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虫歯&銀歯の女の子
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虫歯&銀歯の女の子
- 562 :萩原先生編:04/09/12 06:10:27 ID:p81g9f66
昨日会議中こっそり書いてたんだが・・・ つながらなくてアップできなかったら、すでに最初がうpされてるな ま、勿体無いので&どこからにしていいかわからないので、全部うpさせてもらいます つまり、555じゃなくて487の後ね さて、その日の夜。 夜、たいてい最後に残るスタッフは、院長、佳奈子、そして衛生士チーフの夏美である。 助手や他の衛生士は、自分の仕事が終わると、それぞれに帰って行くのであった。 スタッフがだいたい帰ったのを見計らって、紺野が言った。 「佳奈子ちゃん、今日、どうする?」 一瞬、食事のことかと思って振り向いてみたが、紺野は、人差し指で、右ほほを叩いていた。 院長が、それを目ざとく見つけた。 「ん?何の合図だ?まあ、若いんだし、おじさんは何も言わないが」 院長は、紺野と佳奈子をくっつけたがっているらしい。 もはや、慣れっこになっている紺野は、 「はは、見逃してください」 と適当にあしらっている。 佳奈子は、できれば院長に虫歯のことを知られたくなかったのだが、夏美が 「萩原先生、虫歯を作っちゃったので紺野先生に治療してもらってるんですよ」 と、あっさりバラしてしまった。 佳奈子は、赤くなってうつむいたが、院長は、 「なんだ、そうか。ま、紺野君は上手いし、優しいしな。萩原君みたいにきついことも言わないだろう」 と、特に虫歯を作ってしまったことについては気にしていないようだった。 「じゃ、あまり遅くならないように。戸締り頼んだよ。金子君、雨が降りそうだから駅まで乗せていこう」 と、夏美を無理やりに連れ、院長は帰って行った。
- 563 :萩原先生編:04/09/12 06:11:09 ID:p81g9f66
「さて・・と。本当に、どうしようか。あのあと、痛みはどうだった?」 「先生に言われたとおり、痛み出して、薬飲んで寝ました。」 「じゃあ、明日があるから、6番は休みの前の日にやるとして、今日のところは、 薬だけ取り替えておこうか。あとは7番だけだけど、どうする?」 「・・・どっちがいいんですか?」 「うーん、先延ばしにするな、と言いたいところだけど、神経ギリギリまでいってたら、しばらく痛むからね。 やっぱり、休みの前にやろう。」 ということで、佳奈子は少し、ホッとした。 「じゃ、口開けて。」 歯の仮封を外し、綿を取り出す。 新しい綿に、薬をつけて、詰める。 「んんっ」 「ん、しみるか?」 一瞬、正直に言っていいかどうか迷う佳奈子に、紺野が苦笑する。 「懲りないな、君は。」 そういいながら、再び封をした。 「じゃあ、くれぐれも歯磨きはやさしく。何かあったら、すぐに言うこと。いいね?」 最後まで、歯科医としての態度を崩さない紺野に、少し寂しさをおぼえつつ、その晩は別れた。
- 564 :萩原先生編:04/09/12 06:11:39 ID:p81g9f66
2日たった土曜日。土曜日は、診療時間が少し短い。 「じゃ、佳奈子ちゃん、やろうか。」 紺野は、仕事中は佳奈子を「萩原君」と呼ぶが、終わったとたん、呼び方を「佳奈子ちゃん」に変える。 どうやら無意識らしいが、佳奈子は、少し嬉しさを感じていた。 とはいえ、治療が始まるときは別だ。 白衣を脱ぎ、しぶしぶ治療椅子に座る。 「お願いします・・」 「じゃ、まず、6番からやっていこう。」 そう言って、封を取り、少し観察する。 「大分きれいになってきたよ、今日で終わるといいけどね」 リーマを選び、口を開かせる。 「もうそれほど痛くないと思うけど」 と言いながら、ゆっくりと進めていく。たしかに、痛くな・・ 「あぁっ!」 やっぱり痛かった。前回のように、脚をばたつかせるほどではないものの、涙は出てきた。 「んんんー、ん、んぁ!」 「もうちょっと・・ちょっとだからね・・・」 そう言いながら、紺野の手はなかなか止まらなかった。 「んんっ」 「はい、おしまい」 手早く、薬を入れて蓋をする。 「ちょっと休憩したら、7番始めよう。」 そう言うと、紺野は、帰り支度をはじめている夏美を呼び止めた。
- 565 :萩原先生編:04/09/12 06:12:18 ID:p81g9f66
「金子さん、今日は用事あるの?」 「いえ、特に何も・・」 「じゃ、補助入ってもらえるかな?」 夏美は、笑顔を浮かべながら戻ってきた。 「もちろん、いいですよ」 佳奈子は憂鬱になった。が、たしかに、治療のとき、衛生士がいたほうが格段にやりやすい。 特に、夏美のような補助が上手い衛生士ならなおさらだ。技術はいいのよ、技術は・・・ それがわかるだけに、紺野に異議を唱えることもできないのだった。 夏美が、手を洗って戻ってくると、治療が始まった。 「痛くなったら言って。」 紺野は佳奈子に微笑みかけると、タービンを手にした。 ヒュイーーーーン 普段聞きなれている音だが、自分の口の中で聞くのは大違いだ。 ヴィ、ヴィン、ヴィン、と、頭蓋骨に振動が伝わってくる。 「ん、ん、んぁ!」 やがて、痛みが襲ってきた。 「ぁあああああ」 「んー、意外と広がってるなあ、もうちょっと頑張って」 「あ、あっ」佳奈子の顔がゆがむ。 無意識に口を閉じかけていたらしい。 夏美が、バキュームを持ちながら、ぐいっ、と佳奈子の顎をおさえる。 うっすらと目を開けて、夏美を見ると、今日は、佳奈子の顔ではなく、 口腔内の作業に集中していた。 なんとなくホッとしたが、痛みは続いていた。
- 566 :萩原先生編:04/09/12 06:26:29 ID:n8sgeWHr
「んぁあ、んぁあっ」 「もう少しだからねー、我慢して。」 ずいぶん長いもう少し、の後、ようやくタービンの音がやんだ。 「えっとね、神経までは行ってないけど、かなり際まで行っていたよ。 なので、神経は取らずにおくけど・・わかってるよね?」 「しばらく痛むから、ですか」 「いや、それよりは、後で痛みがひどくなるようだったら、ちゃんと言って、と言いたかったんだけど」 歯の型を取ったあと、薬を詰めて、仮の歯をかぶせた。 さあ、終わったわ、と思い、佳奈子が 「ありがとうございました」 と、椅子を降りようとすると、紺野が止めた。 「ちょっと待った。何か忘れてない?」 微笑みながら聞いてくる。 まさか・・・「歯、歯磨きですか」 「なんだ、覚えてるじゃないか」 「紺野先生に・・・ですか」 「金子君にやってもらうのは嫌なんだろう」 「・・・どっちか選ばないと、ダメですか」 楽しそうに、片づけを終えた夏美も傍へやってきた。 「わかりました。金子さんに頼みます」 先日の怒りはおさまっていたし、何より、紺野に歯垢を染めたりされるのは、嫌だった。 「ほう」 紺野は、意外そうな顔をした。 「金子君、いいかな」 「やりますよ」 夏美は、ニヤッと笑った。
- 567 :萩原先生編:04/09/12 06:28:43 ID:n8sgeWHr
「じゃ、歯ブラシ選んでください。差し上げますから。」 夏美が歯ブラシを持ってきた。 「じゃあ・・キリンさんで。」 こうなったら、ヤケだ。なぜか大人用なのに絵が描かれた黄色い歯ブラシを選ぶ。 傍では、紺野がおもしろそうに見守っている。 「まず、いつもどおりに磨いて下さい。」 夏美が指示する。 シャコシャコシャコ、と磨くが、二人のプロに見られていると、緊張する。 「右上、取れても治せるようにスタンバイしてるから、好きにやっていいぞ」 紺野も楽しそうに茶々を入れる。 「そんなに見ないで下さい」 少し赤くなりながらも、磨き終えた。 「じゃ、残っている歯垢のチェックをしますね。」 夏美が、口の中に歯垢染め出し液を塗る。 「軽くゆすいでください。軽くですよ!」 二人の目がしっかりとこちらを見ているので、軽くゆすぐだけにした。 「じゃ、見せて下さい。」 夏美が、佳奈子の口にリトラクターをはめる。 紺野も面白そうにやってきた。 やめて・・と思ったが、リトラクターのせいで、何も言えない。 「はい、んー、さすがですね、だいたい磨けてます・・・でも、やっぱり、右側が甘いですよ。 青いのも残ってるし。青は、数日前からの汚れですよ。赤は新しい歯垢です。 歯医者さんなんですから、歯磨きくらいきちんとしてもらわないと。 歯が弱くても、汚れが残っていなければ、虫歯になんかならないんですからね。」
- 568 :萩原先生編:04/09/12 06:29:21 ID:n8sgeWHr
紺野にも、じっくり覗き込まれ、佳奈子は顔が赤くなるのを感じた。 さらに、手鏡を手に持たされ、自分でもチェックさせられる。 たしかに、奥歯の外側や一番奥など、右側の方が磨き残しが多かった。 昔、予防歯科で徹底的に教えられたから、歯磨きには自信があったのに・・・ ややショックを受けていると、 「これじゃあ、またやっちゃいますよ」 夏美の声が降って来た。ニヤニヤしている。 やっぱり、やめておけばよかった・・・佳奈子は後悔したが、もはや、やめられなかった。 「じゃ、歯ブラシ、こう持ってください。で、上の歯は・・・」 佳奈子は指示通りに磨くが、 「そんなんじゃダメです。来年には残りの歯も虫歯ですよ」 と、即座にダメ出しされる。そんなことまで言わなくていいのに・・・ 佳奈子は落ち込んできた。 助けを求めるように紺野を見たが、やさしく微笑んで首を振っただけだった。 「はい、萩原先生、よそ見しないで下さい。また虫歯になりたいんですか?」 本当に、いちいち気に障ることを言う。 そんなことを思いつつも、右側の磨き残しもなくなり、無事に終了、と思ったとき、 「ダメです、萩原先生には、まだ特別レッスンがあります」 と、夏美は許してくれなかった。
- 569 :萩原先生編:04/09/12 06:31:09 ID:n8sgeWHr
「萩原先生、歯間ブラシは使われますか?」 「使わないわ、フロスは使っているけれど」 「それじゃダメです、萩原先生、ブリッジあるでしょう」 「・・・ええ。」 「ブリッジは、かぶせてあるところから虫歯になりやすいし、それでどんどんダメな歯が外に広がっていって、 入れ歯になったりするんです。ご存知ですよね」 「・・・・ええ。」 「だから、ブリッジのところは念入りに磨かないと。特に、欠損しているところの下なんかは 歯間ブラシも使わないとダメなんです。じゃ、やりましょう」 ブリッジのところは、綺麗にしておかないと臭う気がして、歯ブラシでは細かく磨いていたが・・・ 佳奈子は、夏美のプロぶりに、やや感心した。 紺野も、ほぅ、という顔をしている。 さきほどのようにイヤイヤでなく、真剣に、歯間ブラシの指導を受けた。 「はい、今度こそ、終わりです。お疲れ様でした。」 「いえいえ、どうもありがとう、ためになったわ」 夏美がにこっと笑う。 「それはよかったです。さすがに萩原先生が入れ歯になったら、可哀想で見ていられないですから」 「・・・・・」 「でも、金子君にやってもらってよかったじゃないか。僕じゃ、歯間ブラシはなかったな。 子供向けの指導にそれは入ってないから」 紺野が笑いながらフォローを入れる。 「さすがにお腹空いたよ。もし佳奈子ちゃんの歯が大丈夫なら、帰りに何か食べに行こう。」 紺野が提案し、3人で外へ出た。 後よろ〜 歯磨きレッスンしてしまったよ、でも実は歯磨き指導って何やるの? こんなもんかと思ったんだけど・・・ 詳しい人訂正あればよろ。
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