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虫歯&銀歯の女の子
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虫歯&銀歯の女の子
- 1 :名無しさん@ピンキー:04/07/19 16:12 ID:8MZmTy88
こんな子に激しく萌えます http://up.nm78.com/data/up047068.jpg
- 557 :名無しさん@ピンキー:04/09/11 23:57:38 ID:LnW7ceHU
急に紺野が軽くなってる・・ 佳奈子にももうちっと恥じらいが欲しい
- 558 :名無しさん@ピンキー:04/09/12 00:06:38 ID:qilb9376
>>557 言えてる。「びみょ」はかなりびみょやった。 でもこの後歯磨き指導だよね。 楽しみ〜
- 559 :名無しさん@ピンキー:04/09/12 00:10:21 ID:aESxEEL1
>>551,556 乙でしたー しかし、>>557 の言うことも分かる気がするな、たしかに
- 560 :名無しさん@ピンキー:04/09/12 00:53:53 ID:MtiD8JIK
関係ないけど昔から麻酔無しで虫歯を削られて苛められて神経抜かれるのに すごく憧れているんだよね。最近の歯医者さんは痛くしてくれないし 誰かSの歯医者さんで拷問みたいに痛くしてくれる人に出会いたいよーっ。
- 561 :名無しさん@ピンキー:04/09/12 03:14:17 ID:Qu1928kx
>>560 どっかの日記サイトに、麻酔がきらいだからっていって、 頼んで麻酔なしで治療してもらった、っていう日記があった。 「気絶しないでね」って言われたらしい。 マジで気絶しそうになったらしい。(((( ;゜Д゜)))ガクガクブルブル
- 562 :萩原先生編:04/09/12 06:10:27 ID:p81g9f66
昨日会議中こっそり書いてたんだが・・・ つながらなくてアップできなかったら、すでに最初がうpされてるな ま、勿体無いので&どこからにしていいかわからないので、全部うpさせてもらいます つまり、555じゃなくて487の後ね さて、その日の夜。 夜、たいてい最後に残るスタッフは、院長、佳奈子、そして衛生士チーフの夏美である。 助手や他の衛生士は、自分の仕事が終わると、それぞれに帰って行くのであった。 スタッフがだいたい帰ったのを見計らって、紺野が言った。 「佳奈子ちゃん、今日、どうする?」 一瞬、食事のことかと思って振り向いてみたが、紺野は、人差し指で、右ほほを叩いていた。 院長が、それを目ざとく見つけた。 「ん?何の合図だ?まあ、若いんだし、おじさんは何も言わないが」 院長は、紺野と佳奈子をくっつけたがっているらしい。 もはや、慣れっこになっている紺野は、 「はは、見逃してください」 と適当にあしらっている。 佳奈子は、できれば院長に虫歯のことを知られたくなかったのだが、夏美が 「萩原先生、虫歯を作っちゃったので紺野先生に治療してもらってるんですよ」 と、あっさりバラしてしまった。 佳奈子は、赤くなってうつむいたが、院長は、 「なんだ、そうか。ま、紺野君は上手いし、優しいしな。萩原君みたいにきついことも言わないだろう」 と、特に虫歯を作ってしまったことについては気にしていないようだった。 「じゃ、あまり遅くならないように。戸締り頼んだよ。金子君、雨が降りそうだから駅まで乗せていこう」 と、夏美を無理やりに連れ、院長は帰って行った。
- 563 :萩原先生編:04/09/12 06:11:09 ID:p81g9f66
「さて・・と。本当に、どうしようか。あのあと、痛みはどうだった?」 「先生に言われたとおり、痛み出して、薬飲んで寝ました。」 「じゃあ、明日があるから、6番は休みの前の日にやるとして、今日のところは、 薬だけ取り替えておこうか。あとは7番だけだけど、どうする?」 「・・・どっちがいいんですか?」 「うーん、先延ばしにするな、と言いたいところだけど、神経ギリギリまでいってたら、しばらく痛むからね。 やっぱり、休みの前にやろう。」 ということで、佳奈子は少し、ホッとした。 「じゃ、口開けて。」 歯の仮封を外し、綿を取り出す。 新しい綿に、薬をつけて、詰める。 「んんっ」 「ん、しみるか?」 一瞬、正直に言っていいかどうか迷う佳奈子に、紺野が苦笑する。 「懲りないな、君は。」 そういいながら、再び封をした。 「じゃあ、くれぐれも歯磨きはやさしく。何かあったら、すぐに言うこと。いいね?」 最後まで、歯科医としての態度を崩さない紺野に、少し寂しさをおぼえつつ、その晩は別れた。
- 564 :萩原先生編:04/09/12 06:11:39 ID:p81g9f66
2日たった土曜日。土曜日は、診療時間が少し短い。 「じゃ、佳奈子ちゃん、やろうか。」 紺野は、仕事中は佳奈子を「萩原君」と呼ぶが、終わったとたん、呼び方を「佳奈子ちゃん」に変える。 どうやら無意識らしいが、佳奈子は、少し嬉しさを感じていた。 とはいえ、治療が始まるときは別だ。 白衣を脱ぎ、しぶしぶ治療椅子に座る。 「お願いします・・」 「じゃ、まず、6番からやっていこう。」 そう言って、封を取り、少し観察する。 「大分きれいになってきたよ、今日で終わるといいけどね」 リーマを選び、口を開かせる。 「もうそれほど痛くないと思うけど」 と言いながら、ゆっくりと進めていく。たしかに、痛くな・・ 「あぁっ!」 やっぱり痛かった。前回のように、脚をばたつかせるほどではないものの、涙は出てきた。 「んんんー、ん、んぁ!」 「もうちょっと・・ちょっとだからね・・・」 そう言いながら、紺野の手はなかなか止まらなかった。 「んんっ」 「はい、おしまい」 手早く、薬を入れて蓋をする。 「ちょっと休憩したら、7番始めよう。」 そう言うと、紺野は、帰り支度をはじめている夏美を呼び止めた。
- 565 :萩原先生編:04/09/12 06:12:18 ID:p81g9f66
「金子さん、今日は用事あるの?」 「いえ、特に何も・・」 「じゃ、補助入ってもらえるかな?」 夏美は、笑顔を浮かべながら戻ってきた。 「もちろん、いいですよ」 佳奈子は憂鬱になった。が、たしかに、治療のとき、衛生士がいたほうが格段にやりやすい。 特に、夏美のような補助が上手い衛生士ならなおさらだ。技術はいいのよ、技術は・・・ それがわかるだけに、紺野に異議を唱えることもできないのだった。 夏美が、手を洗って戻ってくると、治療が始まった。 「痛くなったら言って。」 紺野は佳奈子に微笑みかけると、タービンを手にした。 ヒュイーーーーン 普段聞きなれている音だが、自分の口の中で聞くのは大違いだ。 ヴィ、ヴィン、ヴィン、と、頭蓋骨に振動が伝わってくる。 「ん、ん、んぁ!」 やがて、痛みが襲ってきた。 「ぁあああああ」 「んー、意外と広がってるなあ、もうちょっと頑張って」 「あ、あっ」佳奈子の顔がゆがむ。 無意識に口を閉じかけていたらしい。 夏美が、バキュームを持ちながら、ぐいっ、と佳奈子の顎をおさえる。 うっすらと目を開けて、夏美を見ると、今日は、佳奈子の顔ではなく、 口腔内の作業に集中していた。 なんとなくホッとしたが、痛みは続いていた。
- 566 :萩原先生編:04/09/12 06:26:29 ID:n8sgeWHr
「んぁあ、んぁあっ」 「もう少しだからねー、我慢して。」 ずいぶん長いもう少し、の後、ようやくタービンの音がやんだ。 「えっとね、神経までは行ってないけど、かなり際まで行っていたよ。 なので、神経は取らずにおくけど・・わかってるよね?」 「しばらく痛むから、ですか」 「いや、それよりは、後で痛みがひどくなるようだったら、ちゃんと言って、と言いたかったんだけど」 歯の型を取ったあと、薬を詰めて、仮の歯をかぶせた。 さあ、終わったわ、と思い、佳奈子が 「ありがとうございました」 と、椅子を降りようとすると、紺野が止めた。 「ちょっと待った。何か忘れてない?」 微笑みながら聞いてくる。 まさか・・・「歯、歯磨きですか」 「なんだ、覚えてるじゃないか」 「紺野先生に・・・ですか」 「金子君にやってもらうのは嫌なんだろう」 「・・・どっちか選ばないと、ダメですか」 楽しそうに、片づけを終えた夏美も傍へやってきた。 「わかりました。金子さんに頼みます」 先日の怒りはおさまっていたし、何より、紺野に歯垢を染めたりされるのは、嫌だった。 「ほう」 紺野は、意外そうな顔をした。 「金子君、いいかな」 「やりますよ」 夏美は、ニヤッと笑った。
- 567 :萩原先生編:04/09/12 06:28:43 ID:n8sgeWHr
「じゃ、歯ブラシ選んでください。差し上げますから。」 夏美が歯ブラシを持ってきた。 「じゃあ・・キリンさんで。」 こうなったら、ヤケだ。なぜか大人用なのに絵が描かれた黄色い歯ブラシを選ぶ。 傍では、紺野がおもしろそうに見守っている。 「まず、いつもどおりに磨いて下さい。」 夏美が指示する。 シャコシャコシャコ、と磨くが、二人のプロに見られていると、緊張する。 「右上、取れても治せるようにスタンバイしてるから、好きにやっていいぞ」 紺野も楽しそうに茶々を入れる。 「そんなに見ないで下さい」 少し赤くなりながらも、磨き終えた。 「じゃ、残っている歯垢のチェックをしますね。」 夏美が、口の中に歯垢染め出し液を塗る。 「軽くゆすいでください。軽くですよ!」 二人の目がしっかりとこちらを見ているので、軽くゆすぐだけにした。 「じゃ、見せて下さい。」 夏美が、佳奈子の口にリトラクターをはめる。 紺野も面白そうにやってきた。 やめて・・と思ったが、リトラクターのせいで、何も言えない。 「はい、んー、さすがですね、だいたい磨けてます・・・でも、やっぱり、右側が甘いですよ。 青いのも残ってるし。青は、数日前からの汚れですよ。赤は新しい歯垢です。 歯医者さんなんですから、歯磨きくらいきちんとしてもらわないと。 歯が弱くても、汚れが残っていなければ、虫歯になんかならないんですからね。」
- 568 :萩原先生編:04/09/12 06:29:21 ID:n8sgeWHr
紺野にも、じっくり覗き込まれ、佳奈子は顔が赤くなるのを感じた。 さらに、手鏡を手に持たされ、自分でもチェックさせられる。 たしかに、奥歯の外側や一番奥など、右側の方が磨き残しが多かった。 昔、予防歯科で徹底的に教えられたから、歯磨きには自信があったのに・・・ ややショックを受けていると、 「これじゃあ、またやっちゃいますよ」 夏美の声が降って来た。ニヤニヤしている。 やっぱり、やめておけばよかった・・・佳奈子は後悔したが、もはや、やめられなかった。 「じゃ、歯ブラシ、こう持ってください。で、上の歯は・・・」 佳奈子は指示通りに磨くが、 「そんなんじゃダメです。来年には残りの歯も虫歯ですよ」 と、即座にダメ出しされる。そんなことまで言わなくていいのに・・・ 佳奈子は落ち込んできた。 助けを求めるように紺野を見たが、やさしく微笑んで首を振っただけだった。 「はい、萩原先生、よそ見しないで下さい。また虫歯になりたいんですか?」 本当に、いちいち気に障ることを言う。 そんなことを思いつつも、右側の磨き残しもなくなり、無事に終了、と思ったとき、 「ダメです、萩原先生には、まだ特別レッスンがあります」 と、夏美は許してくれなかった。
- 569 :萩原先生編:04/09/12 06:31:09 ID:n8sgeWHr
「萩原先生、歯間ブラシは使われますか?」 「使わないわ、フロスは使っているけれど」 「それじゃダメです、萩原先生、ブリッジあるでしょう」 「・・・ええ。」 「ブリッジは、かぶせてあるところから虫歯になりやすいし、それでどんどんダメな歯が外に広がっていって、 入れ歯になったりするんです。ご存知ですよね」 「・・・・ええ。」 「だから、ブリッジのところは念入りに磨かないと。特に、欠損しているところの下なんかは 歯間ブラシも使わないとダメなんです。じゃ、やりましょう」 ブリッジのところは、綺麗にしておかないと臭う気がして、歯ブラシでは細かく磨いていたが・・・ 佳奈子は、夏美のプロぶりに、やや感心した。 紺野も、ほぅ、という顔をしている。 さきほどのようにイヤイヤでなく、真剣に、歯間ブラシの指導を受けた。 「はい、今度こそ、終わりです。お疲れ様でした。」 「いえいえ、どうもありがとう、ためになったわ」 夏美がにこっと笑う。 「それはよかったです。さすがに萩原先生が入れ歯になったら、可哀想で見ていられないですから」 「・・・・・」 「でも、金子君にやってもらってよかったじゃないか。僕じゃ、歯間ブラシはなかったな。 子供向けの指導にそれは入ってないから」 紺野が笑いながらフォローを入れる。 「さすがにお腹空いたよ。もし佳奈子ちゃんの歯が大丈夫なら、帰りに何か食べに行こう。」 紺野が提案し、3人で外へ出た。 後よろ〜 歯磨きレッスンしてしまったよ、でも実は歯磨き指導って何やるの? こんなもんかと思ったんだけど・・・ 詳しい人訂正あればよろ。
- 570 :554:04/09/12 06:47:01 ID:Vl1P63KB
飲みながら適当に書いたもんで、起きて読み直すとダメだ。 >>554-555はカットしてください。 >>562-569の方が(・∀・)イイ!
- 571 :554:04/09/12 07:17:50 ID:Vl1P63KB
不覚にも、キリンさんに(;´Д`)ハァハァですw 香緒里編にもブラッシング指導入れて欲しいっ!
- 572 :名無しさん@ピンキー:04/09/12 23:53:27 ID:fg6+awCk
漏れ、文章鑑定学みたいなのやってるんだけど、 ここんとこ書いてるの、一人じゃね?って気がする 皆書いてやれよ でも、うまいんだよなあ、いろいろと。ツボ押さえてるし これからもよろ。
- 573 :名無しさん@ピンキー:04/09/13 00:07:57 ID:BmSUzb8c
>>572 漏れは541からの本編書いたんだけど、562からの佳奈子編は書いてないよ。 今までの読みながら書くと似てくるんかなあ?
- 574 :名無しさん@ピンキー:04/09/13 00:29:50 ID:Y4VcRFqO
>>573 うん、そこは違うかも というのもなんだけど、 内容とかトーンもだけど、けっこう調子とか言い回しの方があらわれるね えーと、予想 香緒里をほとんど全部虫歯にしたのと 萩原先生編を始めたのと夏美編を始めたのは同じ人物(たぶん20代後半の女性) 佳奈子編の続編の始めと、562からの佳奈子編と、524からの本編もたぶんこの人 「345」は別だな
- 575 :名無しさん@ピンキー:04/09/13 01:02:27 ID:HuTHo6yj
香緒里口腔内情報、しかしあまり変化ないね 右上 7 C2 6 2次齲蝕・歯冠部全除去・根を治療中(次回土台?) 5 C2 4 C2 3 C1 2 C2 1 C2 左上 1 C2 2 C3 急性化して排膿・根の治療中 3 C2 4 C1 5 C2 6 C4 根を治療中・排膿中(しかし抜く方向で) 7 C3 感染歯質除去・神経処置済み・土台立て済み・次回クラウン 右下 7 C2 6 インレー(OK) 5 C2 4 レジン・2次齲蝕 左下 5 C2 インレー治療完了! 6 インレー(OK) 7 C2
- 576 :夏美編:04/09/13 01:41:22 ID:HuTHo6yj
といっても全然続いてないけど 「ところで、金子君、この親しらずは痛みがあるの?」 「よくわかんないんです。歯茎の腫れのせいでうずうずしてるのかな、って気もするし 歯が痛いような気もするし・・・」 「そうか・・いや、あと3本の親しらずはきちんと生えてるから。 この左下を抜いたら、あとのも抜かなきゃならないし、勿体無いなと思ってね」 「・・・そうです、よね」 「レントゲン見ると、けっこう辛そうなんだけど、なにせ全部萌出してないから 判断しにくいところがあってね。虫歯になってるのは間違いないんだけど。 もうちょっと生えるのを待って、できそうなら治療する、っていう選択はない?主治医の萩原先生。」 すると、横に立っていた佳奈子が答える。 「もちろん、他の3本のこともあるから残したほうがいいかな、て思ったんですけど、 その8番はけっこうやられてそうだったから、痛む前に抜いてしまいたかったんです。 8番のせいで、その手前の7番の治療もやりにくいですし。」 夏美は、二人の歯科医を不安そうに見比べている。 紺野の意見に従うと、歯をぬかなくても(少なくともとりあえずは)いいが、痛くなるかもしれないらしい。 佳奈子の意見に従うと、早めに治してもらえるが、痛くない歯も抜かなければならない・・・ 「どうする、決めるのは金子さんよ。どっちが正解ってこともないわ」 佳奈子に答えをせまられ、夏美は、ふと目の合った、紺野の意見に従うことにした。 こうして、夏美の、限りなくC3に近いC2の8番は、しばらく様子見という大義を与えられ、 放って置かれることとなったのである・・ 振りかいな。後よろしく。
- 577 :名無しさん@ピンキー:04/09/13 12:59:11 ID:oALnCs1B
>>576 わくわく、いい展開・・ しかし、これはひょっとして、紺野の夏美いじめですか?? 後で苦しむのを見ようっていう・・ そこまで悪人じゃないか、紺野。彼はよくわからないんだよね。 佳奈子がいじめられてたんで仕返しとかっていうのは器が小さすぎだよね、 ってか別にそれほど佳奈子を思ってはいないかもしれないし。 関係ないが、昨日電車で見た20過ぎの女の子と両親の3人連れ 母は超歯が丈夫そうで、50超えてるだろうに綺麗な天然歯 しかし父は部分入れ歯のバネとかも見えてて、いかにも歯が悪いという様子 そして娘は、上1番両方とも抜髄っぽい変色、2番とかもやられてる雰囲気で 期待できそうだった。 しかもよく笑う、イイ子だった。4番は白いクラウンだな、ありゃ。 子供の頃、「お父さんみたいに虫歯だらけになるよ」とか母に怒られてそうなイメージ
- 578 :名無しさん@ピンキー:04/09/13 16:41:40 ID:T8rdi56n
>>577 その分だと奥歯は全滅だね! リアル香緒里って感じ。 いい物見ましたね。羨ましい。
- 579 :本編:04/09/14 00:02:47 ID:/aZ/pPAZ
9月も中旬になり、大学の長い夏休みが終わる日が近づいてきた。 香緒里の歯の治療も、香緒里がなれてきたこともあるのか、 少しずつだが着実に進み、右上の奥から2番目と、左上の一番奥は、 クラウンが入り、完治していた。 前歯の根も綺麗になり、差し歯の土台立てまで済んでいる。 次回の治療で完全に治るらしい。 だが、他の歯が着々と治っていく一方、例の左上の奥歯の治りは悪かった。 何度根を掃除してもらっても、次に行ったときには中が膿んでいる。 「中がうずく」と言っては薬で抑える日が続いていた。 「香緒里さ…その歯、そろそろ限界じゃないか?」 「…」 「薬が切れたときの痛みも前より酷そうだし」 「…そんなことないよ。第一、抜かなきゃならないなら、荻原先生がそう言うはずよ」 「それはそうなんだけど…」
- 580 :本編:04/09/14 00:25:10 ID:/aZ/pPAZ
なんだか釈然としなかったが、我慢しているのも歯を抜くのも香緒里だから、 俺は強く出られなかった。 次の日の夜は台風だった。 風が酷くならないうちに香緒里の家に向かう。 ドアを開けた香緒里の顔を見て、驚いた。 「それ……。左、凄い腫れてない? どうしたの?」 「さっき急に痛くなって…でも薬飲んだから大丈夫だよ」 そう香緒里は言って俺を部屋に入れたが、どう考えても大丈夫な腫れ方ではない。 案の定、しばらくすると、 「駄目…痛い、痛い、助けてぇ」 と泣き出した。
- 581 :本編:04/09/14 00:29:46 ID:/aZ/pPAZ
確かこういうときは仮の詰め物をはずせ、って言われてたっけ。 「外そうか?」 「でも…薬が抜けちゃう……痛っ!ああぁん…!」 「そんな、薬なんて言ってる場合じゃないだろ!もう、外すよ!」 俺が強く出ると、香緒里は反論しなかった。 荻原先生に言われたように、爪楊枝で引っかけると、蓋は簡単に取れた。 蓋に絡まってきた綿も一緒に引っこ抜く。 「ひぁっ!」 その瞬間、香緒里が悲鳴を上げる。 歯の奥から、膿がとろ〜っと流れ出てきた。 でも、それは少しだけで、左頬の腫れは全くひかない。 「痛ぁい、うぅっ、ひっく」 「全然良くならないの?」 「う…ん、歯は…わかんない…頭がいたいよぉ」
- 582 :579:04/09/14 00:31:19 ID:/aZ/pPAZ
ここまで。 クラウンとか飛ばしてスマソ。 中途半端スマソ。
- 583 :本編・少しずつ進行編:04/09/14 03:40:54 ID:nmVexB9H
おお、なんかオオゴトになってそうだ、大丈夫かな、香緒里。 ぜひ続きをお願いしたい!早く抜きたいもんねぇ。 でも、じりじり進行編も・・クラウンとか気になる。 次の日、香緒里は、高校時代の友達と遊びに行ってしまった。 俺は、一人で買い物にでも出かけることにした。 デパートに入り、ふらふらしていると、新しい香水のキャンペーンをやっていた。 「どうぞー。当店で先行発売です。お試しください」 紙に染み込ませた見本をもらった。ふんわりとした、いい匂いだった。 香緒里に似合いそうだ。ボトルもなかなかかわいい。 最近、香緒里も歯の治療を頑張ってるし、ふとプレゼントしてみようかな、と思い立った。 「あの・・これ、プレゼントに・・」 「ありがとうございます。お包みしますので少々お待ちください」 にっこり笑って応対してくれた売り場のお姉さん。上の前歯が1本、やけに白く目立った。 このところ、歯医者通い(自分の治療じゃないが)をしているせいか、人の歯がちょっと気になるのだ。 差し歯かな・・ そう思っていると、別の係りのお姉さんが、 「彼女にですか?喜びますよー」 と言ってくれた。この人は、前歯が4本とも、少し不自然な気がする。ちらりと見えた奥歯は、1本まるごと、銀色に光っていた。 これがクラウンだろうか。案外セクシーだな・・ 周りを見回すと、けっこう前歯が差し歯っぽい人が多かった。 香緒里に、大丈夫だって言ってやろう、と思いながら、家に帰った。
- 584 :本編・少しずつ進行編:04/09/14 03:43:24 ID:nmVexB9H
家に帰ってしばらくすると、香緒里から電話だ。晩御飯でも食べにいこう、という。 メニューは迷った挙句、パスタなら食べられそうだ、というので、イタリアンに行った。 席につくと、香緒里は、今日会った友達は4人だが、2人が差し歯を入れていた、という話を始めた。 その中の、前歯を全部差し歯にしたという一人が、香緒里の前歯の虫歯を目ざとく見つけ、こう言ったらしい。 「香緒里もさっさと歯医者に行って、差し歯にしてもらいなよ。綺麗になるよ。」 香緒里が、歯医者には通っていること、奥歯の根の治療があるので、 前歯は治療待ちだが、差し歯にするのは1本だと説明すると、 「ええっ、穴開いてるのに、大丈夫なの?その歯医者。 私の前歯は、アイスがしみるだけだったけど、念のため神経取りましょうって言われて、 神経とると歯の色が変わっちゃうからって、差し歯にしてくれたよ。 奥歯もしみるところは、ほとんど神経抜いてもらったけど、 そんなに何回も根の治療なんかせずに、すぐかぶせてくれたし。紹介しようか?」 と言われたそうだ。 香緒里は、少し心配になってしまったらしい。
- 585 :本編・少しずつ進行編:04/09/14 03:44:17 ID:nmVexB9H
「じゃあ香緒里、前歯も全部差し歯にしたいわけ?」 「それは嫌・・」 「じゃあ、いいんじゃないの。」 「奥歯も、萩原先生、神経は残せたわ、って言ってくれたけど、取らなくてよかったのかなあ。根の治療もほとんど終わってないし」 「そりゃ、神経は残せるなら残したほうがいいと思うよ。根も、たしかに、時間かかってるけど、丁寧にやってくれてるんじゃないのかな。気になるなら、今度聞いてみなよ」 「うん、そうする」 香緒里は少し安心したようで、ぱくぱくとパスタを平らげた。 そんなにばくばく食べて大丈夫か、と思っていると、案の定、 「ぁ、つっ!」 香緒里は左頬を押さえて、顔をしかめている。 思わず、左で噛んでしまったらしい。 「大丈夫か、左ではあんまり噛むなって言われてただろ」 そう言うと、香緒里は、もごもご、と舌で左上を探り、 「うん、詰め物は取れてないみたい。よかったー」 と、にっこりした。食べ終わると、明日の歯医者の時間にまた香緒里を迎えに行く約束をして、別れた。 これは579からよりも前です。少しずつ進行、と書いたが、実際、全然進行してないな。 気が向いたらこっちも続きよろしう。
- 586 :本編 少しずつ進行編:04/09/14 11:36:52 ID:CFbxOkdP
>>585の後、>>579の前でよろしく。 次の日。 「じゃあ、今日はどこから始めようか・・」 荻原先生が言いかけたところに、香緒里が 「あの、ちょっと聞きたいことがあるんですけど・・」といった。 「ん、なあに?」 「えっと・・この前歯、差し歯にするのは一本だけで大丈夫なんですか?」 香緒里が聞くと、萩原先生はちょっと顔を曇らせた。 「んー・・削ってみないと分からない、としか言えないわ・・」 先生はそう言うと、カルテを台においた。 「虫歯がね、浅くて小さかったら、削ってプラスチックを入れるだけで治療できるの。 これでも、きちんと詰めたら、普通に見たら分からない程度に出来るわ。 ただ、変色するから何年かに一回詰め替えないといけないけど」 先生にそう言われ、香緒里がこくんとうなずく。 「浅くても広かったら、プラスチックを詰める方法じゃ強さが足りなくなるわ。 だから、神経は残すけど、歯を細く削って、かぶせ物をかぶせることになる」 すこし不安げに香緒里がうなずく。 「で、もし神経にまでいってたら、神経を抜いて、根っこだけ残して歯を全部削って、 そこに金属の土台を差し込んでかぶせ物をかぶせる。これが差し歯ね」 説明を聞いているだけなのに、香緒里は泣きそうな顔をしていた。
- 587 :本編 少しずつ進行編:04/09/14 11:37:24 ID:CFbxOkdP
「1本は、詰めるだけでいけるわ。後は・・やってみないと分からないわね。 ただ、いずれにせよ、見た目はなかなかきれいに治るわ。心配しないで」 萩原先生がそう言って肩を叩くと、香緒里は不安そうにうなずいた。 「じゃあ、今日は根の治療のあと前歯の治療をしましょうか」 「はい」 香緒里がそう言うと、先生はにっこり微笑み、ユニットを倒した。 「まず土台を入れるわ。はい、あーん・・」 先生が、歯にぎゅっと土台を押し込む。 香緒里はハンカチをぎゅっと握りしめて目尻から涙を流したが、声は出さなかった。 「あれ、香緒里ちゃん、我慢強くなったわね」 萩原先生がほほえみかけると、香緒里もにこっと笑い返した。 「じゃあ、次は・・例の歯の根の治療ね」 先生がそう言うと、香緒里は一瞬びくっとしたが、おとなしく口を開けた。 先生は、蓋を取って、難しい顔をする。 「ん・・今日は、薬を詰め替えるだけにしようか」 先生はそう言うと、綿を歯から抜く。 綿は、しっとりと膿でしめっていた。 「新しいの入れるわね」 先生はそうとだけいって新しい綿を押し込むと、蓋をした。
- 588 :名無しさん@ピンキー:04/09/14 11:39:02 ID:CFbxOkdP
・・ふぅ、息切れ。 どなたか前歯の治療をしてあげてください・・。 C2でも、削ってみたら露髄しちゃったってのが欲しいなぁw
- 589 :本編 少しずつ進行編:04/09/14 16:55:51 ID:V1gcG3gP
ちょびっと続けさせてもらいます 「ぅ、くう」 「痛む?」 香緒里は、ちょっと迷ってから、首を振った。 「香緒里ちゃん。」 先生は、静かに言った。 「香緒里ちゃんの歯が痛いかどうかは、香緒里ちゃんにしかわからないの。 で、神経のところを治療しているときは、特に、痛いかどうかって重要な情報なのね。 もし、痛いのに、それを気付かずに詰めてしまったりしたら、あとで大変なことになるのよ。」 香緒里は真剣な顔で頷いている。 「だから、痛いかどうか聞いたときは、嘘はつかないで欲しいの。 抜くのがイヤだっていうのは分かってるから、そうなったらちゃんと相談するから。いい?」 ハイ、と小さく香緒里が答える。 すると、背後から、ぷっ、と吹き出す声がした。 振り向いてみると、隣の椅子で、子供の治療を終えたばかりの男の先生が、笑っていた。 この間の先生だ。 それを見た萩原先生は、赤くなって笑いながら、 「なーんて言ってもね、つい、痛くないって言っちゃうものだけどね、ダメよ。」 と、香緒里に念を押した。
- 590 :本編 少しずつ進行編:04/09/14 18:44:08 ID:V1gcG3gP
「じゃ、次、前歯治しましょうか。」 「ハイ、お願いします」 「ただ、さすがに5本いっぺんにはできないわ。今日は左側をやりましょ。」 そう言って、先生は、香緒里に手鏡を持たせて、唇をめくった。香緒里がちょっと赤くなる。 「まず、この、ちょっと黒くなってる犬歯、ここね、ちょっと口開けてくれるかな、裏も黒くなってるけど。ほら。」 ミラーで、歯の裏側を見せられ、香緒里が泣きそうな顔になった。 裏側は、歯の4分の1くらいまで、かなりクッキリと黒ずんでいた。 「あと、この歯ね。」 次に、前歯の真ん中を指差す。根元に穴があいてしまっている。 やはり裏側を見せられるが、裏は穴の周りが黒くなっていた。 「大丈夫よ、こんなになってても、ちゃんと治るから。じゃ、治すわね。」 先生が、微笑みながら、椅子を倒した。 「ちょっと響くと思うけど、痛いってことはないと思うわ。でも、痛かったら手、上げてね。」 今日は、口を開ける器具は使わないらしい、と思っていると、助手がガーゼを唇の下にぐい、っと挟み込み、 左側の唇だけを大きく開かせた。 ヒュイーン、と音をさせながら、ドリルが香緒里の口の中に入る。 どうやら、裏側から削るらしい。 ウイン、イン、チュイィィィィン、 香緒里は、目をギュッとつぶったまま、おとなしく削られている。 ずいぶんと長く削っていたが、香緒里は、最後に一度呻いただけだった。
- 591 :本編 少しずつ進行編:04/09/14 18:49:35 ID:V1gcG3gP
「うん、大丈夫だったわね。口ゆすいでいいわ」 先生が満足そうに言い、ガーゼを抜いて、椅子を起こした。 口をゆすいだ香緒里に、 「イーってしてみて」と言ってみる。イヤイヤながら口を開ける香緒里。 が、予想に反して、特に前から見て、穴は開いていなかった。 「黒く見えてたのは、後ろの虫歯が透けていただけなの。だから、前は残ってるわ」 先生が横から説明してくれた。 「じゃ、埋めていくわね。最初の薬だけちょっと熱くなる感じがするかもしれないけど。」 そう言って、助手が治療台に用意した薬を付けたり、風を当てたり、ペーストを埋めたりして、 最後に青い光を当てて、手際よく処置してくれた。 「はい、こっちの歯は終わったわ。」 そう言って、香緒里に手鏡を渡し、椅子を起こす。 香緒里は、おそるおそる口を開いて、鏡を見たが、その顔がパッと明るくなった。 「綺麗に治ったでしょう。」 ミラーで裏も見せてくれたが、そこには、さっきの黒ずみは見当たらなかった。 香緒里は嬉しそうだ。 「さて。次はちょっと痛いかもしれないけど・・・頑張れるわよね」 先生が香緒里を励ますように言う。 香緒里は、大きく頷いた。 終わり。後よろしく。綺麗に治るので喜んだ香緒里、ってとこで止めてみました。 >>588 たしかに、露髄も欲しいですね。やっぱり1番と、右の2番あたりが怪しいかな。 とりあえず痛くなってないので、覆髄試して、1本くらいうまく行くかも。 紺野が出てきて、佳奈子に3Mixでも使わせるっていうのもアリだと思うけど・・ 9月の香緒里の続きもゼヒお願いします
- 592 :名無しさん@ピンキー:04/09/14 19:07:25 ID:50J+ZJxn
おー、1本は無事治ったんだー。良かった♪ 3Mixまで出てきたw 聞いたことあるけど使い方しらないやw
- 593 :本編 少しずつ進行編:04/09/14 20:16:21 ID:50J+ZJxn
治療がちょびちょび進む・・ 「じゃあ、削っていくから。ちょっと我慢してね」 先生がそう言うと、助手がさっきと同じようにガーゼを押し込んだ。 香緒里の顔が、ちょっとこわばる。 チュイィィィィン、と同じように裏から削っていくと、香緒里の眉間にしわが寄っていく。 「ふぁ、あぁあっ・・」 痛そうな声を上げるが、先生は全く気にしていない。 「ふぅぅん・・ぁあっ・・」 ハンカチをぎゅっと握りしめ涙を流す香緒里。 「んぁああっ!」 香緒里がひときわ大きな声を上げると、先生はドリルを止めた。 「・・香緒里ちゃん。虫歯を削っていたら、神経がでちゃったわ」 先生がそう言うと、香緒里はさっと青ざめた。 「じゃ、じゃあ・・」 「神経を抜いて、差し歯にした方が良いわ。神経を抜いた歯は折れやすいし、変色もするし」 香緒里は、がっくりとうなだれた。
- 594 :本編 少しずつ進行編:04/09/14 20:16:47 ID:50J+ZJxn
「・・いいかしら」 先生が念押しに聞くと、香緒里は力なくこくんとうなずいた 助手が麻酔を持ってきた。 「じゃあ、麻酔するからね」 先生はそう言うと、香緒里の歯茎にすっと針を差し入れる。 「ひぁ・・んんっ・・」 「ん、もう一本打つわね」 「あぁっ・・ん・・」 見慣れてしまった麻酔の光景である。 しばらく経つと、先生はまたドリルで香緒里の歯を削っていく。 香緒里はぎゅっと目を閉じて、痛みに耐えている。 「じゃ、神経取るから」 先生はそう言うと、例の針を手に取った。 香緒里が、びくっと身構えた。 ってことで、どなたか前歯2本の根の処置してください(汗
- 595 :名無しさん@ピンキー:04/09/14 20:23:07 ID:50J+ZJxn
現段階で 本編 少しずつ進行 >>594 本編 9月期 >>581 萩原先生編 >>569 夏美編 >>576 たくさんありますので、作る方お間違えのないようw
- 596 :579:04/09/14 20:45:07 ID:Be7P6buZ
治療を少しずつ進行させるネタが思いつかなかったんで、すっ飛ばして書いたんだが、 今読んだら、少しずつ編がかなり本格的で良い感じ。 この段階でパラレルにするとしんどそうなので、 9月期編は無かったことにしてくれていいです。 でももし良ければ、左上6番が痛くなるエピソードなんか、 使えそうなところだけタイミング合わせてコピペしてくれると嬉しい。 ちなみに、あわててレントゲンを撮ったらでっかい膿瘍ができてて、 それを見た荻原先生が真っ青になる予定でした。
- 597 :名無しさん@ピンキー:04/09/14 20:48:47 ID:V1gcG3gP
いえいえ、9月編、すごくいいです。 香緒里の意地っ張りぶりとか。
- 598 :名無しさん@ピンキー:04/09/14 20:51:33 ID:V1gcG3gP
お、香緒里の前歯、神経が! 紺野、今だ、助けてやれ。 自分の中では、紺野は10年前佳奈子の歯を抜いちゃったのを悔やんでるイメージ。 今なら治せたのに、みたいな。
- 599 :名無しさん@ピンキー:04/09/14 22:50:00 ID:A4n95TbR
>>598 それじゃ青春小説だよ、歯フェチ小説だよこれは と思いつつも、その設定悪くないのでちょっと書いてみる 少々お待ちを もち、期待もたせてがっくり、ってなるのも入れよう
- 600 :本編 少しずつ進行編:04/09/14 23:48:55 ID:qbVZNHdi
「ちょ、ちょっと待って下さい」 俺は、声を上げた。 先生と助手が、怪訝そうにこっちを見ていた。 「痛い歯なら、神経取るの、わかるんですけど・・特に痛くなかったのに・・」 うまく言えなかった。無駄な抵抗だというのはわかっていた。 香緒里は、だまってうつむいたままだ。 「そうね、ちょっと説明が足りなかったかしら」 先生は、針を置いて、説明してくれた。 「前歯はね、奥歯よりも固い部分が薄いの。だから、神経にすぐに虫歯が達してしまうのね」 「・・なんとなく、わかります」 「で、削るのは、虫歯になっている部分なんだけど、そこを取っていたら、神経が出てしまったのよ」 「でも、痛くなったりとかそういうのが先じゃないんですか」 「痛くなくても、神経が虫歯と接してた、ってことだから、神経に菌が入っている可能性が高いわね」 「可能性ですよね」 と言ったとき、視界に、さっきの男の先生が入った。助けてくれそうな気がして、目で訴えた。
- 601 :本編 少しずつ進行編:04/09/15 01:41:26 ID:mdapgif7
「どうかしましたか」 その人がやってきた。 「ああ、紺野先生」 やはり、紺野先生というらしい。 「上左1番のC2の齲蝕を除去していたら、露髄してしまったんです」 そう言って、萩原先生は、香緒里の歯を見せた。 穴とまわりの黒い部分は削られてなくなっていたが、かわりにそこに大きな穴が開き、 痛々しかった。 「なので、抜髄して、治療するつもりです」 萩原先生が淡々と説明する。 「ん、わかった、で、それは嫌だというのかな?」 「患者さん、香緒里ちゃんは了解してくれたんですが、この、彼氏が嫌だって」 「なるほどね。気持ちはわかる。」 紺野先生は、俺を見て、ちょっと笑ってから、萩原先生に言った。 「炎症がなければ、覆髄してみたら。」
- 602 :本編 少しずつ進行編:04/09/15 03:19:52 ID:mdapgif7
「でも・・」萩原先生が何か言いかけるのを、 「もし、これが萩原君の歯だったら、僕はとりあえず覆髄してみると思う。自分の歯だったらどう?」 と、さえぎった。 「・・・」 「それに、この彼氏がついてるなら、大丈夫じゃないかな。」 「わかりました。やってみます。」 きょとんとしている俺と香緒里に、紺野先生が説明をしてくれた。萩原先生は、 なにやら忙しく薬を準備しているようだ。 「神経に菌が入ってるかもしれない場合、普通、神経を取ってしまうんだ。安全のためにね」 「はい」香緒里も、真剣だ。 「でも、もちろん神経は取らずに残したほうがいいから、神経がきれいで、感染が少なそうな時は、 菌を殺す薬を塗って、そのまましっかり蓋をする、っていう方法がある」 「そのほうが絶対よさそうなのに、何故、そうしないんですか」 さっき、萩原先生が、一度神経を取る、といったのがギモンだったのだ。 「いくつか理由があるんだけどね、まず、神経を取らない上に薬を塗るから、しばらく、痛むんだ、長いと1週間くらい」 「はい」 「だから、我慢できなさそうなら、やらない。あと、やってみて、やっぱりダメだった、ということもある」 「えっ・・」 「特に、しっかり蓋をしてあるから、けっこう痛くなるらしい。で、あの歯医者はダメだ、って、 患者さんが勝手によそに行って、神経を抜かれたりする。残念だけどね」 「はい・・」 「そういうわけなんだ。しばらく痛むけど、我慢できるかな?えーと、香緒里ちゃん。」 「はい、頑張ります。」 「よし。萩原君は、ちょっと怖い以外はいい歯医者だから。安心して。」 紺野先生は、香緒里の肩をポンポン、とたたくと、にっこり笑って、奥へ行ってしまった。
- 603 :本編 少しずつ進行編:04/09/15 03:20:26 ID:mdapgif7
「この様子だと、けっこうジンジン痛いかも知れないわ。頑張れる?」 気が付くと、萩原先生がスタンバイしていた。香緒里がこくっと頷く。 「じゃ、始めましょうか」 椅子が倒される。香緒里が静かに口を開けた・・・ 「ちょっとしみるわよ・・」 ガーゼを当てて、水をかける。 「ん!んんん!」 香緒里が眉根にぎゅっとしわを寄せ、うめく。 さらに、風を当てる。 「んあぁぁっぁぁん」 助手が頭を押さえたので、香緒里は足をもぞもぞさせている。痛そうだ・・ 「じゃ、薬塗るからね」 小さいヘラのようなもので、薬を取って香緒里の歯に塗る。 香緒里が、びくん!と大きくはねた。 「いひゃああああい」目からは涙が流れている。 「これでよし。じゃ、蓋しちゃうわね」 先生はそう言って、さっきの歯を治した時のように、手際よく、治療を終えた。 「今は、仮の封だから、ちょっと色が白いけど。2週間経ってなんともなかったら、 こっちみたいに、自然な色でやり直すわね。」 たしかに、ちょっと白っぽいが、さっきまでの、穴の開いた歯よりはずっと綺麗だ。 喜んでいるだろうな、と、手鏡を渡された香緒里の顔をのぞきこんでみると、 やや顔をしかめている。
- 604 :本編 少しずつ進行編:04/09/15 03:21:20 ID:mdapgif7
「香緒里、痛いのか?」 「・・うん。」 先生の顔を見ると、 「さっき紺野先生に聞いたと思うけど、2,3日から、1週間くらいは痛むと思うわ。 もし、急にズキズキ痛くなってきたら、言ってね。」 と、説明してくれた。 「じゃ、今日はこれでおしまい。また、明後日来てくれる?残りの前歯と、根の掃除するわ。」 弱々しく、ありがとうございました、と言って、香緒里が椅子を立つ。 診察室をでようとしたところで、紺野先生が出てきた。 「ホント、ありがとうございました。」 頭を下げると、 「うん、それより、彼女のこと。けっこう痛むと思うから、しっかり付いててあげて。」 と言って、送り出してくれた。 帰り道。香緒里は、しくしく泣いている。相当痛いらしい。これがしばらく続くのか・・ 可哀想になって、香緒里の肩を抱き寄せた。 残してみた。後よろー
- 605 :本編 少しずつ進行編:04/09/15 20:10:48 ID:OKH72qGm
家に帰っても、香緒里は泣き続けていた。 「痛いよぉ・・」 痛み止めの薬をもらっていたので、飲ませたが、どうやら、効かないらしかった。 夜中になって、痛みはおさまるどころか、より強くなったらしい。 「あぁぁぁん。もうダメ・・痛いぃ・・痛いよぉ・・」 「大丈夫、2,3日我慢すればいいって言われたじゃないか」 一生懸命励ます。 「もうイヤぁぁぁ。」 「でも、差し歯になるのはイヤなんだろ」 「差し歯でいいよ・・こんなに痛いのやだよぉ」 「そんな、ちょっと頑張ってみようよ」 なだめてみたが、もう香緒里は限界のようだった。 「どんなに痛いか、わからないくせに!だいたい、私は頼んでないのに!」 ・・・
- 606 :名無しさん@ピンキー:04/09/15 22:59:21 ID:OKH72qGm
後よろしく。
- 607 :本編 少しずつ進行編:04/09/16 02:58:21 ID:1PTYIpG8
よく考えてみると、そうだったかもしれない。 俺が先走って、先生に頼んで、香緒里の歯を残してもらったのだ。 「香緒里、ごめんな。明日、歯医者に行って、神経抜いて、楽にしてもらおう。」 香緒里は、泣き顔のまま、頷いた。 次の日。 朝、一番に見てもらえるように、診察時間の前に、香緒里を連れて歯医者に行った。 受け付けをしていると、紺野先生が、香緒里を見つけて、やってきた。 泣いている香緒里を見て、全てを察したようだ。 「どうした?やっぱり痛かったかな?」 黙って頷くだけで、泣いたままの香緒里の代わりに、答える。 「すみませんでした。昨日、無理言って、わざわざ残してもらったのに」 「いや、構わないよ。後で、この歯は残せたかもしれない、って思うより、 なんというか、言い方が良くないけど、本人も、しょうがなかった、って諦めがつくから。 萩原君は今、治療中だから、ちょっと待ってて。」
- 608 :本編 少しずつ進行編:04/09/16 03:14:31 ID:1PTYIpG8
治療中?まだ、診察時間は始まってないはずだけど、他にも急患の人がいたのかな。 そう思って、診察室をのぞくと、紺野先生が、治療ユニットの椅子を倒しているところだった。 ふと見ると・・治療椅子に座らされているのは・・・萩原先生だ。 ドクン、ドクン・・ 治療台の上には、歯の模型があって、その上に、銀歯がちょこんと乗って輝いている。 あれが、萩原先生の口に入るのか・・ 俺は、傍らの香緒里のことも忘れて、二人から目が離せなくなった。 紺野先生に促され、萩原先生が口を開けて、目を閉じる。 模型から銀歯を取って、口の中へ・・・ ごくり、と唾を飲み込んだとき、目の前で、診察室のドアが閉められてしまった。 頭がくらくらした。あの二人が付き合っているのかどうか知らないが、 あんなにエロティックな光景は初めて見た気がする。 俺も、歯医者になっておけばよかった・・と、後悔した。
- 609 :本編 少しずつ進行編:04/09/16 03:48:29 ID:1PTYIpG8
しばらくして、助手が「大野香緒里さん」と、呼びに来た。 診察室に入ると、萩原先生が、白衣を着て、いつもどおり待っていた。 さっきの光景が頭に浮かんで、まともに見られなかった。 萩原先生の口には、さっきの銀歯が入っているのだ。 すると、それを見透かしたように、萩原先生は、 「さっき、見たわね・・」と、いたずらっぽく笑った。が、すぐにまじめな表情に戻って、 「ま、そんなことより、香緒里ちゃん、痛む?我慢できない?」 と、香緒里に尋ねた。 香緒里が泣きながら頷く。 「そっか、じゃ、神経抜いて、治療するわね。いい?」 また、香緒里が黙って頷いた。涙がさらに溢れ出ていた。 「じゃ、麻酔するわね」 椅子が倒され、香緒里の歯茎に、針がささる。 「んっ・・あ・・」 「ちょっと我慢ね」 「んぁ!ぁぁ・・」 「はい、いいわ。しばらく待ちましょう」 そう言って、先生は、話を始めた。 「ところで、根の治療が終わった後のことなんだけど。 この間痛んだ前歯は、歯自体がやられちゃってるから、差し歯にするしかないんだけど。 こっちの歯は、一応、歯はきちんと残ってるから、残すこともできるわ。どうする? ただ、神経を抜いてしまうと、どうしてもしばらく経って、歯が変色してしまうけど・・ 差し歯が嫌っていうのであれば、それも可能だから。どうするか、考えておいて。」 香緒里は、はい、と返事をして、少し考え込んだ。 「じゃ、始めましょ」 萩原先生が、ドリルを手にした。 ここまでです。
- 610 :萩原先生編:04/09/16 11:17:26 ID://HhA3SY
あまりに遠くて忘れそうなので、ちょこっと書いてみます。 翌日の、日曜日。 前の晩、やはり根の治療中の右上6番がなんとなく痛く、痛み止めを飲んで寝たせいか、 夏休みで患者が多いのに疲れていたせいか、 12時を過ぎてもまだ眠っていた佳奈子は、突然、歯の痛みで目が覚めた。 「ん、いたたた・・」 左頬をおさえる。痛み止め、飲まなきゃ。 え、・・・左・・・? 寝起きの頭で考える。治療してもらってるのは・・・右じゃなかったっけ・・・ じゃあ、今痛いのは・・?新しい虫歯? ハッ、と、飛び起きた。 紺野に連絡しようと、電話を取る。 が、今日は日曜日だった、と気が付いた。 紺野は何をしているだろう、デートでもしているかもしれない。 実は、佳奈子は、紺野の私生活はよく知らないのだった。 昔から、なんとなく憧れは抱いているものの、会うのはほとんど仕事の時だった。 さすがに日曜に電話をするのは気が引けた。 痛み止めを飲んで、もう少し様子を見てみよう。 そう思って、薬を飲んで、また横になった。 半端でごめん、誰か続けて。
- 611 :名無しさん@ピンキー:04/09/17 01:55:23 ID:R9B/t0Yr
最近話が伸びないね。とりあえずあげ。
- 612 :名無しさん@ピンキー:04/09/17 12:14:04 ID:RR9eErrI
最初みたいに、ドラマティックな展開がないからなあ 削って神経いじる時に痛がるシーン、しか作れないから 香緒里の9月は新展開だったから、続けてもらえないかな>作者の方
- 613 :名無しさん@ピンキー:04/09/17 15:28:47 ID:A3i352Km
小説の作者さんへ 荻原先生が治療された銀歯というのはクラウンのことですか?
- 614 :名無しさん@ピンキー:04/09/17 15:59:26 ID:RR9eErrI
>>613 それまでは、クラウンは入ってなかったんじゃなかった? 今回のでクラウンになったかも。上の6番。 と、自分は思ってます
- 615 :香緒里・高校生編:04/09/17 18:14:17 ID:RR9eErrI
ちょっとマンネリだったので、新しいのかいちゃいました。 読みきりなので許して。 桜野高校の昼休み。 2年B組の大野香緒里は、廊下で、担任の真鍋先生に声をかけられた。 「大野さん。」 「はい。」 「大野さん、このあいだの歯科検診の日、お休みだったわよね。」 「ええ・・風邪を引いてしまって」 「今日、歯科検診をお休みした人のために、もう一度、歯科の先生が来て下さってるの。 今から保健室に行ってもらえる?」 香緒里の顔が、一瞬強張った。 「大丈夫よ、一人じゃないから。けっこうたくさんいるみたいよ。 私が養護の先生に怒られちゃうから、ちゃんと行ってね。」 「はい・・・」 香緒里は、重い足取りで保健室に向かった。 歯医者の嫌いな香緒里が最後に歯医者に行ったのは、小学校4年生のときだった。 その後も、年に一度の忌まわしい歯科検診で、虫歯は見つかっていたが、 「歯科受診のおすすめ」を親に渡さないという方法をおぼえ、そのまま放置していた。 しかし、高校に入ってからは、歯科検診の日に休めばいいんだ!と思いつき、 去年と今年の歯科検診をパスしていた。今年もうまくいったと思ったのに・・・・ なんで検診をもう一度やるなんてことになったのだろう。しかも抜き打ちで! 「失礼します」 保健室に入ると、すでに10人ほどの生徒がいて、皆、暗い顔をしていた。 養護教諭の牧野が、香緒里を見つけてやってきた。 牧野は、オールドミスと陰口を叩かれる、怖い中年の女性だった。
- 616 :香緒里・高校生編:04/09/17 18:19:56 ID:RR9eErrI
「はい、クラスと名前。」 「2年B組の大野香緒里です」 「大野さんね・・・」 健康診断簿の中から、香緒里のものを抜き出した牧野が言った。 「大野さん、去年も歯科検診、休んでるわよね。見られたくないものでもあるのかしらね。」 「いえ、風邪を・・」 「ま、いいのよ、どうせわかることなんだから。中学から送られてきているあなたの健康診断書に、 未処置の虫歯があるって書いてあるのよね。どうせ治してないんでしょ」 香緒里が無言なのを見て、牧野はさらに得意そうに続けた。 「歯科検診の日は、いつもより、欠席者がちょっと多いのよ。で、ピンと来たわけ。 今年から追加検診を、いきなりやることにしたの。正解だったわ。 今のところ、5人終わったけど、欠席した生徒の方が、口腔状態がひどいのよね。 あなたもその口でしょう。」 香緒里は、うつむくしかなかった。 「うまく逃れたって思ってただろうけど、私の目だって節穴じゃないのよ。 でも、あなたたちの健康のためにやってることだから、ね? まあ、うちの学校は、生徒の自主性を重んじる、って主義だから、結果を家に送ったりはしないわ。 それでどうなっても、あなたの責任だから。でも、自分の歯の状態は知っておいてもらいたいの。」 そこで、次の生徒が入ってきたので、お説教は終わりになった。 歯医者に行かされるわけじゃないなら、いいかな・・と、楽天的な香緒里は思い始めた。 みんな、歯科検診逃れなのね。そう思って周りを見ると、皆、バツの悪そうな顔をしている。 香緒里よりもふたり前に並んでいるのは、去年同じクラスだった、麻衣だ。いつも威張っていて、嫌いだったのだが、 今は泣きそうな顔をして、おとなしい。ちょっと、いい気味だ。 その前にいるのは、同じクラスの雅子。文芸部で、おとなしく、真面目な子、くらいにしか思っていなかったが、 彼女も、歯医者が嫌いなのかな・・・ほとんどしゃべらないし、笑わないので、どんな歯をしていたかなんておぼえていないが。 そのとき、 「やっぱり、嫌ぁっ」 という悲鳴が聞こえた。歯科医の前の椅子に座るのをいやがっているようだ。助手らしき女性に、腕をつかまれている。
- 617 :香緒里・高校生編:04/09/17 18:21:06 ID:RR9eErrI
「なんにもしないから。診るだけだから。」 よっぽど嫌なのかしら、と、声を上げている生徒をみると、一学年上の、中野香織だった。 香織は、顔がかわいく、成績も優秀、スポーツも得意、と、下級生の憧れの的だった。 香緒里も、名前が似ているので、少し気になっていたのだが。 まわりも、自分のことを忘れ、アイドルの運命を、やや興味津々で見守っている。 牧野と助手に腕をつかまれ、椅子に座らされると、助手が、後ろから、容赦なく香織の口を開けさせた。 「ほーぅ。」 歯医者が、感心したように言った。 「こりゃひどい・・かわいい顔してても、歯がこれじゃねえ」 香織はすでに、硬直してしまっている。香織を見つめる生徒たちの視線に、少し残酷な光が混じった。 「じゃ、左上から・・7番C3、6番さんかく、5番C3、4番C2、3番斜線、2番C2、1番C2、右行って1番C1,2,3、4斜線、5番C3、6番さんかく、7番C2」 それはさすがにひどいわ。虫歯だらけじゃない。と、香緒里は思っていた。数年後、虫歯を放置した自分が同じような状況になることは、想像もしていない。 「下行って、8番C2、7番C3、6番C3、5番C2、4番まる。3番まる。2番から左下4番まで斜線。5番C2、6番C3で7番まる。8番C2、以上です」 香織は泣き出してしまったが、歯医者はそれにかまわず、言った。 「ボロボロだね。特に、詰め物が取れたのを放置したり、治療の途中でやめるのは良くないな。これだと、30前に入れ歯だよ。 気付いてないかもしれないが、虫歯やら膿やらで、口もかなり臭いよ。かわいい顔が台無しだ。」 涙を拭きながら出て行く香織を、皆が哀れみの目で見送った。 「はい、次。」 そうだ。自分も検診があるのだ。そして、他の生徒に聞こえているのだ。ということに、気が付いた。そっちの方がやだな・・・ 「ねえ、あなたも、歯科検診、わざと休んだの?」 前に並んでいる生徒に聞かれた。どうやら、3年生だ。
- 618 :香緒里・高校生編:04/09/17 18:21:41 ID:RR9eErrI
「・・はい。」 「そうなんだ。別に、歯科検診なんて、たいしたことじゃないじゃん。私は法事があって休んだけどさ、そんなに嫌なものなの?」 「歯医者に行かされるのが、嫌で」 「へえ。私、生え変わるときに奥歯抜きに行ったくらいだから、わからないや。 ま、怖いもの知らずの香織も、あんなに放っとくくらいだから、嫌なとこなんだろうね」 彼女は、興味深そうに言った。たしかに、歯も丈夫そうだ。 「中野さん、かわいそうでした・・」 「ん?でも、香織の口が臭いのは、クラスでは有名だよ。 最近、彼氏に振られたらしくて、本人は理由がわからないとか悩んでるけど、私らに言わせれば、 口が臭いせいだと思うなあ。ちょっとキスとか無理だよね。内緒話もけっこうキツいもん。 前歯も黒くなってるし、治せばいいのに。」 彼女は、他人の不幸は蜜の味、というように、少しおもしろそうに言った。 「そこ、静かに。」 牧野に注意されたので、2人で顔を見合わせて、口をつぐんだ。 雅子の番になった。後ろがさわがしくてよく聞き取れなかったが、どうやら、前歯がかなり虫歯らしい。 「女の子なんだから、ちゃんと治さないと。」と歯医者に言われている。 「そういう、女の子だからとかいうの、良くないと思います」雅子が抵抗するが、牧野に、 「女の子だからとか関係なく、そんな前歯、さっさと治しなさい!見た目が汚らしいのよ!」 と、怒られ、おもしろくなさそうに、保健室を出て行く。 前歯が虫歯になったら、さすがに治すわよ、みっともないもん、と、思う、高校2年生の香緒里であった。
- 619 :香緒里・高校生編:04/09/17 18:37:22 ID:RR9eErrI
次は麻衣だ。 「おねがい、します」 礼儀正しい麻衣に、歯科医は満足そうだ。 「はい、じゃ、口開けてー。もっと大きく開けてもらえるかな」 すかさず、助手がうしろから口を開かせる。 「まあ、それほどでもないけどね、この、6歳臼歯の銀歯、3つも取れちゃってるけど、いつ取れたの」 「中学2年のときと・・・去年です」 「中学のはこっちかな。ずいぶん放っておいたね。歯が欠けて、なくなっちゃってるよ。」 「歯・・抜かれちゃうんでしょうか」 「この、古いのは抜くことになるかもしれないね。」 麻衣が、体を硬くするのが後ろからでもわかった。 「ま、とにかく、歯医者に行かないと治らないから。ちゃんと行くんだよ。」 「ありがとうございました・・」 抜くなんて、大変そうだけど、あんまり虫歯なくて、正直、つまらない、と香緒里は思った。 次は、歯の丈夫そうな3年生の番だ。早く終わりそうだ・・・その次が・・・香緒里は、緊張してきた。 たしか、中3の歯科検診では、奥歯が5本くらい虫歯だと言われた気がする、と、頭の中で考える。 特に痛いところは、ない。舌で、歯を触って確認していく。 ああ、左上の銀歯が、このあいだ、キャラメルを食べていて、取れてしまったのだった。でもこれは虫歯って言わないかな。 あと、前歯の間が一箇所、ひっかかるような気がするけど、気のせいかも。 と、都合よく考えていると、前の3年生が歯科医に注意されているのが聞こえてきた。 「まあ、歯の丈夫な人は、歯磨きも雑になるからね。どうしても多いんだよ。若くても。 歯周病っていうと、歯槽膿漏のことだからね。ちゃんとケアするように。」 彼女は、うなだれている。 この人、歯槽膿漏だったんだわ。思わず、冷たい目で見てしまったようで、 帰り際、目が合った彼女は、視線を伏せて、逃げるようにして、帰って行った。
- 620 :香緒里・高校生編:04/09/17 18:37:49 ID:RR9eErrI
「はい、次。」 いよいよ香緒里の番だ。 覚悟を決めて、口を開ける。 「んー、たいしたことなさそうだけど・・・ああ、でも、ちょこちょこ虫歯を溜め込んでるね。」 歯科医の言葉に、鼓動が速くなる。 「じゃ、左上から行きます。7番、C1。6番、C3。5番、C1。4番3番斜線、2番C2。1番から右の4番まで斜線、5番C1、6番まる、7番斜線。」 ときどき、カリカリカリ、と、探針で引っかかれるたびに、びくっとする。 「下行って、7番斜線、6番まる、5番C1、4番まる、3番から左の4番まで斜線、5番C1、6番まる、7番斜線、です」 口を閉じると、ミラーの消毒液の匂いが口の中に広がった。 「まず、つめものが取れたら、すぐに歯医者に行くこと。放っておくと、虫歯が大きくなるし、 大きい虫歯になると、そこから虫歯が口の中に広がっていきやすくなるからね。」 つめなおしてもらうだけで済むなら、行くわよ、と、香緒里は思っていた。 「ひどいのはないんだけどね、歯の間に小さい虫歯が多いね。 ちゃんと歯が磨けてないんじゃないの?」 そう言って、歯科医は笑った。香緒里は、カッと赤くなった。こういうことを言われるから、行きたくないのだ。 「こんなに虫歯があったら、恥ずかしいよ。彼氏にも嫌われるよ」 「彼氏なんて、いません。」 「そりゃよかった。彼氏ができて恥ずかしい思いをする前に、早く治すんだね。きっと長くかかるからね。」 このセクハラおやじめ、と、香緒里は、椅子から立った。 彼氏に、歯なんか見せるわけないでしょ。 女子校育ちで、まだ彼氏のいない香緒里は、そんなことを思いながら、保健室を出た。 1ヵ月後。「歯科受診のおすすめ」の紙が配られた。 未処置 7本 と、くっきり書かれているのを見たときは、一瞬胸が痛んだが、 帰り道、駅のゴミ箱に、丸めて捨ててしまい、香緒里は、歯のことを心の中から、消し去った。
- 621 :名無しさん@ピンキー:04/09/17 18:38:39 ID:RR9eErrI
終わりです。 また、他の編の続きも期待してます。
- 622 :名無しさん@ピンキー:04/09/17 19:22:43 ID:fq46RTt9
確かに、これだけ長くなると本編のマンネリ化は避けられませんな・・ 横道のストーリーに期待♪ >>615-620 さんくす♪
- 623 :名無しさん@ピンキー:04/09/17 20:09:33 ID:RR9eErrI
「こういうシーン好き!」とか、レスポンスがあれば書きやすいんだけど。 子供もの好きな人とかいるのかな
- 624 :名無しさん@ピンキー:04/09/17 20:16:17 ID:+zoMP36Z
9月期は「少しずつ」が追いついてからの方が判りやすいかなあ、と思ってる。 高校歯科検診編最高!
- 625 :624=579:04/09/17 20:19:00 ID:+zoMP36Z
名乗り忘れてた。9月期書いた579です。
- 626 :名無しさん@ピンキー:04/09/17 20:25:54 ID:fq46RTt9
あ、俺子供物好きだー 中学生ぐらいが最高w
- 627 :名無しさん@ピンキー:04/09/17 20:54:35 ID:RR9eErrI
じゃ、がんばって少しずつ編進めないと・・ 中学生って、どのくらいだったっけ、歯。 たまに乳歯残ってるくらいかな、中1くらいだと。 で、まだ、親に言われて、ちゃんと歯医者行ってたりして。 ぶつけて歯を折った子くらいしか、差し歯っていなかったよね。 いつごろfirst差し歯になるんだろう・・
- 628 :名無しさん@ピンキー:04/09/17 20:58:52 ID:fq46RTt9
中学生だと・・普通なら全部生え替わってて、7の根は未完成・・? 検診の紙を隠したりとかしてそーw 虫歯で差し歯になるのは・・いつ頃からなんだろー・・
- 629 :名無しさん@ピンキー:04/09/17 23:05:42 ID:b3et0g7R
30過ぎてからじゃないの?
- 630 :名無しさん@ピンキー:04/09/17 23:10:42 ID:Axr0ykSS
子供かなり好きです!乳歯と永久歯が混合になってる6才〜8才くらいの子がいいです。 永久歯虫歯にして歯医者さんにおこられたり、お友達同士であーんしたり…。歯並びがちゃがちゃで矯正行き。それで歯磨きできなくて虫歯みたいのとか…。
- 631 :名無しさん@ピンキー:04/09/18 00:45:46 ID:az01Li6t
>>627 俺の知人の女の子、初めて会った中1の頃から 上の前歯が立派な6連差し歯だったよ! 奥もしっかり治してあったみたいだけど、かなり虫歯が多かったみたいなので、 虫歯で差し歯にしたんじゃないかと思ってる。
- 632 :名無しさん@ピンキー:04/09/18 03:30:16 ID:rmkoS1jI
どうやら、早い子だと高校あたりで虫歯で差し歯ってそこそこあるみたい 631の女の子はかなり早いね
- 633 :Mr名無し:04/09/18 08:53:45 ID:Cb+0aknc
差し歯、矯正って高校からじゃないですかぁ? 今の女子高校生ってお洒落な子だったら、白い綺麗な歯並びに憧れるから・・・
- 634 :名無しさん@ピンキー:04/09/18 08:55:12 ID:hp0OJdLW
今度は矯正の物語りを作くりましょ。 上下フルメタルの矯正装置を付けられた女の子が、コンプレックスで悲しむストーリーを!
- 635 :名無しさん@ピンキー:04/09/18 14:04:50 ID:Y5nlKjNt
>>633 矯正は小学生くらいからやるでしょ うーん、矯正の話か、自分は全然そそられないんで書けないな、誰かよろしく
- 636 :名無しさん@ピンキー:04/09/18 14:06:38 ID:Y5nlKjNt
ってか、矯正装置付けてる子は希望に燃えてたりして、 コンプレックスはないんじゃないかなあ 歯がうまく磨けなくて虫歯だらけにしちゃったってのはアリ
- 637 :名無しさん@ピンキー:04/09/18 14:16:35 ID:hp0OJdLW
ありかな? 矯正してる子は嫌々やってる子も多いですよ
- 638 :名無しさん@ピンキー:04/09/18 15:18:12 ID:Y5nlKjNt
「次はゴムが強くなるの」とか、「ここは抜いて、動かすんだよ」とか、 いろいろ嬉しそうだったから、どこにコンプレックスを感じるのかぴんと来ない・・ 公立の学校とかで、矯正がマイナーだと違うのかな。 うちは中学から女子校で、矯正が流行ったみたいで、けっこうみんなやってたからなあ。 あと、これは趣味の問題ですから^^; そそられないやつは書けないんだよね・・ 634さん、ちょっと書いてみて。
- 639 :名無しさん@ピンキー:04/09/18 18:47:22 ID:MEJlSaK7
CSパワープラッツ 歯科医にイジられて私はもう・・・ 治療中、緊張している女をイタズラするこの快感!上の口も下の口も徹底治療!診察台の上で前から後ろからズコバコ強引FUCK!本当は期待してたんじゃ・・・と思うくらい乱れまくる女たち!俺のムスコで歯の痛みを忘れさせてやる!!(88分) 17(金) 0:07〜/3:12〜 18(土)、20(月)、22(水) 21:36〜/0:41〜/3:46〜 19(日)、21(火)、23(木) 23:07〜/2:12〜
- 640 :かおり:04/09/18 21:54:10 ID:ZnNgqG+Q
へえ、矯正編もはじまるのかな? 639みたいなのは、けっきょく、”下の口”がメインなので、いまいちなことが多いですよね。 ちょっと毛色を変えて書いてみたけど、どうだろう。 はいしゃさん 1年1くみ 大のかおり わたしが、きのう、学こうを休んだのは、はいしゃさんにいったからです。そのことをかきます。 おとといのよる、ごはんをたべていると、 「ガリッ」 というおとがしました。なんだろうと思って、出してみると、くろい石のようなものでした。 「おかあさん、ごはんに石がはいっていたよ」 と、おかあさんに見せると、 「これ、ぎんばじゃないの。」 と、いいました。 「口あけてごらん」 と、おとうさんにいわれて、口をあけると、 「あー、かおり、ぎんばがとれちゃってるよ」 と、いわれました。 わたしは、ようちえんのころから、虫ばがいっぱいあって、おくばはぜんぶ、ぎんばです。 左の下のぎんばが、とれてしまいました。 「あした、はいしゃさんに行ってつめてもらわないとだめね。」 と、おかあさんがいいました。わたしは、かなしくなりました。 はいしゃさんに行くとき、おかあさんはおこっているし、はいしゃさんは、いたくするからです。 そのあと、おふろに入って、ねるとき、きゅうに、はがいたくなってきました。 おかあさんにいうと、おこられるので、少しがまんしました。 でも、どんどんいたくなってきて、とうとう、ないてしまいました。
- 641 :かおり:04/09/18 21:54:32 ID:ZnNgqG+Q
おとうさんが、 「かおり、どうしたの、はがいたいの。」 と、いってくれました。おとうさんも、虫ばがたくさんあって、 「かおりのはがわるいのは、あなたのせいよ」 と、よく、おかあさんにおこられています。 おとうさんは、さいきん、小さい入ればを入れたので、よるは、入ればをはずして、コップに入れてねます。 おかあさんは、 「きたならしい。」 と、また、おこっています。 「虫ばになっちゃうんだもん、しょうがないよな、かおり」 と、おとうさんはいってくれます。 それで、はがいたいというと、こおりでひやして、くすりをのませてくれました。 きのうのあさ、おきても、はがいたかったので、あさごはんはたべられませんでした。 おとうさんが会しゃに行ってから、なきながら、おかあさんとはいしゃさんにいきました。 「とれたぎんばをつけてもらうだけだから、すぐおわるわ」 とおかあさんがいったので、すこしあん心しました。 おかあさんが、 「ぎんばが、とれてしまって。」 というと、はいしゃさんは、 「いたかったね。よくがんばったね」 と、いってくれました。いまのはいしゃさんは、ちょっとやさしいです。 それから、いすにすわって、みてもらいました。 「あー、かおりちゃん、ぎんばの下が虫ばになっちゃったんだよ。もう一かい、なおさないとね」 と、はいしゃさんがいいました。
- 642 :かおり:04/09/18 21:55:30 ID:ZnNgqG+Q
わたしは、ぎんばをつけてもらうだけだとおもっていたのに、またなおすときいて、こわくなりました。 お母さんも、こわいかおをしていました。 なおすときは、けずるので、ちゅうしゃをされます。 「ちくっとするからねー、がまんしてねー」 と、おねえさんにいわれて、ちゅうしゃをされました。 でも、いたくて、ないてしまいました。 それから、もっといやな、ドリルがちかづいてきました。 「ヒューン、ガリガリ、ガリガリ」 というおとがして、はをけずります。 いたくて、あしをバタバタしてしまったので、おねえさんがとんできて、 体をおさえられました。 「はい、ぶくぶくしていいよ」 と、はいしゃさんにいわれて、やっとけずるのがおわって、うれしかったです。 でも、うがいをしているとき、ぎんばのとれたところをさわると、はがなくなっていました。 びっくりしました。おとうさんみたいに、入ればになるのかな。 はいしゃさんにきくと、 「ふつうの、ぎんばになるだけだから、だいじょうぶだよ」 と、いわれたので、よかったです。 そのあと、へんなあじのゴムをかんで、かたをとりました。 もう一ど、口をあけて、はいしゃさんが、はをつくってくれました。 「でも、あんまり、こっちでかまないでね。」 といわれました。 おわったとおもったら、 「かおりちゃん、もう一かい、お口の中みせてね」 と、いすをたおされました。
- 643 :かおり:04/09/18 21:56:02 ID:ZnNgqG+Q
あーん、と、がんばって大きく口をあけると、はいしゃさんが、さきのとがったぼうで、 はをガリガリこすってから、 「あーあ、かおりちゃん、おとなのはが虫ばになっちゃってるよ」 と、いいました。 おかあさんは、 「えっ、本とうですか」 と、こわいこえをだしました。 はいしゃさんが、おかあさんに、 「ほら、下に、2本、生えてきているでしょう。これはおとなのはです。でも、もう虫ばになっています」 と、いいました。 おかあさんは、 「おとなのはなのに・・わたしは、虫ばになんかなったことないのに、かおりは、もう」 と、かなしそうにいいました。 わたしも、おとなのはが虫ばになったときいて、かなしくなりました。 はいしゃさんは、 「まあ、かおりちゃんは、はがよわいですから、しょうがないです。なおしましょう。」 と、いいました。 また、はをけずられるのは、いやだったけど、虫ばになったので、がまんしました。 「いたかったら、左手をあげて。」 と、いって、ちゅうしゃはしませんでした。 けずっていると中、いたくなってきたので、左手をあげました。でも、はいしゃさんは、 「もうちょっとだから、がんばってね」 といいました。わたしは、いたくて、また、ないてしまいました。
- 644 :名無しさん@ピンキー:04/09/18 21:56:31 ID:BgsWPlfb
すげえセンスいいスレと思い読みはじめたが、 途中で萎えた 超ツマラン物語はよそでやってくれ
- 645 :かおり:04/09/18 21:57:42 ID:ZnNgqG+Q
けずったあと、 「ここは、すぐになおるからね。」 といって、かたをとらないで、つめてもらいました。 「まえばも、おとなのはがはえてくるけど、ちゃんとはみがきしないとだめだよ。また虫ばになっちゃうよ。」 と、はいしゃさんにいわれました。 いえにかえって、かがみでみると、下の一ばんうしろのおくばも、小さいぎんばになっていました。 おくばは、やっぱりぎんばになるのかな、とおもいました。 また、あした、あたらしいぎんばをつけてもらいに、はいしゃさんにいきます。 あしたでおわるといいな、とおもいます。 おわり 終わり。
- 646 :名無しさん@ピンキー:04/09/18 22:26:38 ID:2G8EZe6y
>>644 さあ、読まなければいいのでは、2ちゃんだし。 自分はけっこう充実してるので好き
- 647 :名無しさん@ピンキー:04/09/18 22:28:24 ID:JdiHSs9O
(・∀・)イイな、日記・・ 香緒里は昔からかー・・そんな感じはする。
- 648 :名無しさん@ピンキー:04/09/19 03:05:53 ID:bZMfAoYd
「虫ば」と「ぎんば」にやけに萌えてしまった・・
- 649 :名無しさん@ピンキー:04/09/19 03:57:31 ID:d68jf8f9
男の人編も読みたいなあ。高校生とか20代後半の人がイイ! 男の人が泣くのって萌え。治療するのも男の先生でわざと痛くするとか。 夏美は性格悪いから部分入歯になって屈辱を与えて欲しい。
- 650 :名無しさん@ピンキー:04/09/19 07:23:26 ID:C1N4W8b3
矯正ストーリーまだかな? こんなのはどうかな? 陽子、小学六年学校の歯の定期検診で出っ歯だと指摘を受ける。 母親に勧められ歯医者に検査に行く。この時点では陽子は矯正とはどんな治療が待っているのか分からない。 まさか歯にギンギラの装置を付けるなんて考えもしてない。 歯医者に着くと待合室に陽子と同じ位の歳女の子が母親といる。 そこで陽子は初めて矯正装置を見る。その女の子は既に矯正をしていて母親と喋る度にメタルの装置やゴムが見え隠れしていた。 陽子は見てはいけないと思いながらも気になって仕方ない。
- 651 :名無しさん@ピンキー:04/09/19 07:45:23 ID:C1N4W8b3
まさか自分もあの装置を付けるとは思いもしてない。 陽子はあの装置は虫歯の治療の装置だと思っていた。 陽子の通う学校は一学年二クラスしかない小さな学校で矯正などしてる子はいない。 そして陽子が呼ばれる。母親と二人で治療室とは別の部屋へ通される。 そこで陽子は再び衝撃を受ける。少し待っていると先生がやってきた。 そして続いて助手の若い女性も入ってきた。 陽子はふと助手の女性を見ると目が点になった。 口の外から太い針金の様な物でて首の方に太いゴムで止めている。 そして歯にはあの子と同じ装置が付いていた。
- 652 :名無しさん@ピンキー:04/09/19 08:01:48 ID:C1N4W8b3
陽子は段々と気付き始めた。もしかして私もあの装置を付けるの?絶対嫌だ。と心の中で叫んだ。 助手の女性が持ってきたファイルを開くと過去の矯正した人の写真が乗っていて、みんなあの装置が歯に付いていた。 陽子はショックで仕方ない表情でいた。先生は写真を見ながらこんな歯並びがこんなに奇麗に成るんだよ。と優しく説明していたが、陽子はショックで頷く事しか出来ない。 そして先生は矯正について具体的な説明を始めた。矯正は大体三年位この装置を付けてもらいます。と、陽子は泣きそうな顔になりました。
- 653 :名無しさん@ピンキー:04/09/19 08:08:27 ID:qtIApaKV
タービンで削られてるっていうのが一番興奮する。 そういう画像誰か持ってたら貼って欲しい
- 654 :名無しさん@ピンキー:04/09/19 08:23:18 ID:C1N4W8b3
先生は陽子の表情に気付いたけど話しは続けられた。 「基本はこの装置がメインですけど、症状によっては取り外し可能で夜だけ付けてもらう装置もあります」 「さっきのお姉さんが付けてた装置、ヘッドギアと言って出っ歯を引っ込める装置なの」 「取り外し可能の装置なの。」 と説明され後日検査をする為予約を取り歯医者を後にした。 帰りの電車の中で陽子は母親に矯正したくない、とダダをこねた。 母親も陽子の気持ちが分からない和気でもない。年頃の女の子だし、学校で苛めに合わないか心配の気持ちもあると思っていた。
- 655 :名無しさん@ピンキー:04/09/19 16:18:48 ID:C1N4W8b3
家に着いた陽子は再び母親に矯正はしたくないと告げる。 母親も陽子の気持ちが分かるだけに、強くは言えない。 しかし母親は矯正の装置を付けているのは約三年位我慢すればいいけど、 出っ歯のままだと、一生恥ずかしいし大人になってから後悔するよと心配の気持ちもある事を陽子に告げた。 陽子はあんな装置を付けるなら一生出っ歯でも構わないと言った。 しかし母親はあるタレントの名前を出し、今直さないとあんなに歯が出てきちゃうよと言うと さすがの陽子も浮かない表情で母親を見つめて、「出っ歯は嫌だよ。でも・・・矯正も嫌」
- 656 :名無しさん@ピンキー:04/09/19 22:26:43 ID:ELcUbxyT
>>632 世代によるよ。俺今30だけど、 俺の世代だと小学校のうちに前歯の間を虫歯にして 中学で差し歯になってる同級生何人かいた。
- 657 :本編 少しずつ進行編:04/09/19 22:58:08 ID:ufSBTio8
当時、まだセメント使ってたのかな? 自分今28だけど、小学校のとき、女の子が前歯の間治してたけど、 妙に白いのが詰まってたの憶えてる。 そしてひさびさの本編 助手が、香緒里の歯茎に、ガーゼを押し込み、バキュームを手にする。 キュイィィィィン、という音をさせて、ドリルが香緒里の口の中に消えた。 裏側から削っていくらしい。 香緒里はすぐに、聞くだけで痛そうな声を上げて泣き出した。。 「ふぁぁあんっ・・」 「前歯は痛いのよね、がんばって。すぐ終わるから。」 と言いながらも、先生は手を止める気配はない。 「ぅぅぅ、ぁあっ・・」 香緒里は、スカートのすそをぎゅっと握りしめて、耐えている。 「んぁあっ!あぁっ!」 そのうちに、足がバタバタと動きだしたので、俺は、危ないと思って、押さえに行った。 こんなに痛い思いをするなんて・・ 俺は、香緒里をもっと早くに歯医者に連れてこなかったことを後悔した。 「ん、ゃああああ」 ひときわ大きい声を出したとき、ようやく、先生がドリルを離した。 「はい、いいわ。」 口をゆすぐために起き上がった香緒里の口を見ると、 前歯の真ん中が無惨にも大きく削られていた。 そのままコントに出られそうだが、涙でぐしゃぐしゃになった香緒里に、そんなことは言えない。
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