「ごめんなさい・・自分のことで頭がいっぱいで・・・失礼なこと言ってたんですね」
紺野は、何も答えず、軽く笑っただけだった。

465 :名無しさん@ピンキー:04/09/09 15:33 ID:q23OkQ3X

しばらくして、医院に着いた。
「もう遅いし、さっさとやっちゃおう」
早速、ユニットにすわり、診てもらう。
「うん、よかった、歯は大丈夫だ。でも、薬も抜けちゃってるな・・。痛みはどう?」
「ん、シクシク痛い感じです」
「取れたときだけ?まだ痛い?」
「それが・・だんだん、強くなってくる気がするんですけど・・」
紺野は、ちょっと考えるような顔になり、もう一度、佳奈子に口を開けさせた。
「んー、ちょっと、炎症起こしかけてるね。ちょっと乱暴に磨いたんじゃないかな?」
そう言うと、紺野は立って、器具を取ってきた。
佳奈子の口に、リトラクターがはめられる。何度やられても、どうしても恥かしい。紺野は、そんな佳奈子にはかまわず、
「感染おこすとイヤだから、もう一回、綺麗にしてから詰めよう。はい、行くよ。」
リーマを歯の中に入れていった。
「ちょっと痛いかもしれないな・・」
そう言いながら進めていく。
「あっ!」
佳奈子が叫ぶ。さっきよりも、ずいぶん痛みは強かった。
「ん、我慢して・・」ぐりぐり。
「ん・・・んんんん」
佳奈子の目から涙があふれる。
左腕で佳奈子の顔を抱え込むようにして押さえつけ、紺野はさらに進めた。

466 :名無しさん@ピンキー:04/09/09 15:36 ID:q23OkQ3X

「んぁあ!ああっ」
かかとで、治療台を蹴る。
「動いたら危ないよ!もうちょっとだから」
「あぁぁぁぁ」
「はい、終わり。蓋しちゃうからね。」
そう言って、薬を詰めて、歯に封をした。
ようやく解放され、佳奈子は、肩で息をしている。しゃくりあげながら、ハンカチで涙を拭う。
「子供みたいに泣くなあ。」
紺野は、その様子を見て苦笑して、肩をポンポン、と叩きながら、うがいをするように言った。
佳奈子がうがいをする間に、紺野は、予約表を見にいった。
「佳奈子ちゃん、明日の午前中は担当の患者さんがいないようだから、休んだほうがいいな。」
佳奈子がえっ、と言う顔をする。
「もう夜中だし、たぶん今晩痛みが出ると思うから、痛み止め飲んで、ちゃんと寝たほうがいい。
疲れると、腫れたりするからね。明日は院長も戻ってくるし、僕もいるから。さ、片付けたら帰ろうか。」
佳奈子はおとなしく従うことにし、痛み止めを持って、紺野の車で家まで送ってもらった。
「歯磨きは、やさしくすること。」
という台詞を残し、紺野は帰って行った。

続きよろ〜
>>463
それ、夏美が虫歯になるきっかけ、思いついたんだけど、
書いてみるかなあ。

467 :名無しさん@ピンキー:04/09/09 17:29 ID:q23OkQ3X

しかし、あれだね。
自分で書いといてなんだけど、
金子助手がいないと、萩原先生治療ものはつまらんね
相手が紺野だけだと、妙な雰囲気になるだけで。
紺野相手なら相手で、佳奈子の心理的なダメージがないと・・・
もっと恥かしがらせりゃよかったか

468 :名無しさん@ピンキー:04/09/09 17:55 ID:X1y7hCYc

>>467
んー、痛がるだけだとどうも、ってのはあるかも・・
でも十分萌える(;´Д`)ハァハァ

紺野の心情ってのが難しいですね・・。

469 :名無しさん@ピンキー:04/09/09 18:20 ID:rWKEuJeK

>>463
荻原先生は報復とかしないよ!と言ってみるテスト。

…いや、でもマジでわざと痛くとかしないと思うなあ。
むしろ、今までの手前、荻原先生とか同僚にはどうしても言えずにこっそり治すんだけど、
変な治療されて違和感あるのを荻原先生に気づかれて完っ璧に治してもらって、
「誰にも言わないわよ」とか言われるってのが萌える。荻原先生に(笑)

>>466
どんなきっかけか気になる〜。
本編か番外、どっちか落ち着いたら書いて欲しい。
短いなら今すぐにでも書いて欲しい。

470 :名無しさん@ピンキー:04/09/09 18:46 ID:q23OkQ3X

>>463,469
こんなかんじ。まずはきっかけ編。導入の癖にやや長い

5月だと言うのに、真夏のような日差しが照りつけていた。
「もう。何で休みの日に、こんなとこに行かなきゃならないのよ」
オフィス街を歩きながら、金子夏美は腹を立てていた。
夏美は衛生士である。
今日は、医院は休みなのだが、院長が歯科検診に行くので、夏美はその付き添いだった。
夏美は、3人いる衛生士の中でも、一番の美人である。
院長が、夏美を指名したくなるのも無理はない。
しかし、夏美にとってはいい迷惑であった。
だいたい、歯科検診そのものには、衛生士の仕事などないのだ。
やることといえば、希望者への歯磨き指導と、歯についての相談受付。
しかし、社会人にもなって、歯磨き指導を希望する人などいないし、
相談も、歯槽膿漏のオヤジが、夏美としゃべりたくて来るくらいなものだ。

471 :夏美編:04/09/09 18:47 ID:q23OkQ3X

「はあ。やっぱり暇だってば。」
相談受付に座って、夏美はため息をついた。すでに3時間ほど座っていたが、
子供の虫歯が気になるという男性と、差し歯の変色を直したいと言う女性が来たくらいだ。
こんなことなら、萩原先生と遊ぶ用事でも作って、断るんだった。
そんなことを考えていると、
「あの、歯科相談って、ここでしょうか。」という声がした。
えっ、と顔を上げると、意外にも、若い男性が立っていた。しかも、顔は夏美の好みだ。
「歯医者の先生に、相談して来るように言われたんです。ちょっと、虫歯が多くて・・・」
男性は、そう言って、歯科診断表を差し出した。夏美は嬉しくなったが、カルテを見てガックリした。
処置歯3本。インレーの脱離放置2本。未処置の虫歯7本。
なんなの、この口腔状態は。意識が低すぎるわ。顔がいくら良くても、こういうのは・・
しかし、仕事だ。夏美は、質問を始めた。
「最後に歯科を受診したのは?」「間食は?」「歯磨きは?」
聞けば聞くほど、ため息が出るような答えばかりだった。
夏美は、軽蔑を表に出さないように努力して、歯医者にきちんと通うように、と指導した。

472 :夏美編:04/09/09 18:48 ID:q23OkQ3X

その夜、夏美は吉村という男のことを考えていた。顔はよかったなあ。性格も、悪くなさそうだ。ただ、歯がね・・・
そう思いながら、夏美は、ハッとした。何を考えているのだ、私は。
夏美は、ぷるぷる、と首を振って、あの男を頭から追い払うと、眠りに付いた。
しばらくたったある土曜日。
夏美の医院に、あの男、吉村はやってきた。
治療のあと、夏美が歯磨き指導をすることになった。
「金子さん、お仕事は何時までですか?食事でも行きませんか」
と、誘ってきた。その日は断ったが、
その後、通ってくるたびに、吉村はしつこく夏美を誘った。
ちゃんと歯医者に通ってきているし・・歯以外は好みなのよね・・
そう自分に言い訳しながら、結局、夏美は、吉村と付き合うことになったのだった。

ここまでが前振り。
まじで、うつるらしいよ。虫歯。

473 :夏美編・仮:04/09/09 18:51 ID:q23OkQ3X

この先、とりあえず漏れはこんなの考えてみた
こっそり治すってのも萌えだな、しかし

夏が過ぎ、秋も終わりに近づくころ。
夏美は、左下の親知らずが生えてきているのに気付いた。
もともと、顎もしっかりしているので、他の3本は、しっかりと生えていたが、
左下の1本だけが、出てくるのが遅かったのだ。
少し、痛いような気がする。
念のため、歯科医の萩原佳奈子に見てもらうことにした。
佳奈子とは、夏に喧嘩をしたのだが、紺野のとりなしもあり、まあ、元の関係に戻っているといえた。
「先生。ちょっと診て欲しいんですけど。親知らずが生えてきたみたいで・・」
「痛むの?」
「んー、ちょっと。」
「なるほど、気になったらすぐ診てもらうってわけね。」
「ええ。」
少し誇らしげに、夏美が答える。
「もう・・・ま、いいわ。じゃ、レントゲン先に撮って、そこに座っててちょうだい。」
椅子に座って待っていると、佳奈子が、レントゲンを手にやってきた。
少し、首をかしげている。
「左下よね。曲がったりはしてないみたいよ。」
そう言って、佳奈子は術者用の椅子に座った。
「でも、気になることがあるの。ちょっといろいろ見せてね。」
夏美が口を開けると、佳奈子は、ミラーを手に、親知らずを観察した後、
口の中全体を、ざっとチェックした。
「はい、いいわ。ところで金子さん、何か、生活で変わったことでもあった?」
椅子を起こし、佳奈子が尋ねる。
「いえ、別に・・・何か?」
不思議そうに、夏美が聞き返すと、佳奈子は、抑えた声で冷たく言い放った。
「親不知もなんだけどね・・・けっこうあちこち、虫歯になってるわよ。」
えっ・・・夏美は、耳を疑った。

474 :名無しさん@ピンキー:04/09/09 20:27 ID:rWKEuJeK

>>470
うわ!すごくいい! そっちでお願いしたい。
473の展開も良い感じ。夏美初めての挫折。
虫歯ってうつるよね。高校の時パートナーにうつした(ゴメン)。
荻原先生はもともと医学部目指してたって設定だし、
「あなた、まさか吐くダイエットなんてしてないわよね」とか言って
超真剣に心配したりして欲しい〜。
過食症は胃酸で子供みたいな虫歯になるらしい。
あと、病気で唾液の分泌が悪くなると、急に虫歯って増えるんだって。

475 :名無しさん@ピンキー:04/09/09 20:35 ID:X1y7hCYc

3編同時進行かぁ。すごいなぁ・・。
萩原先生はリベンジしないね。ホントに親身になって心配しちゃうタチだね。
夏美助手、自分の歯磨きはいい加減っぽい予感。

476 :名無しさん@ピンキー:04/09/09 20:56 ID:q23OkQ3X

おお、ありがとう・・
じゃ、展開は473で、続きお願いします!

吉村はダメ男で、夏美を落とした後は通わなくなって、
それでまた虫歯放置で夏美にうつしたっていうイメージ
あとで、萩原先生に説教されるんじゃないか

うーむ、萩原先生みたいな歯医者に診てもらいたいものだ
そして頑張れ萩原先生(自分の治療)
紺野はどうなってるんだ、ホントに佳奈子が心配なのか、単なる自己満足なのか・・
こっちも誰かはっきりさせて欲しいです

477 :447の歯医者:04/09/09 21:06 ID:rbYYGv3C

>>450,459
もちろん、些細な箇所をいちいち指摘するほど不粋ではありません(笑)。
それよりも、歯科関係者でない方々がこれほどまでにディテールに凝った
ストーリーを書き上げたことに驚嘆しております。
私もお手伝いしたいのですが、いかんせん想像力&創造力が不足しているので...
現実的なことに対処するのは比較的得意なのですが。

478 :名無しさん@ピンキー:04/09/09 21:11 ID:q23OkQ3X

>>447の先生
前歯の治療ってどんななのか教えていただけると・・
特に香緒里の注目の前歯(両側からやられててC3のとこ)あたり。
そしたらまた誰かが痛そうな治療シーンに仕上げるので。

479 :447の歯医者:04/09/09 21:20 ID:rbYYGv3C

>>449
文章のみでしか状況を把握していないので、想像のみでお答えしますが、
前歯のC2は通常は光重合レジンで充填します。
光重合レジンは歯の色に近いペースト状の樹脂で、青い光を当てるとカチカチに固まります。
見た目のこともありますので、比較的広範囲にわたる歯質の欠損でも、
歯髄(神経)に虫歯が到達していなければなんとか光重合レジンで治そうと試みます。
あまりにも歯質の欠損の範囲が大きく、光重合レジンで治せないときには
やむを得ず生きた歯のまま(神経を取らないで)歯の形を円錐形に整え、その上からかぶせます。


480 :447の歯医者:04/09/09 21:26 ID:rbYYGv3C

>>478
これもあくまで文章のみで把握した内容からの想像での回答となりますが、
C3でしたら、根の治療(リーマーを用いた治療)を行います。
その辺は、このスレッドのストーリーに詳細が記述されているので詳細は省きますが、
根の治療が終了した後は健康保険のみで治療するか、自己負担で見た目の良いものを装着するか
によって用いる材料が変わってきます。

481 :名無しさん@ピンキー:04/09/09 21:28 ID:X1y7hCYc

>>479
ここの住人次第では、その歯の治療に行く前に虫歯が進行してしまうこととかもあるかも・・w
正直なんでもありですからねw

482 :447の歯医者:04/09/09 21:36 ID:rbYYGv3C

根の治療が終了した後
1)健康保険を用いる場合
1日目
金属の土台(杭のようなもの)を装着しやすいように歯の形を整えて型を取ります。
前歯はそのままではかわいそうなので仮の歯をかぶせてあげます。
2日目(1週間後)
金属の土台をセメントで装着します。金属の土台を含めてさらに歯の形をきめ細かく整えます。
歯肉の形と調和がとれるようなかぶせものを装着したい場合は
仮の歯を装着して日を改めて(歯肉の状態が落ち着くのを待って)型を取りますが、
この日に型を取ることもできます。きれいなものをかぶせたいのなら前者がオススメ。

483 :447の歯医者:04/09/09 21:44 ID:rbYYGv3C

3日目
型を取ります。対合歯(かみ合っている歯)の型と咬み合わせの記録を取るのも忘れずに。
また、シェードテーキングといって、歯の色の確認をします。歯の色も個人差があるので
それぞれの色に近いかぶせものを作ってあげる必要があるからです。
色はA3とかB4といったアルファベット+数字で表現されます。
日本人ならA3を選ぶのが無難でしょう。若い人で歯の着色がまだ進行していない場合はA2とか。

484 :447の歯医者:04/09/09 21:52 ID:rbYYGv3C

4日目(1週間後)
かぶせものが出来上がってきますので装着します。たいていの場合咬み合わせなどの調整が必要です。
かぶせものは、銀色の金属の表面に歯の色に近い硬い樹脂をコーティングしたものです。
最近は材料も進歩しましたが、どうしても色調の不自然さがでやすいのがこの材料の欠点です。
また、喫煙やコーヒー、お茶類など嗜好によっては早期に黄色く着色してしまいます。

香緒里さんの前歯にこれをかぶせて、不自然な色をした前歯に萌える、なんていうのも
このスレッド的にはありなのでしょうか。

485 :萩原先生編:04/09/09 21:56 ID:X1y7hCYc

これからは、何編かを名前欄に明記しませんか?
そうでないとまとめサイトの人が大変そう。

佳奈子が家に帰って寝ようとすると、紺野の予告通りずきずきとした痛みが襲ってきた。
「っ・・」
顔をしかめながら、痛み止めを飲む。
脳裏に、ふっと香緒里の顔が浮かんだ。
「・・あの子も、こんな事やってたのかな」
そう思うと、最初に診た時にかけた厳しい言葉が空しくなってくる。
「・・自分に言え、って話よね」
そうつぶやくと、またずきずきと痛みが襲う。
しばらくは寝れそうにないが、とりあえず横になることにした。

起きると、時計は10時を回ったところだった。
「・・ふぅ」
痛みはとりあえず治まってはいる。昨日のように、患者さんの前で失態をさらけ出すことはないだろう。
そう自分に言い聞かせ、朝とも昼とも言えない食事を取り、家を出た。

486 :萩原先生編:04/09/09 21:56 ID:X1y7hCYc

午後から治療にはいると、季節柄、小中学生が多い。
小学生はともかく、中学生ともなると結構すごい状態になってから来る輩もいる。
「これだけひどい虫歯なら、前の検診の時も言われたんじゃない?」
「え、えへへ・・」
「笑ってごまかさないの。どうしてもっと早く来ないの。こんなになるまでほおっておいたらダメじゃないの!」
そう言って、ふととなりのユニットを見ると、となりのユニットで院長の助手をしている夏美がにやっと笑った(気がした)。
怒りと恥ずかしさで、顔が真っ赤になりそうになる。
「とにかく、もっと歯を大事にしないとダメよ。治療するわね」
恥ずかしさを隠すようにそう言い、治療を始めた。

治療が終わり、手洗い場で手を洗っていると、後ろから紺野がぽんぽんと肩を叩いた。
「ちょっと、話があるから来てくれないか」
すこしどきっとして、「は、はい」と答えながら、手を拭いて振り返った。
紺野はさっさと歩いていくと、廊下の端で立ち止まった。
「な、なんでしょう」
微妙な期待を押し殺すように、佳奈子は言った。

487 :萩原先生編:04/09/09 21:57 ID:X1y7hCYc

「萩原君は、患者さんに厳しすぎる気がするよ」
はっとなって、紺野を見る。そうだ、同じ診察室で治療していたのだ。
紺野にさっきの声が聞こえていないわけがない。夏美のにやっとした顔がまた浮かぶ。
「確かに、君の悔しい気持ちは分かる。でも、患者さんがユニットに座るのは大変なことだ。それは君がよく知っていることだろう」
昨日のことを言われているような気になり、佳奈子はまた恥ずかしくなる。
「は、はい・・」
「我々は、知人のところで治療が受けられる。それでも、出来れば治療は受けたくないだろう」
顔を真っ赤にしながら、申し訳ない気持ちでこくんと頷く。
「君は優秀な技術を持っている。患者の気持ちも分かるはずだ」
「・・はい」
「君がユニットに座った時、一番かけて欲しい言葉。それを患者さんにもかけてあげようよ」
「はい、分かりました」
佳奈子が言うと、紺野は満足そうにうなずいて戻っていった。

かけて欲しい言葉・・。佳奈子はそれを考えながら、ユニットについた。患者もユニットに座る。
一通り診察をして、レントゲンを見る。・・うん、これだ。
「つらかったでしょう。もう大丈夫よ」
佳奈子がそう言うと、となりのユニットで院長がぷっと吹き出した。
・・二度と言うまい、と心に決めた佳奈子だった。

488 :名無しさん@ピンキー:04/09/09 22:01 ID:X1y7hCYc

萩原先生の治療が進むのかと思った人ゴメン、単なるツナギでしたw
検診の結果受診した方々もこの物語にはいるのか?・・となると無限に長くなりそうですねw
3スレぐらい消費しても終わらなさそうw

>>479-484
治療の詳細ありがとうございます♪
・・なかなか大変なんだなぁ、歯の治療・・

489 :447の歯医者:04/09/09 22:01 ID:rbYYGv3C

2)自己負担で治療する場合
治療の進行は健康保険の場合と大きくは変わりませんが、用いる材料のバリエーションが多いです。
土台に用いる金属も金や白金を多く含有するものを用いたり、
土台に金属を使わずに白い材料で作ったりなど。
土台を白い材料で作れば歯肉が黒くなるのを少し防げます。
歯肉が黒くなるのを完全に防ぐにはかぶせものも金属を使わずに白い材料のみで作ります。
この場合の白い材料とは陶材(瀬戸物)を指しますが、
強度が劣るので金属の表面に陶材を焼き付けたものをかぶせるのが一般的です。

490 :夏美編:04/09/09 22:51 ID:ltpYvdLi

>>487
不覚にもウケたw

夏美編の続きを少し。

なぜ…夏美はショックで回らない頭で理由を考えた。
もともと、少々無茶をしても虫歯にはならない体質だ。
甘い物も好きだし、実は歯磨きにだってそんなに時間をかける方ではない。
でもそれで今までは大丈夫だったのに…
佳奈子が続けて言う。
「変だわ、今まで虫歯になったことはないんでしょう? こんなにたくさん…
 …あなた、まさか、」
そう言われた瞬間、今度は異様なほど頭が回った。
佳奈子の口から次に発せられるであろう言葉が耳鳴りのように頭の中に響く。
『だらだらと間食してるんでしょう』
『お酒を飲んだらついそのまま寝てしまうんでしょう』
『そもそも一日に歯は何回磨くの? 寝る前にさっと磨いて終わりかしら?』
全部やっていることである。指摘されたらどうすればいい…?
だが、実際に佳奈子が言った言葉は、思いがけないものだった。
「…まさか、吐くダイエットなんてしてないでしょうね」
そう言う顔は真剣そのものだ。というより、半分泣きそうになっている。友達の顔だ。
「してない、してないです」
慌てて否定しながら、夏美は思い出していた。
夏の終わり、ついこの間、虫歯の佳奈子に自分が何を言ったか。
佳奈子がどんな顔をしていたか。
あのときの自分を殴ってやりたくなった。

…どんどん青春小説になっていくんですが(゚∀゚)

491 :名無しさん@ピンキー:04/09/09 22:58 ID:ltpYvdLi

ちなみに自分は、根の治療も光重合レジンも二次齲蝕も経験済み。
そのときの記憶で書いてますw

本編だけど、レジンなら1,2回で終わるはずだから、
前歯(C3以外)は一気にレジンで治療して、
奥歯のC2はインレーだろうけど、治療の話は書かずにとばせば、
一気にインレー入りまくりの治療終了後の話に持って行けそうだね。

492 :名無しさん@ピンキー:04/09/09 23:12 ID:gKB2V7DL

話が中途半端で終わるのも嫌だけど、
早く終わってネタが無くなるのも嫌だなw



493 :名無しさん@ピンキー:04/09/09 23:31 ID:mQpjEfi5

おい、岸利!
おまえ、うざいよ。出てくるな!
歯フェチの仲間内では、オマエのことは軽蔑のまなざし。

http://www.ultra-closeup.com/bbs/joyful/joyful-r.cgi
Re: 入れ歯モドキ? 岸利 徹 - 2004/09/09(Thu) 20:25 No.1773


>>TYWさま

ttp://pie.bbspink.com/test/read.cgi/feti/1090221132/L50
で凄いことになってますゼ



494 :名無しさん@ピンキー:04/09/09 23:32 ID:mQpjEfi5

おい、岸利!
おまえ、うざいよ。出てくるな!
歯フェチの仲間内では、オマエのことは軽蔑のまなざし。

http://www.ultra-closeup.com/bbs/joyful/joyful-r.cgi
Re: 入れ歯モドキ? 岸利 徹 - 2004/09/09(Thu) 20:25 No.1773


>>TYWさま

ttp://pie.bbspink.com/test/read.cgi/feti/1090221132/L50
で凄いことになってますゼ



495 :名無しさん@ピンキー:04/09/09 23:32 ID:mQpjEfi5

おい、岸利!
おまえ、うざいよ。出てくるな!
歯フェチの仲間内では、オマエのことは軽蔑のまなざし。

http://www.ultra-closeup.com/bbs/joyful/joyful-r.cgi
Re: 入れ歯モドキ? 岸利 徹 - 2004/09/09(Thu) 20:25 No.1773


>>TYWさま

ttp://pie.bbspink.com/test/read.cgi/feti/1090221132/L50
で凄いことになってますゼ



496 :名無しさん@ピンキー:04/09/09 23:35 ID:xPUjUI9F

おい、岸利!
おまえ、うざいよ。出てくるな!
歯フェチの仲間内では、オマエのことは軽蔑のまなざし。

http://www.ultra-closeup.com/bbs/joyful/joyful-r.cgi
Re: 入れ歯モドキ? 岸利 徹 - 2004/09/09(Thu) 20:25 No.1773


>>TYWさま

ttp://pie.bbspink.com/test/read.cgi/feti/1090221132/L50
で凄いことになってますゼ



497 :名無しさん@ピンキー:04/09/09 23:36 ID:xPUjUI9F

おい、岸利!
おまえ、うざいよ。出てくるな!
歯フェチの仲間内では、オマエのことは軽蔑のまなざし。

http://www.ultra-closeup.com/bbs/joyful/joyful-r.cgi
Re: 入れ歯モドキ? 岸利 徹 - 2004/09/09(Thu) 20:25 No.1773


>>TYWさま

ttp://pie.bbspink.com/test/read.cgi/feti/1090221132/L50
で凄いことになってますゼ



498 :名無しさん@ピンキー:04/09/09 23:36 ID:xPUjUI9F

おい、岸利!
おまえ、うざいよ。出てくるな!
歯フェチの仲間内では、オマエのことは軽蔑のまなざし。

http://www.ultra-closeup.com/bbs/joyful/joyful-r.cgi
Re: 入れ歯モドキ? 岸利 徹 - 2004/09/09(Thu) 20:25 No.1773


>>TYWさま

ttp://pie.bbspink.com/test/read.cgi/feti/1090221132/L50
で凄いことになってますゼ



499 :名無しさん@ピンキー:04/09/09 23:37 ID:xPUjUI9F

岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹
岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹
岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹
岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹
岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹
岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹
岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹


500 :名無しさん@ピンキー:04/09/09 23:38 ID:hwFO3OXN

岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹
岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹
岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹
岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹
岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹
岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹
岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹


501 :名無しさん@ピンキー:04/09/09 23:38 ID:hwFO3OXN

岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹
岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹
岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹
岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹
岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹
岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹
岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹


502 :名無しさん@ピンキー:04/09/09 23:39 ID:hwFO3OXN

岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹
岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹
岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹
岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹
岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹
岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹
岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹


503 :名無しさん@ピンキー:04/09/09 23:40 ID:WWMRazyd

岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹
岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹
岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹
岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹
岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹
岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹
岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹


504 :名無しさん@ピンキー:04/09/09 23:40 ID:WWMRazyd

岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹
岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹
岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹
岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹
岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹
岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹
岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹


505 :名無しさん@ピンキー:04/09/09 23:41 ID:WWMRazyd

岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹
岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹
岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹
岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹
岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹
岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹
岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹 岸利徹


506 :岸利徹:04/09/09 23:59 ID:WWMRazyd

岸利徹岸利徹岸利徹岸利徹岸利徹岸利徹岸利徹岸利徹
岸利徹岸利徹岸利徹岸利徹岸利徹岸利徹岸利徹岸利徹
岸利徹岸利徹岸利徹岸利徹岸利徹岸利徹岸利徹岸利徹
岸利徹岸利徹岸利徹岸利徹岸利徹岸利徹岸利徹岸利徹
岸利徹岸利徹岸利徹岸利徹岸利徹岸利徹岸利徹岸利徹


507 :岸利徹:04/09/09 23:59 ID:WWMRazyd

岸利徹岸利徹岸利徹岸利徹岸利徹岸利徹岸利徹岸利徹
岸利徹岸利徹岸利徹岸利徹岸利徹岸利徹岸利徹岸利徹
岸利徹岸利徹岸利徹岸利徹岸利徹岸利徹岸利徹岸利徹
岸利徹岸利徹岸利徹岸利徹岸利徹岸利徹岸利徹岸利徹
岸利徹岸利徹岸利徹岸利徹岸利徹岸利徹岸利徹岸利徹


508 :岸利徹:04/09/10 00:00 ID:GLO3eQKX

岸利徹岸利徹岸利徹岸利徹岸利徹岸利徹岸利徹岸利徹
岸利徹岸利徹岸利徹岸利徹岸利徹岸利徹岸利徹岸利徹
岸利徹岸利徹岸利徹岸利徹岸利徹岸利徹岸利徹岸利徹
岸利徹岸利徹岸利徹岸利徹岸利徹岸利徹岸利徹岸利徹
岸利徹岸利徹岸利徹岸利徹岸利徹岸利徹岸利徹岸利徹


509 :岸利徹:04/09/10 00:07 ID:GLO3eQKX

岸利徹

510 :岸利徹:04/09/10 00:07 ID:GLO3eQKX

岸利徹

511 :岸利徹:04/09/10 00:08 ID:GLO3eQKX

岸利徹

512 :岸利徹:04/09/10 00:26 ID:GLO3eQKX

岸利徹

513 :岸利徹:04/09/10 00:27 ID:GLO3eQKX

岸利徹

514 :名無しさん@ピンキー:04/09/10 00:57 ID:aTWVm/TO

>>485-&490
でも、書き始めると、なんだか乗っちゃって、こんな風になっちゃったりするんだよね
みんな、萩原先生に思い入れ強すぎ・・

>>492
うーむ、それは辛い・・

とりあえず今晩のオカズになんか書こうっと

515 :夏美編:04/09/10 03:51 ID:dPR3aBQk

>>490の続きです。

「ならいいけど・・」
佳奈子は、心配そうだ。
「何か強いストレスがかかってるとか・・ドライマウスではない?」
「いえ、大丈夫です。」
「最近飲んでる薬、ある?」
「ないです・・・」
「じゃあ、どうしたのかしら・・」
たぶん、自分の不摂生だ、と、夏美は思っていた。
これまで、歯が丈夫だと自信を持って、いいかげんにしてきたツケが回ってきたのだ。
虫歯になるのが、こんなにショックだとは。
しばらく、夏美は、治療ユニットの上で、呆然としていた。
「・・大丈夫?」
黙り込んでいる夏美の顔を、佳奈子がのぞきこんだ。
「他のスタッフも帰ったし、ちゃんとチェックしたいんだけれど、いい?」
夏美が、歯を自慢にしていることは、医院内でも有名であった。
その夏美が虫歯になってしまったことを、他のスタッフに知られるのは嫌だろう、という佳奈子の配慮だった。
「すみません、・・・お願いします」
虫歯の状況を知るのは怖かったが、覚悟を決めた。
「じゃ、椅子倒すわね。」
うぃーーーん。

516 :夏美編:04/09/10 03:52 ID:dPR3aBQk

この椅子が倒れていく音でさえ、患者には怖いかもしれない、ということを知った。
「はい、お口開けて・・」
ライトが当てられる。自分の口の中が暴かれると思うと、たまらなくなって、目を閉じた。
「もっと楽にして。じゃ、見せてね。」
右上から、佳奈子が丹念に見ていく。時折、カルテにメモをしたり、
探針でカリカリ、と引っかいているのがわかる。恐る恐る目を開けてみると、
佳奈子が眉根を寄せ、厳しい顔をしていた。
「はい、いいわ。」佳奈子が体を起こし、椅子も起こしてくれた。
ずいぶんと長い時間に感じられた。緊張で、口の中がカラカラだった。
コップの水でうがいをしてみる。冷たい感じのするコップだ・・・よく考えると、初めての経験なのだった。
「えっとね・・」話し出す佳奈子の顔を、じっと見た。
「治さなきゃいけない虫歯が、9本あるの。でも、ほとんどC1だから、大丈夫よ。すぐ終わるわ。」
「9本も・・ですか」
「ふふ、私は10本あるのよ。ま、私と比べてほしくない、か。」
佳奈子は笑ってみせた。緊張をほぐそうとしてくれているのはわかったが、何も言えなかった。
「で、どうする?今日、もう治しちゃう?痛いってことはないけど。」
頭の中がグルグルして、考えられなかった。
「そうか、初めてだもんね。じゃ、1本だけ治そう。ちょっと安心できると思うわ。」
こくり、と頷いた。
「じゃあ、前歯の裏からいくわね。右の1番の裏。」
前歯まで虫歯にしてしまったんだ・・夏美の目に、涙が盛り上がった。

517 :夏美編:04/09/10 03:53 ID:dPR3aBQk

治療が始まった。エプロンをつけられ、椅子が倒される。
佳奈子が、タービンの先にチップをつけている。
その様子を心配そうに見つめる夏美に気付くと、佳奈子は微笑んだ。
「痛くはないわ。歯はね。」
そう、痛いのは心だ。普段の、自分の無神経さを反省した。
「はい、あーん。痛くないはずだけど、痛かったら、左手上げてねー」
ヒュイーン、という音をさせながら、タービンが近付いてきた。ぎゅ、っと目をつぶって耐えた。
ブゥン、ガガガガ、ブゥン、という振動が、歯から伝わってきた。
自分の歯が、なくなっているのだ、という気持ちに、涙が溢れ出た。
「はい、いいわ。口ゆすいで。」
くちゅくちゅ、とやって吐き出すと、歯のかけらのようなものが、流れていった。歯が・・
舌で触ると、予想以上に大きい穴が開いている。
またも涙が出てくる。
「ほら、泣かない。舌で触ると、大きく感じるのよ。実際はたいしたことないから。ほら。」
なぜわかったのか、佳奈子が、手鏡を差し出してくれる。ミラーで映してみると、たしかに、それほどの穴でもない。
「じゃ、詰めていくから。」
手早く、薬をつけられ、風を当てられ、別の薬、風、レジン・・・最後に、光を当てられて、
もう一度タービンで磨かれて、治療は終わった。

518 :夏美編:04/09/10 04:20 ID:dPR3aBQk

「舌に引っかかるとか、気になることはない?」
舌と鏡で確認して、こくり、と頷く。どこが治されているのか、全くわからなかった。
「こんな感じで治していくんだけど、平気?」
「はい。もう大丈夫です。ありがとう・・ございました。先生に診てもらって、よかったです」
夏美が言うと、佳奈子は、少し照れた。

「あ、そうだ、親知らずなんだけど」
「はい。」
「見たところ、一番虫歯が酷いから、抜いたほうがいいかな、と思うんだけれど」
「・・はい。」
「実は私、抜歯って得意じゃないの。特に、虫歯になってるとね。で、紺野先生に頼んでもいいかしら」
嫌だとは言えなかった・・が、夏に、佳奈子にきついことを言って、紺野にたしなめられた事を思い出すと、
この口の中を見られるのは、耐えられなかった。
「大丈夫よ。紺野先生、患者さんにはやさしいから」
・・・夏の、佳奈子を叱った様子では、そうは見えなかったが。
「じゃあ、明後日の夜にお願いしておくわ。次の治療は明後日にしましょ」
「どうもありがとうございました。」
「はい、お疲れ様。」
夏美の、初めての治療が終わった・・

519 :夏美編:04/09/10 04:21 ID:dPR3aBQk

次の治療の日。紺野がやってきた。
佳奈子に、「虫歯の親知らずを抜いてほしい」とだけ頼まれてきた紺野は、
治療台に、夏美が座っているのを見て驚いた。
「ん?患者さんって、金子君?」
紺野の顔をまともに見られず、うつむいたまま頷く夏美。
紺野が、傍らの佳奈子の顔を見つめる。
「そうなの。で、口の中見ても、何も言わないで。」
と、佳奈子が答える。
「なんだそれは・・ま、いいや、じゃ、見せて。」
紺野に促され、夏美が口を開ける。
「えっ・・」
今見たものが信じられない、といったふうにまばたきをして、ふたたび覗き込む紺野。
「これはまた・・どうかしたの?」
と、佳奈子に尋ねる。
「それが、わからないのよ。体は大丈夫そうなんだけど」
それを聞いた紺野は、何かひらめいたようだった。
夏美に向き直ると、
「ま、治すしかないな。それに、こんな虫歯だらけだと、彼氏に、虫歯をうつしてしまうよ。」
と言った。
それを聞いて、夏美が、あっ!という顔をした。
「虫歯って・・大人でも、うつるんですか??」
「うん、特に、付き合ってるなら、ちゃんと気をつけないと、うつると言われてるね。」
考え込む夏美。
「思い当たる節があったかな。」
「はい。彼氏が・・虫歯の多い人で。」
「うん、たぶん、それだろうね。さすがに、虫歯の彼氏がいるだろう、とも聞けなくて、
ああ言ったんだけど。」
紺野が笑う横で、佳奈子が少し暗い顔になっていた。
「私は、好きな人に・・虫歯をうつしてしまったりするのね・・」

「ま、とにかく、始めよう。萩原君、使って悪いんだけど、シンマと麻酔、用意して。」
そう言うと、紺野は、夏美のレントゲンと歯を見比べ、抜き方を考えていた・・

520 :夏美編:04/09/10 04:21 ID:dPR3aBQk

続きよろしく〜

521 :名無しさん@ピンキー:04/09/10 04:31 ID:0nsJmpzi

夏美が痛くされて泣いてるのが読みたい。

522 :岸利徹:04/09/10 05:43 ID:GLO3eQKX

http://bbs1.on.kidd.jp/?0002/amiami

523 :名無しさん@ピンキー:04/09/10 07:38 ID:bYykrTd2

青春ですねぇ♪仕立てがドラマチックになってきた。

>>492
そのときは、検診の結果受診した女子中学生でも。
萩原先生視点で。

萩原先生はホントみんなに愛されてますねw

524 :香緒里編:04/09/10 12:18 ID:MVHjtKQX

超ひさしぶりの気がする。香緒里編。

次の日。香緒里は、元気な顔をしていた。
もっとも、それは痛み止めの薬のおかげなのだが、一時、痛み止めすら効かなくなっていたことを考えると、
大進歩だ。
「せっかくだから、映画でもいこうよ。観たがってたよね。」
香緒里が言うので、夕方、前から観たかった、宇宙戦争ものを観に行くことにした。
戦闘シーンが大迫力らしいのだ。
「男の人って、こういうの好きよね・・子供っぽい。」
と、バカにされながら、久しぶりに香緒里の調子が戻ってきたことが嬉しかった。
映画は、満員だったが、やはり、最後の戦闘シーンはすごかった。
ドカーン。ドォオーン!
やはり、映画は迫力だな、と思って観ていると、隣の香緒里が、ぎゅっ、と手を握ってきた。
こんなのが、怖いのかな。可愛いな・・と思っているうちに、映画が終わった。
それでも、香緒里の手は離れない。
明るくなって香緒里の顔を見ると、涙を流している。・・そんな感動するとこ、あったっけ??


525 :香緒里編:04/09/10 12:24 ID:MVHjtKQX

しかし、感動しているにしては様子がおかしい。
「香緒里、どうした?」
「・・・痛いの。」
「え?」
「さっきの音が、歯に響いて・・・前歯がズキズキするの。痛いよぅ・・・」
そう言って、シクシクと泣き出した。
周りの視線が、痛い。
どうしよう・・・もう8時半だ、歯医者は閉まっているだろう。
「痛み止めは?飲んだ?」
「うん、さっき、我慢できなくて、夜の分、飲んだんだけど・・・。」
「効かないか?」
「ちょっとはまし・・かも・・・」
とりあえず、家に帰るが、痛くて泣いているうちに、神経が興奮したのか、
夜中には、しばらくおさまっていた、左上の奥歯まで痛み出したようだ。
「あぁぁっぁぁああん。痛いぃぃ。痛いよぉぉぉ。」
早めに飲んだと言う、夜の分の痛み止めが、今回の最後の薬だったので、
薬もない。冷やしてもみたが、かえってしみる、というので、
隣で肩を抱いててやること以外、どうすることもできなかった。
泣きつかれたのか、ときどき、うとうと、とするものの、
しばらく経つと、また
「痛いよぉ」
と泣き出す。何度繰り返したころだろうか。ようやく、朝になった。


526 :香緒里編:04/09/10 13:49 ID:MVHjtKQX

「香緒里、歯医者さん行こう」
「・・・イヤ」
「何でだよ。痛いんだろう」
「うん。」しゃくり上げながら、答える。
「じゃあ、早くなんとかしてもらおうよ」
「だって・・・差し歯・・・あと、奥歯・・・抜かれちゃう・・・怖いよ・・・」
「・・・そんな」
そんなことないよ、と言おうと思ったが、この痛がりようでは、それもあるかもしれない。
「・・痛いよぅ」
渋っていたものの、やはり、痛みには耐えられなかったのだろう、
11時ごろ、ようやく、香緒里も決心がついたらしい。二人で歯医者に向かった。
行ってみると、さすがに夏休みのせいか、子供が多かった。
待合室についても、シクシクと泣いている香緒里。
「お母さん、あのおねえちゃん、泣いてるよ」
「あのおねえちゃんはね、歯が痛いの。健太も、ちゃんと治さないと、おねえちゃんみたいになるわよ」
という親子の会話が聞こえてくる。
真っ赤になって、立ち上がる香緒里。
母親をにらみつけて、あわてて後を追う。

527 :香緒里編:04/09/10 13:58 ID:MVHjtKQX

「あら、香緒里ちゃん」
ちょうど、診察室から患者を送り出してきた萩原先生が、香緒里を見つけた。
「ちょっと、どうしたの?痛むの?」
香緒里が、涙を拭きながら、頷く。
「とにかくいらっしゃい。受付で言ってくれればよかったのに。」
そう言って、診察室に入れてくれた。
「金子さん。大野さん先に診るけど、あと平気よね?」
「はい、次の方は初診なので、紺野先生にまわします。午前はそれでOKです」
話はついたらしい。
「で・・・どこが痛むかしら?」
香緒里が、黙って前歯を指差す。
「あぁ、痛み出しちゃったか・・今日は院長先生がいるから、ちょっと聞いてみるわ」
立ち上がりかける萩原先生に、香緒里が
「萩原先生が・・いいです・・・」
と言う。萩原先生は、ちょっと微笑むと、
「大丈夫よ。相談するだけだから。治療は私がやるわ、責任持って。」
と言ってくれた。香緒里がホッ、とため息をつく。

528 :香緒里編:04/09/10 15:20:56 ID:MVHjtKQX

萩原先生は、隣の椅子のところの院長先生と、二言、三言しゃべると、戻ってきた。
「じゃ、始めましょ。ちょっと見せてくれる。」
香緒里の唇をめくったり、口を開けさせたりして、診察すると、
「たぶん、虫歯が進んで、中で膿がたまってるせいで痛むのね。だから、とりあえず、
削って、膿を抜きましょ。それで楽になると思うわ。大丈夫?」
香緒里はおとなしく頷いた。
「じゃあ・・麻酔するわね。前歯の麻酔は痛いけど、歯の痛みよりはましよ。我慢してね」
アングルワイダーをはめられ、歯茎がむき出しになっているところに、
麻酔の針が刺さる。
「んんっ」
香緒里が顔をゆがめる。
「ん、大丈夫よ、頑張って」「楽にしてー」
先生と、助手がかわるがわる励ます。
「はい、じゃ、もう1本。今度は裏からいくわね」
口を開けられ、また麻酔が打たれる。
「んあああー」
「すぐ終わるからねー、はい。いいわ。麻酔が効くまでしばらく待ってね。」
そう言って、萩原先生は、ドリルの先を点検した。
治療台に、たくさんのガーゼと、小さい金属製のお皿のようなものがセットされた。

529 :香緒里編:04/09/10 15:21:31 ID:MVHjtKQX

「もういいかしら」
先生が言い、治療が始まった。
削り始めてすぐ、
キュイーン、キュイーン、というドリルの音に、香緒里の泣き声が混じる。
「あああぁあぁぁん。う、ぅあああああ。」
「ちょっとだから。我慢して。」
隣の椅子の子供も、不安そうな様子でこちらを見ている。
「あ、やぁぁぁぁん」
香緒里がひときわ大きい声で泣き叫んだとき、ドリルの音がやんだ。
「ちょっと痛いと思うけど、すぐ楽になるから。」
ガーゼとお皿を香緒里の口の中に入れ、萩原先生が、歯茎のあたりを押す。
「んあ!」
すると、白っぽい液体が、たらー、と出てきた。
香緒里は、目を白黒させている。
しばらくたって、ガーゼとお皿を取り出す。
「どう?」
「だいぶ楽になりました。」
「じゃ、また、ここも根の治療していくから。ちょっと休憩ね。」
はい、と香緒里が静かに返事をする。


530 :香緒里編:04/09/10 15:22:19 ID:MVHjtKQX

気がつくと、周囲は昼休みに入っているようだ。
治療されていた子供たちはいなくなり、他のスタッフも片づけをして、ほとんど奥に入ってしまった。
「萩原先生、あのう・・」香緒里が、おそるおそる話し出す。
「どうしたの?」
「この、前歯は・・・どうなるんでしょうか」
「そうね、一応、根は大丈夫そうだから、前にも言ったけど、差し歯にできると思うわ」
「そう・・ですか。」
香緒里がうつむく。
「えーと、香緒里ちゃん。差し歯が気になるのはわかるけど、最近は、見た目も綺麗なのができるわ。」
萩原先生が、優しく言う。
「でも・・でも・・」
「でも、他にないし、歯抜けっていうわけにもいかないでしょう?」
「先生みたいな・・綺麗な歯の人には分からないですっ!」
香緒里は泣き出してしまったが、萩原先生も、思いつめたような顔をしていた。
そのとき、端の治療台の上をいじっていた男の人が、こちらへ歩いてきた。今日、初めて見る人だ。
さっきの、コンノ先生とかいう人だろうか。
その人は、通りすがりに、萩原先生の肩をポン、と叩いて、受付の方へ行ってしまった。
萩原先生は、ハッ、とした顔で、その男性の後姿を見ていたが、
「・・・香緒里ちゃん。」
しばらくの沈黙の後、決心したように、静かに口を開いた。
「私の前歯も、虫歯でダメになっちゃったの。だから、香緒里ちゃんの気持ち、わかるつもりよ。」
俺は、驚いて萩原先生の口を見た。そうだ、裏が銀色だったのは・・・
香緒里は、もっと驚いているようだ。
「だから、がんばって、治しましょ?ね?」
「はい。わがまま言って、すみませんでした・・」
受付の方を見ると、さっきの先生が、萩原先生をじっと見つめていた・・・

531 :香緒里編:04/09/10 15:23:11 ID:MVHjtKQX

またもわき道にそれちゃった。
誰か、続きお願い。
6番の痛いのは、どうなっちゃうんだろ・・

532 :名無しさん@ピンキー:04/09/10 21:04:11 ID:dF453jr9

をー、萩原先生告白♪
やっぱり香緒里が萩原先生に治療される、ってのが一番だなぁ。
黄金の組み合わせ。
・・金子助手歯ブラシ指導期待∩(゚∀゚∩)age

533 :紺野のウワサ:04/09/11 00:10:36 ID:YfKIbNYU

どれか採用されるかな

紺野バツイチ説
吉村は紺野の差し金説
佳奈子のブリッジは紺野の策略説

<番外>「俺」は実は50歳説

487KB
続きを読む

掲示板に戻る 全部 前100 次100 最新50
名前: E-mail(省略可)

0ch BBS 2007-01-24

差し歯フェチの部屋

Copyright ©1999-2025 by ZENSO All Rights Reserved.